人気のコンパクトSUV、プジョー 2008にディーゼルモデルが登場した。プジョーが掲げる「パワー オブ チョイス」思想のもと、これで2008シリーズに、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、電気モーターという3種類のパワートレーンが揃うことになった。では、それぞれどんな特徴があるのか、どのように選択すればいいのだろうか。(Motor Magazine2022年6月号より)
最高出力にほとんど変わりのない3つのパワーソース
プジョーは「パワー オブ チョイス」を掲げ、電気モーターもあくまで動力源の選択肢のひとつという認識から、あえて視覚面での差別化を図ることなく、エンジン車も電動車も対等な存在であることをアピールしている。実際に、エンジン車と電動車に対応することを念頭に開発された「CMP」と呼ぶプラットフォームにより、車内や荷室の広さ、装備類も同等となっている。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
そのコンセプトに則って、これまでガソリン車とBEVが選べた2008に、このほど新たにディーゼル車が加わった。価格は390万円と特別仕様車が421万5000円で、既存の2008との関係を整理すると、ガソリン車が324万9000~367万円、e-2008が467万9000円~509万8000円となっている。一見するとディーゼル車が割高に感じられるが実はそうでもなく、GT同士で比べると、それほどガソリン車と価格はかけ離れていない。
e-2008はやはり高額だが、登場当初より航続距離が延びて380kmとなり、22年はより手厚くなった補助金もあって、実質的には近い価格帯に収まる。
性能的には、130psという最高出力は、なんとガソリンとディーゼルではまったくの同値。e-2008も136psと、まさしく「パワーオブチョイス」な関係にある。
一方、ディーゼルの300Nmという最大トルクは、ガソリンの230Nm、モーターの260Nmを圧倒する。ただし、車両重量がガソリンの1270kgに対し、ディーゼルは50kg重く、e-2008は300kgあまり重いので、ウエイトレシオ的に走りがどうなのかはご想像いただけよう。
BEVのe-2008の加速はやや控えめな感もあり、航続距離も延びたとは言え、もう少し欲しい気もするが、それはプジョーとしても重々承知。より強力なモーターやバッテリーを積めば解決できるが、価格は上がり、室内空間や荷室の広さに影響を及ぼす可能性も高い。
そこで、「パワー オブ チョイス」のコンセプトに則すべく、何も犠牲にすることなく、動力性能と航続距離と車両価格などを現在の技術でまかなえる最大公約数を探った結果、現在の仕様となったと考えるのが妥当だろう。
e-2008の販売実績を見てみると、2021年では2008全体に占める割合は20.6%、2022年の1~3月を見てみると22.2%とEVの比率が高くなっているのが分かる。
一方で、ガソリンかディーゼルかという選択は、簡単でもあり難しい問題でもある。というのは、両者の差がかつてほど顕著でなくなってきたからだ。軽油の単価が安いのは当然としても、おそらく喜べるほど経済性での差はつかず、かたや走りも直噴ターボのガソリンモデルだって十分にトルクフルだからだ。
ではディーゼルモデルを選ぶ価値がどこにあるかというと、それは低速トルクが圧倒的に力強いかどうかだと考える。よく言われているとおり、遠出する機会の多い人にディーゼルが適するというのは2008にもあてはまるだろうが、力強いトルクは市街地走行が主体の人でも乗るたびその恩恵にあずかれる。
むろん以前ほどでないとはいえエンジン音が大きいことには違いなく、それが許せるかどうかも問題だが、動力性能重視派にこそディーゼルだろう。(文:岡本幸一郎/写真:村西一海、ステランティスジャパン)
プジョー2008ラインナップ
2008GT BlueHDi(ディーゼルターボ):390万円
2008GT Pack BlueHDi(ディーゼルターボ/特別仕様車):421万5000円
2008GT(ガソリンターボ):367万円
2008Allure(ガソリンターボ):324万9000円
e-2008GT(電気モーター):509万8000円
e-2008Allure(電気モーター):467万9000円
プジョー2008GT BlueHDi主要諸元
●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1320kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1498cc
●最高出力:96kW(130ps)/3750rpm
●最大トルク:300Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:軽油・41L
●WLTCモード燃費:20.8km/L
●タイヤサイズ:215/60R17
●車両価格(税込):390万円
プジョー2008 GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1270kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:1199cc
●最高出力:96kW(130ps)/5500rpm
●最大トルク:230Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・44L
●WLTCモード燃費:17.1km/L
●タイヤサイズ:215/60R17
●車両価格(税込):367万円
プジョー e-2008 GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1600kg
●パワーユニット:1モーター
●最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
●最大トルク:260Nm/300-3674rpm
●バッテリー総電力量:50kWh
●WLTCモード航続距離:380km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:215/55R18
●車両価格(税込):509万8000円
[ アルバム : 2008に見るプジョーのパワー オブ チョイス はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
“予約殺到”で5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」が発表5日で受注停止! ネットではどんな反響が集まっている?
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
トヨタ新「ハイエース」発売! “GRパーツ仕様”も発表! タフ感すごい「最強ゴツ顔」が激カッコイイ! 大人気のTRDエアロが「GRブランド」化して新登場!
ジムニー5ドア注文殺到!? 逆に「ジムニー3ドア」買いでしょ!→見積ってみた結果は?
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?