2020年2月は、トヨタから「ヴィッツ」あらため「ヤリス」が、ホンダからは4代目「フィット」と、日本を代表するコンパクトカーが相次いで登場しました。偶然といえる2台の同時期デビューにより、コンパクトクラスへの注目度はマックスとなっています。
そして、発売から1か月がたち、それぞれの初期受注台数が明らかになりました。
数字でいえば、ヤリスが3万7000台、フィットは3万1000台。登録車は月販1万台を超えればランキングトップに立てるという市場状況からすると、ともに好スタートを切ったといえます。この数字だけを見るとヤリスがリードしているようにも思えますが、内容を見ていくと大きな違いがあって、キャラクターの違いが感じられます。
ポイントはハイブリッドの販売比率。
ヤリスのハイブリッド比率は45%とNAエンジン車がわずかながら多数派。一方、フィットはハイブリッド比率が72%と2/3以上となっています。コンパクトカーを欲しがるユーザー層とひとくくりにできないマインドの違いが明確に感じられる、初期受注の違いでしょう。
ヤリス、フィットともNAエンジン車と2モーターハイブリッド車をラインナップしています。ハイブリッドは燃費に優れ、NAエンジン車は価格的にお手頃というのは、両モデルに共通している部分。そして燃費性能自体でいえば、ヤリスのハイブリッドは36.0km/L、フィットは29.4km/L(いずれもWLTCモード)となっており、ヤリスがカタログスペックで大きくリードしています。
つまりコンパクトカーのユーザー層が燃費性能にプライオリティを置いているのであれば、ヤリスのハイブリッドがもっと売れるべきだし、フィットに大差をつけてもおかしくありません。しかし現実は違います。
ヤリスの初動だけを見るとユーザーは値段重視にも思えるし、逆にフィットのそれは燃費重視という風に考えることもできます。もはや、コストパフォーマンスや燃費性能といったひとつの側面だけでユーザー層を判断できないほど多様化が進んでいるわけです。
あえて言えば、ヤリスの3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンは新開発されたもので、発進ギア付きCVTと組み合わされている点でも非常に注目度は高い。一方、フィットの2モーター式ハイブリッドは燃費性能よりもユーザーがリアルワールドで感じる心地よさを重視したパワートレインであり、こちらは数字では表現できない魅力をもつ。そうした部分をユーザーが評価しているのだとすれば、いまの日本でコンパクトカーを新車で購入しようというユーザー層は優れた審美眼を持つといえそうです。
いずれにしても、両社の力作コンパクトカーであるヤリスとフィットがコンパクトカーの基準を引き上げることは間違いなく、両モデルが好スタートを切ったということは、日本の市場がコンパクトカーに求めるレベルが高まる未来が容易に予想され、日産やマツダ、スズキといったライバルも自社のストロングポイントを強化することになるはずです。
価格帯からいっても身近な存在であるコンパクトカーが多様に進化することは、ユーザーにとって歓迎すべき事実といえそうです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタの斬新「86ワゴン」に大反響! まさかの「スポーティワゴン」に進化! 実用的な「ハチロク」実車展示に熱視線
スズキが新型「コンパクトSUV」発表へ! 人気のトヨタ「ライズ」対抗馬!? 低価格「200万円級SUV」が”激戦区”に突入する理由とは
全長3.6mの新型「スポーツカー」発表! レトロデザインに斬新「タテ出しマフラー」採用した小さなスポーツカー「ペッレ」登場!
全長4.2m! レクサスが新型「小さな高級スポーツカー」を実車公開! 304馬力「ターボ4WD」にクラス超え「上質インテリア」がカッコイイ! 「LBX RR」世田谷で展示
スッキリ顔で打倒[シエンタ]!! 待望の新型[フリード]は約250万円から! 他がマネできない最大の強みとは
みんなのコメント
自分に合った方を選べばどちらもすごくメーカーの力が入ったモデルなので間違いないでしょう。
私は2代目フィットに乗っていますが今回の新型のデザインが好みではなかったので3代目に続いてまた見送る予定ですがいつまでクルマ自体が持つのやら、です。
まずスタイリングですよね。ヤリスはボンネットがあってスポーティーに見えるし、フィットはワンモーションっぽくて新しい感じがする。