現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 三菱 新型「アウトランダーPHEV」はランエボXとの共通部品も! エボDNAを受け継ぐ理由とは

ここから本文です

三菱 新型「アウトランダーPHEV」はランエボXとの共通部品も! エボDNAを受け継ぐ理由とは

掲載 更新
三菱 新型「アウトランダーPHEV」はランエボXとの共通部品も! エボDNAを受け継ぐ理由とは

■『アウトランダーPHEV』の2019年モデルが登場!

 2013年に発売した三菱「アウトランダーPHEV」は、全世界で累計15万台以上を販売した世界でもっとも売れている“プラグインハイブリッドSUV”です。

三菱、新型「アウトランダーPHEV」をジュネーブモーターショーで世界初披露

そんな「アウトランダーPHEV」が2019年モデルとして、エンジンの排気量アップをはじめとするパワートレインの刷新をはかりました。今回は、試乗の模様からその理由を探ってみます。

 まずは、新しくなったパワートレインです。最大のトピックはエンジンで、従来2リッターだった排気量は2割アップの2.4リッターに変更。フロントに搭載するジェネレーター(発電機)は、最大出力が10%増、リアモーターの最大出力は10kWアップして70kWへ、そして駆動用バッテリーは容量が15%アップの13.8kWhとなり、出力も10%向上しています。つまり、パワートレインが強化されたのです。その理由を開発スタッフは「モーター走行感覚の拡大」と表現しています。

 三菱でEV・パワートレインの開発を担当する阿部孝秀氏は「これまでアウトランダーPHEVを購入したオーナーからの声で評価されているのは『モーターによる走行感覚の気持ちよさ』です。しかし、そのいっぽうで『エンジンが始動するとその音で騒がしくなり、せっかくの静かさが失われてしまうのが残念』という声も多く聞かれました。そこで、モーター走行領域を拡大するとともにエンジンが始動しても騒がしくないように配慮したのが今回の改良です」といいます。

 三菱「アウトランダーPHEV」は、基本的に低中速領域をモーターで走り、高速領域になるとエンジンパワーを直接駆動力として使って走行するシステムを備えています。

 高速域にならなくてもバッテリーが減少したり、強い駆動力が必要な際はエンジンを始動して発電しますが、このような状況で始動したエンジン音が騒がしいというわけです。

 エンジン始動音が目立つ理由としては、エンジンを停止した静かなEV走行状態から突然エンジンが始動するため、人の耳にとって不快に感じてしまうという理屈です。さらに、PHEVでは発電量を確保する(効率よく発電する)ためにエンジン始動中の回転はある程度高めになることも影響しているといえます。

 そのような騒音に対する改良方法として今回のエンジン排気量アップが図られました。排気量を上げて発生するトルクを太くすることで、エンジン回転数を上げなくても必要なトルクを維持して発電量を確保することができます。エンジン回転数を下げるため、エンジン音を静かに目立たなくしました。

 パワートレインの刷新は、『シリーズハイブリッドとしての走行中にエンジンの音を感じさせないようにして、よりEV感覚を強調した』というわけです。

■内面以外にも変わった点が随所に見られます

 実際に、テストコースで従来型と新型を比較しながら乗ってみましたが、その違いは明らかでした。

 従来型は、アクセルを踏み込んだ際に、エンジンが始動すると同時に高い回転数となるので大きめの音を発生して存在を主張しています。とても頑張っている感はありますが、乗員としてはもう少し静かなほうが快適です。

 一方、新型はエンジンがかかってもそれほど音が大きくなりません。40~80km/hの日常領域では、エンジンが始動してもそれを感じさせないといっても過言ではありませんでした。

 エンジンを始動せずにモーターだけで走る「EV走行」の満充電からの航続距離はJC08モード計測で60kmから65kmへ延長。日本の法定速度を超えた領域なので日本のユーザーにはあまり関係ありません(実はアウトランダーPHEVは日本よりも高速道路が多い欧州において日本の2倍以上販売されている)が、平たん路における最高速度も従来の125km/hから新型は135km/hまでアップされ、ここでもモーター走行の爽快感をより広範囲で味わえるように進化しています。

 走行面で進化したのは、PHEVシステムだけではありません。駆動力を統合制御する『S-AWC』は、新たに『SPORT』と『SNOW』という2つのドライビングモードを追加。従来の『ノーマル』を含めて5パターンに増えています。

 また、従来からある『LOCK』を雪や土でタイヤが沈み込むような激しい路面状況に特化するなど走行環境をより明確にし、前後の駆動力配分だけでなくモーターのレスポンスを前後独立に制御して最適化するなど、モード毎の特性を明確化しています。

 今回の2019年モデルでは、内外装も一部変更されています。インテリアは、フロントシートが変更されてサイドサポートを大きくよりホールド性の高い形状になったほか、上級グレードではキルティング処理が施されて上質感が向上。

 また、センターコンソール後方に後席用エアコン吹き出し口が追加され、パワーウインドウは全席にセーフティ機構(挟み込み防止)とオートアップ&ダウン機構を採用し、スイッチにイルミネーションを追加するなどユーティリティも向上。さらに、細かな部分では、センターコンソールに配置された『S-AWC』の走行モード切り替えスイッチがプッシュ式からトグル式に変更しています。

 『S-AWC』スイッチは、かつて三菱「ランサーエボリューションX(通称:ランエボ)」のステアリングに取り付けられていたものと同じ部品。『S-AWC』の進化と相まって、ランエボのDNAが受け継がれました。

 エクステリアは、ラジエターグリル、フロントバンパー、リアスポイラー、そしてアルミホイールなどエクステリアも洗練されています。一見したところ違いは分かりにくいですが、もっともわかりやすいポイントはフロントバンパーのフォグランプが丸型から角形に変わったことです。

 今回の進化で、排気量は大きくなったエンジンですが、存在感は逆に「出して(出ちゃって)頑張っている感じ」から「できるだけ控えめに、なるべく裏方へ」へと変わったといえます。プラグインハイブリッドシステムは、これからも進化し続けている技術といえます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
バイクのニュース
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
レスポンス
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
くるまのニュース
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
くるまのニュース
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
ベストカーWeb
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

526.4668.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0542.0万円

中古車を検索
アウトランダーPHEVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

526.4668.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0542.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村