ドイツ人の苗字の由来は職業からきていることが多い、というのは有名な話なので、知っている方も多いのではないでしょうか。代表的なところで言えば、シューマッハ(Schumacher)は「靴職人」、シュナイダー(Schneider)は「仕立て屋」が由来になっています。
ところが、ドイツで生活していると「どうしてその名前を付けたの?」というようなものに突然出くわすことがあります。例えば、首都ベルリンの北側に「Buch(ブーフ)」という駅名・地名がありますが、ドイツ語で直訳すると「本、書籍」という意味です。一体どういった由来でこの名称が付けられたのか、とても気になりますよね。
ドイツ各地から貴重なクルマが集う!Die Oldtimer Showイベントレポート
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するクルマも、ドイツ生まれではないものの、名前の由来が気になるクルマのひとつ。なぜか「実習」という意味を持つレジャー・アクティビティ・ビークル、シュコダ・プラクティクをご紹介します。
ドイツではおなじみのブランド、シュコダ
ドイツにおいて、安く高品質なメーカーとして知られるチェコのメーカー、シュコダ。日本では正規輸入代理店が存在しないため、ほとんどの日本人にとってはなじみの薄いブランドではないでしょうか。古くから世界ラリー選手権に参戦していたため、ラリーに詳しい方にとってはおなじみ、そうでない方にとっては「ヨーロッパ旅行の時に、借りたレンタカーがたまたまシュコダだった」くらいの接点しかないかもしれません。
シュコダは現在、フォルクスワーゲングループの一員となっていて、多くのプラットフォームをフォルクスワーゲンと共用しています。ちなみに、2018年現在のフォルクスワーゲングループには、フォルクスワーゲン、アウディ、セアト、シュコダ、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニ、ポルシェ、バイクメーカーのドゥカティ、トラックやバスのメーカーであるスカニアとマンが所属。こうして見ると、意外にもスポーツイメージの強いブランドが多く入っているのがわかりますね。
プラクティクの後継車はいまだ登場せず
シュコダ・プラクティクのベースになったクルマは「ルームスター」という車種で、プラクティクはそのバンタイプに与えられた名前です。ルームスターは2006年から、プラクティクは2007年から生産が開始され、2015年まで生産が続けられました。後継車の噂もありましたが、結局登場せずに現在に至っているため、現状一代限りのクルマになってしまっています。
ルームスターは、レジャー・アクティビティ・ビークルと呼ばれるクルマに属します。ヨーロッパでのライバルといえば、ルノー・カングー、シトロエン・ベルランゴ、フォルクスワーゲン・キャディライフといったところでしょうか。そのバンタイプであるプラクティクは、乗用タイプであるルームスターよりも安価で売られていたおかげで、今でもドイツの街中で数多く見かける車種のひとつとなっています。
ルームスターとプラクティクの違いは、後席の除去、リアのサイドウインドウをパネルに変更、貨物室と運転席部分の仕切りを追加、重量物の積載時を考慮してシャシーのセッティングを変更、といったところです。実用性と美しさを両立したエクステリアへの評価は非常に高く、優れたデザインのプロダクトに贈られる「レッドドットデザイン賞」を受賞しています。
コンパクトな車体に広大なラゲッジスペース
そんなルームスターとプラクティクですが、実はこの手のクルマの中ではかなりコンパクトな部類に入ります。現行型でかなり大柄になってしまったルノー・カングーとは対照的に、全長4,205mm、全幅1,684mmと日本の5ナンバーに余裕で収まるサイズをキープ。荷室容量は、ルームスターの後席を倒さない状態で455リッター、後席を倒せば1,555リッターと、車体の大きさから考慮すると破格の容量を確保しています。それでいて、ユーロNACPのクラッシュテストでは五つ星を獲得するなど、極めて高い安全性をも獲得しているのも特筆すべき点と言えるでしょう。
プラクティクおよびルームスターは、シュコダ・オクタビアやファビアから一部のコンポーネントを引き継いではいるものの、シュコダがフォルクスワーゲングループに属してから初めて、フォルクスワーゲン車の既存のプラットフォームを元に開発せず、自社でプラットフォームから設計したクルマでした。その結果、クルマの完成度は非常に高かったのですが、結局後継車があらわれなかったことが非常に残念でなりません。
シュコダ・プラクティクとルームスターは、その多彩なシートアレンジと広大なラゲッジスペース、高い安全性能とコンパクトなサイズ、そして手頃な価格によって、ドイツでは安定した人気を誇るクルマとなりました。フォルクスワーゲンとはまた一味違ったヨーロピアンテイストの内装といい、日本でも正規輸入されていたら…と思わずにはいられない、しみじみよいクルマのひとつです。今後、後継車が登場する可能性はどれくらいあるのでしょうか。じっくりと見守っていきたいと思います!
[ライター・カメラ/守屋健]
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