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新型カングー6月発売 フレンチMPVは日本車の脅威となるか?

掲載 更新 7
新型カングー6月発売 フレンチMPVは日本車の脅威となるか?

 ルノーは2021年3月24日、2020年11月に事前発表された新型ルノーカングーの商用バンをフランス国内において2021年4月1日から受注開始すると発表。

 続いて、2021年3月30日、乗用ワゴン仕様のカングーもフランス国内において2021年4月1日から受注を開始し、6月1日から発売すると発表した。いずれも欧州やそのほかの地域については6月から発売する予定。

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 さて、新型カングーはどのように進化したのだろうか? 日本車ミニバンの脅威となるのか? バンと乗車ワゴン仕様の2タイプの新型カングーをみていきたいと思う。

文/岩尾信哉
写真/ルノー

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仕事グルマの進化形

現行モデルのカングーZEN EDC。価格は264万7000円。1.2Lターボに電子制御6速AT(6速EDC)を組み合わせる

ルノーは、2020年11月初旬に、新型カングーについてプレ発表を実施。2021年3月24日、商用のカングーバンを4月1日からフランス

両側スライドドアを備える乗用ワゴンの新型カングー。2021年3月30日に4月1日からフランス国内において受注を開始、6月から発売される

 初代のカングーは1997年に発表、累計販売台数は400万台以上を数える。2代目の現行型カングーは2007年に登場(日本市場への導入は2009年9月)。2011/2013年の2度のマイナーチェンジを経ておよそ13年ぶりに今回のモデルチェンジを受けて、3世代目となった。

 エクステリアはどこか愛嬌のある顔付き人気の源だったが、新型はC字型シェイプのLEDヘッドライトやグリルの大きい、いかにも最近のルノーらしいデザインとなった。細かいところを見ていくと、塊感のある筋肉質な造形で、クオリティの高さを感じる。

新型カングー 乗用ワゴン(5人乗り)のボディサイズは全長4486×全幅1919×全高1838mm、ホイールベースは2716mm

 今回初めて明らかにされたボディサイズだが、新型カングーの5人乗り乗用ワゴン仕様が全長4486×全幅1919×全高1838mm(ルーフレールありは1893mm)、ホイールベースは2716mm。

 現行カングーの乗用ワゴン欧州仕様は全長4213×全幅1829×全高1809mm、ホイールベースは2697mmだから、現行に比べ新型は全長が273mm、全幅が90mm広く、全高が29mm高くなった。

 う~ん、驚くのは全幅が1919mmになったこと。思わずスペック表を二度見したほど全幅の拡大ぶりに驚かされた。日本では全幅がワイドすぎて、使いづらいのではないだろうか。

スライドドアの開口部は615mm、かつフロントドアは90度開く。乗り降りのしやすさが新型カングーのウリだ

 両側スライドドアは現行カングーから踏襲し、615mmの開口部を誇る。フロントドアは90度開閉するので、前席。後席ともに乗り降りが非常にしやすくなった。

 ただし、リアゲートは観音開きがウリの一つにもなっていたが、新型カングーではオーソドックスな跳ね上げ式となった。なお、カングーバンには観音開きが残るようだ。

 現在まで明らかになっているのは5人乗り仕様のみ。5人乗り仕様のラゲッジ容量は通常の状態で775L、後席や助手席を畳んだ最大の状態で3500Lまで拡大する。長尺物は、通常の状態で1.03m、後席を畳んだ状態で1.88m、助手席を畳むと2.7mまで積載可能だ。

 また新型カングーの特徴の1つともいえるのが、工具を使わずラッチを外すだけでルーフの位置を変えることができるルーフバーで、最大80kgまで積載可能。

現行カングーのリアゲートは左右対称の観音開きを採用している

新型カングーのテールゲートは一般的な跳ね上げ式に変更された

新型カングーバンのリアゲートは観音開きとなる


新型カングーのルーフバー。ラッチを外すだけでルーフの位置を変えることができる

センターピラーレスのスライドドアが魅力的なカングーバン

カングーバンの標準ルーフ車

乗用ハイルーフ仕様のエキスプレス

商用ハイルーフ仕様のエキスプレスバン

 新型カングーのバリエーションを見ていくと、乗用ワゴン仕様のカングー、商用仕様のカングーバン、乗用ハイルーフ仕様のエキスプレス、商用ハイルーフ仕様であるエキスプレスバンの4タイプが用意される。

 ここで、新型カングーバンを見ていこう。カングーバンの標準仕様は全長4486×全幅1860×全高1808mm、ホイールベースは2716mm。カングーバンでは2種類の全長が用意され、シートの設定によって2、3、5名の乗車定員の仕様が設定されている。

 なにより見逃せないカングーバンに独自に採用された機能が、助手席側のセンターピラーレス機構だ。ルノーがオープンセサミ(日本語では“開けゴマ”)機能は、助手席側サイドボディをセンターピラーレスとしたシステムを採用する。

 同様の設定としては、日本車では軽自動車ホンダN-VANがセンターピラーレスボディ+スライドドアを採用していることが挙げられる。他にはダイハツタントの例があるが、両者では商用と常用の仕様の違いでコンセプトが明確に異なる。

リニューアルされたパワートレーン

 パワートレーンは5タイプが用意され、いずれもルノーの現行ラインナップと共用となる。ガソリンエンジンは2種類で、1.3Lガソリン直列4気筒ターボ(100ps/200Nmと130ps/240Nm、前車は6速MTのみの設定)。ディーゼルは、パワーの異なる3種類の1.5Lディーゼル直列4気筒ターボ(75ps/230Nm、95ps/260Nm、115ps/270Nm)が設定されている。

 トランスミッションはEDC(ダブルクラッチトランスミッション)が他のルノーモデルと同様に6速から7速へと進化、マニュアルトランスミッションは6速MTを備える。

 注目の燃費(WLTP)は、カングーの乗用ワゴンはガソリン仕様:5.3L/100km(18.9km/L)、ディーゼル:6.2L/100km(16.1km/L)。

 カングーバンは、ガソリン仕様:6.6~6.9L/100km(14.5~15.2km/L)、ディーゼル:4.9~5.9L/100km(16.9~20.4km/L)となっている。

 EVの商用バン仕様となる「E-TECH」についても触れておくと、モーターの出力/トルクは75kW/245Nm、44kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。WLTPによる評価については、一充電航続距離:約245kmとされている。

オーソドックスなデザインだったインパネの高級感がアップ!

乗用ワゴンのインテリア。質感が大幅に向上し、商用バンがベースであることを忘れてしまうほどだ

 現行カングーのインパネはブラック基調で、いかにも商用車ベースらしいデザインだったが、新型カングーはウッド調パネルとクロームメッキの加飾パーツを組み入れることによって、高級感が増している。

 アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、パーキングアシスト、アクティブ・エマージェンシーブレーキといった先進のアシスト機能を操作系スイッチが配置された最新デザインのステアリングをはじめ、アナログメーターと中央に液晶モニターを組み込んだメーター類、クロームメッキで加飾された空調ダイヤル、センターコンソールに配置されたセンターディスプレイ(4.2インチと7インチが選べる)など、現行カングーから2ランクほど高級感が増している。

従来型を踏襲した頭上区間の収納スペース

センターディスプレイ裏のスマホホルダー

滑り止め機能付きのトレイ

 とはいえ、カングーらしさは忘れてはいない。とにかく収納スペースが多いのだ。発表された資料には各収納箇所の容量(L)が記されていて、その収納容量を合わせると49Lと書かれているのがおもしろい。

 これまで通りの頭上空間に収納できるスペース(19.4L)のほか、ルノー・イージーライフ・ドロワーと呼ばれる引き出し式のグローブボックス(容量7L)、さらにはメーター後ろの蓋を開けるとUSB端子入りもある収納スペース(2.7L)、センターディスプレイ後ろにはちょっとしたモノが置ける滑り止め機能付きのトレイ(5L)やスマホを挟み込むホルダー(0.2L)、カップホルダー(0.75L×2)など、書ききれないほどの盛り沢山な内容だ。

大人用の3つのフルサイズシートを備える広々とした室内

全幅を1919mmに拡大したことで余裕のある室内空間を確保。後席には大人3人が座れるフルサイズシートを備えている

 フロントシートはしっかりとした作りで、運転席にはランバー調整機構が加わった。両側スライドドアを開けると、後席は大人用のフルサイズシートが3つ。2/3~1/3に折りたためるベンチシートとなっており、フルフラットにもなる。

 発表された資料によれば、ショルダールームは1.48m、レッグルームは20cm、ヘッドルームは1.04mと、さすが全幅1.9mを超えるだけのことはある余裕の室内空間である。

機能が充実した新型カングーバン

新型カングーバンには前席と後席のあいだの柱がない(助手席側のみ)。スライド時の開口部は1446mm

 センターピラーレス機構が新型カングーバンの大きな見所だが、室内の使い勝手を高める工夫として、新たな機能として「イージー・トゥ・ロード」と呼ぶ機能を備えることも、荷物グルマとしての機能充実が図られたポイントといえる。

 たとえば、細かい点とはいえ、ドライバー側ドアは90度開くことができることも使う側としては乗り降りを容易にする工夫としてありがたい“フランス流”の気遣いといえる。

 前述の助手席側のセンターピラーレス機構を活かして、スライド時には1446mmの開口部幅を実現。ロング仕様では3548mmの室内荷室長を備え、室内容積は4.2~4.9m3(標準仕様:3.3~3.9m3)とされている。前席周り各部に用意された収納部の容量も総計60Lとされ、小物を巧みに入れられる設計を施している。

 さらに新たに採用された「イージー・インサイド・ラック」は、室内空間の有効利用として面白い。室内後部のサイド上部に2~2.5m(ロング仕様の場合)の長尺物を積める、取り外し可能なラックを設置。脚立などの道具類を30kgまで対応可能としている。

 装備については、安全面でも自動ブレーキ支援システムをはじめ、レーンキープアシスト、車両接近警告機能などのドライブアシスト機能は日産三菱とのアライアンスを活かし豊富に装備している。

 そのほか、8インチセンターディスプレイと組み合わされる「イージーリンク」と呼ばれるマルチメディア機能やハンズフリーパーキングアシストなども用意しており、2021年内には電動パーキングブレーキを追加設定する予定とのことだ。

新型ルノーカングーの日本発売はいつ?

 欧州では2021年6月から発売するとのことだが、日本導入はいつ頃になるのだろうか? 歴代モデルの日本導入を振り返ると、新型がデビューイヤーにお目見えするケースは少ない。

 ライバルである、シトロエンベルランゴ、プジョーリフターの販売が好調だけに、新型カングーで躍進を図りたいところだが、おそらく「東京モーターショー2021」が発表の舞台となり、その翌年となる2022年の日本導入とみるのが妥当だろう。

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みんなのコメント

7件
  • 全幅1900mm超えはちょっと・・・

    日本、特に都市部ではきついな

    日本車の脅威にはならない
  • ■全幅1919 こんな広い幅の車が日本の道路事情に合わない事は、売る前から分かるでは・・・?

    逆にこんなに大きな幅の車がたくさん走ったら、他の車がよけることになって迷惑な場面が増えるのでは?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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