先代のGTIパフォーマンスと同等に
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI、GTD、GTE 全54枚
8代目となる新型フォルクスワーゲン・ゴルフGTIが発表された。同社の技術部長は、高く評価されていた先代以上に「本物のGTI」になっていることを約束している。
ホットハッチというジャンルを開拓したモデルの最新バージョンは、昨年発表された第8世代のゴルフをベースとしている。すでに確立されているテンプレートを踏襲し、エンジンはフォルクスワーゲン・グループのEA888型と呼ばれる2.0L直列4気筒ターボを引き続き使用。歴代GTIと同様に、そのパワーは前輪のみを駆動する。
しかしながら、8代目GTIの標準モデルは、先代ゴルフ7のGTIパフォーマンス仕様から多くの特徴を受け継ぐことになった。最高出力は(先代GTIベースモデルの230psから)245psに向上。最大トルクも(35.7kg-mから)37.7kg-mに引き上げられている。リミテッドスリップ・デフやアップグレードされたブレーキも装備する。
エンスージアストとしてはさらに嬉しいことに、新型GTIにも6速マニュアル・ギアボックスが残された。もちろんこれまでと同様、7速デュアルクラッチ式オートマティックも選択できる。
新開発の電子制御デバイスを採用
「ゴルフ8はゴルフ7から大幅な進歩を遂げました。新型GTIは標準モデル以上に、先代から大きく進化しています」と、フォルクスワーゲン技術部門責任者のマティアス・ローブはAUTOCARに語った。「新型GTIの開発で非常に重要視したことは、日常的に使えるクルマとして完璧であると同時に、本物のスポーティ・カーにすることでした」。
「新型は先代以上に本物のGTIに仕上がっています。ルックスのみならず、運転してもそう感じるでしょう」。
新型GTIも、標準モデルのゴルフ8と同じく、フォルクスワーゲン・グループのMQBプラットフォームをアップグレードしたバージョンを使用している。サスペンションは従来と同様、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク式だが、これに新しいヴィークル・ダイナミクス・マネージャーが組み合わされている。このシステムはXDS(電子制御ディファレンシャル)やオプションのDCC(アダプティブ・ダンパー)を統合制御し、快適な乗り心地と運動性能を最大限に両立させることができる。
フォルクスワーゲンのエンジニアは、ステアリングにも改良を施した。これまで以上にフィールがダイレクトに感じられるように、レスポンスとフィードバックの両方が改善されているという。
新型ゴルフGTDとGTEも登場
この新型GTIと同時に、フォルクスワーゲンはディーゼル・エンジンを搭載する新型GTDと、ガソリン・プラグインハイブリッドの新型GTEも公開した。同社によれば、GTEの販売はゴルフ全体の15%を占める見込みだという。
これら3台のパフォーマンス・モデルには、専用デザインのフロント・バンパーやルーフ・スポイラーなど、いくつかのドレスアップが施されている。フロント・グリルの上を横切るライト・ストリップのラインを含め、GTIはお馴染みの赤、そしてGTDは銀、GTEには青のアクセントが各部に入る。
また、GTIではクラシックなツイン・テールパイプや、赤く塗られたブレーキ・キャリパーなどの伝統が、新型にも受け継がれている。後者はGTDやGTEにも採用された。3モデルとも17インチのアロイホイールを標準装備するが、18インチまたは19インチもオプションで用意される。標準モデルのゴルフ8と同様、3ドアはGTIやGTD、GTEにも設定されない。
モデルによって異なる赤、銀、青のチェック柄
新しい3台のGTモデルも、新型ゴルフの標準モデルで導入された最新版の運転支援機能や安全機能など、数多くの新テクノロジーが搭載されている。
これはつまり、インテリアでは従来の物理スイッチやボタンに替わって、大型のタッチスクリーンやタッチ感応式パネルが採用されたということだ。
GTIは、ゴルフの最上級スペックである10インチのインフォテインメント・タッチスリーンを標準で装備。GTDとGTEは8.25インチが標準だが、オプションでアップグレードすることも可能だ。
さらにGTIでは、標準装備の10.25インチ・デジタル・インストゥルメント・ディスプレイに、タコメーターを強調したGTIモードが備わる。
新デザインのスポーツ・ステアリングホイールも採用された。その一方で、マニュアルのシフトレバーは伝統的なゴルフボールを模ったものだ。内装のタータンチェックは3モデルで異なる。GTIはこれも伝統の赤いステッチが施されるが、GTDはシルバー、GTEはブルーになる。
GTDは「持久走選手」
GTDは、フォルクスワーゲンの2.0L直列4気筒TDIエンジンの新バージョンを搭載。最高出力は先代の184psから200psに、最大トルクは38.7kg-mから40.8kg-mにそれぞれ向上した。
このディーゼル・エンジンには、新開発のターボチャージャーと冷却システム、そしてダブルSCR(選択触媒還元)システムが組み合わされている。これらの改良によって燃費が改善され、NOx排出量は約80%減少したと、フォルクスワーゲンは主張する。
フォルクスワーゲンによれば、航続距離が800kmを超えるGTDは、ゴルフ・ファミリーにおける「持久走選手」という位置づけだという。トランスミッションは、7速デュアルクラッチ式オートマチックのみの設定となる。
GTEはGTIと同等のパワーに
GTE(スペックは標準モデルのゴルフ発表時にすでに明らかにされている)も先代よりパワーが引き上げられた。最高出力150psを発生する1.4Lガソリン・ターボ・エンジンに加え、電動モーターが116psを発揮。ハイブリッド・パワートレインの合計最高出力は245ps、最大トルクは40.8kg-mとなる。モーターを駆動するリチウムイオン・バッテリーの容量は13kWhと、先代GTEの約2倍に増えた。これにより新型GTEは、電気のみで約60kmの距離を走ることが可能だ。
GTEのパフォーマンスは、今やGTIと肩を並べるほどになった。ローブによれば、フォルクスワーゲンではGTEを従来の高性能ゴルフに代わるモデルにしたいと考えているという。GTEが高性能化したことによって、それより性能(と価格)を抑えた新しいプラグインハイブリッドのゴルフを設定する余地も生まれた。
GTDとGTEには、GTIと共通のシャシー、サスペンション、電子制御システムのセットアップが採用されている。
GTIのハイブリッド化を見送った理由
フォルクスワーゲンは、GTIのハイブリッド化も検討していたようだが、そうする代わりにGTEの性能を引き上げることにした。ローブによれば、GTIにマイルドハイブリッドを採用することは考えなかったという。マイルドハイブリッドの恩恵は低速域にこそあるからだ。エンスージアストがGTIに期待するようなドライビング・パフォーマンスの拡大には効果がないというわけだ。
3台のホット・モデルの価格はまだ発表されていない。しかし、新型GTIは先代のGTIパフォーマンス(日本価格478万9000円)よりわずかに高くなるだろう。英国ではGTIとGTDの予約受付が夏に始まり、納車は秋になる予定だ。
さらなる高性能ゴルフも登場予定
新型ではGTIのベースモデルの性能が上がったことで、GTIパフォーマンスは廃止されるようだ。しかし、従来のゴルフTCRに替わるさらなる高性能バージョンが、今年中に発表されるだろう。ただし、フォルクスワーゲンはすでにTCR規定のツーリングカー・レースから撤退しているため、別の名称が与えられることになるはずだ。同社の関係者は、クラブスポーツという接尾語の復活をほのめかしている。とはいえ、まだ最終決定は下されていない。
この新型高性能モデルについて、フォルクスワーゲンは今のところ固く口を閉ざしている。しかし、先日リークされた販売計画によると、その最高出力は300ps、0-100km/h加速は6.0秒を切るという。
シリーズ最強モデルとなる4輪駆動の新型ゴルフRも、フォルクスワーゲンのR部門で開発が行われている。今年後半には発表される見込みだ。
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