創刊45周年を迎えた本誌『ベストカー』。その記念特集として「読者が選ぶ日本のベストカー」企画を開催しました。45年間に登場した数多くの日本車のうち、自動車評論家・片岡英明氏とベストカー編集部が厳選した120台が対象車種。その120台から読者の方々に10台を選び投票していただいた、大注目の1~30位です!!
※本稿は2022年11月のものです
文/片岡英明、ベストカー編集部、車両解説/諸星陽一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月10日号
45年間のご愛読と4500を超える応募に感謝!! 読者が選んだ日本のベストカー30
■ステアリングを握るのが楽しみでしかたなかった3台のFUNなクルマ
●第1位:日産 スカイラインGT-R(R32・1989年):2603票
日産 スカイラインGT-R(R32)
駆動方式は革新的な電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TS。意のままの気持ちいい走りを披露し、サーキットでも敵なしの大活躍を演じた
走りの性能世界一を目指して開発され、心臓を2.6LのRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボとした。6連スロットルチャンバーやシーケンシャル電子制御燃料噴射装置など、先進のメカニズムを満載し突出したパフォーマンスを見せつける
8代目スカイラインの大きな功績は、サーキットの申し子であるGT-Rを復活させ、それをさらに高みへと引き上げたことである
●第2位:ホンダ NSX(初代・1990年):2318票
ホンダが威信をかけて開発し、新世代のスーパースポーツとして送り出したのがNSXだ。当時の最先端テクノロジーを注ぎ込み、ボディは高価で技術的にも難しいアルミ合金製とした。軽量化に徹底してこだわり、足回りやシートフレームにもアルミ材を採用した
レーシングカーに近い感覚のタイプRや3.2Lに6速MTを組み合わせた硬派モデルも投入するなど、設計陣の執念を感じた。視界が広く、長身の人でも最適なドライビングポジションが取れる人間優先の設計も類を見なかった。ミドシップならではの痛快なハンドリングも魅力にあげられる
リパワーユニットは3LのC30A型V型6気筒DOHC-VTECだ。8000回転まで軽やかに回り、ターボに頼ることなく280psを達成。排ガス性能も世界最高レベルにあった
●第3位:マツダ ロードスター(初代・1989年):1691票
マツダ ロードスター(初代・1989年)。ユーノス・チャネルのイメージリーダーとして開発されたフルオープンのライトウェイトFRスポーツカーだ。海外では「MX-5ミアータ」を名乗っている。FF車が全盛の時代に古典的な後輪駆動を選び、走りに関するメカニズムには徹底してこだわった
リトラクタブルライトは重量増と空気抵抗となったが、当時のマツダのアイデンティティとして開発陣が押し切ったという裏話もあった。軽量で強靭なパワープラントフレームを採用し、前後重量バランスは理想的な50:50だ
サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンとし、意のままに走れる人馬一体の気持ちよさを狙っている。心臓はファミリアの1.6L直列4気筒DOHCを縦置きに改造し、中央寄りに搭載した。ロードスターは空前の大ヒット作となり、20世紀の名車100台にも選出されるなど、金字塔を打ち立てている
読者が選んだ1位から3位までのスポーツモデルは、いずれも伝説化され、今もカーマニアやファンに語り継がれている名車だ。そのいずれもが平成になってすぐに誕生し、走りの楽しさにこだわる熱いファンを魅了した。
R32の型式を持つスカイラインGT-R(日産)は日本専用モデルだったが、意のままのハンドリングと卓越したパフォーマンスは海外にまで知れ渡っている。エンジニアや走り屋を驚かせ、レースでも毎回のように記録を更新した。規則を変えさせるほどの強さを見せ、走る姿も美しい。
ホンダNSXは、採算を度外視して開発された日本初のスーパースポーツだ。スーパーカー然としたダイナミックなフォルムに加え、精緻なメカニズムと自然吸気ならではの高揚感を伴うパワーフィールも高く評価されている。
ロードスター(マツダ)は、ライトウェイトFRスポーツの楽しさを安価に楽しめるオープンカーの傑作だ。テクニックに応じて、人馬一体の気持ちいい走りをビギナーからベテランまで楽しむことができた。
■唯一無二の個性を持つ日本車を前に、すべてのクルマ好きが心奪われた
●第4位:マツダ アンフィニ RX-7(3代目・1991年):1596票
世界最高レベルのスポーツカーを目指して開発されたのが、3代目のFD3S型RX-7だ。グラム単位で軽量化に挑み、研ぎ澄まされたスポーツ感覚を手に入れている。パワーユニットは軽量コンパクトな2ローター・ロータリーの13B-REW型で、これにシーケンシャルツインターボを装着した
軽量で重心も低いからハンドリングはレーシングカーのようにシャープだ。操る楽しさに満ちている。その後も多くの改良を重ね、12年間にわたり生産された
●第5位:レクサス LFA(2010年):1463票
トヨタとヤマハが技術の粋を集めて開発した不世出のスーパースポーツがレクサスLFAだ。ボディはカーボンモノコック、パワーユニットは1LR-GUE型4.8L・V型10気筒DOHCに2ペダルの6速シーケンシャルセミATトランスアクスルを組み合わせた
すべて専用設計とし、ビートの効いたV10サウンドはもちろん、ハンドリングも別次元だ。サーキット走行も余裕でこなす。後に「ニュルブルクリンクパッケージ」も追加された
●第6位:ホンダ S2000(1999年):1330票
ホンダの創立50周年を記念して登場したのがホンダS2000だ。世界に類を見ない刺激的なオープンカーで、前期型はフロントミドに2LのF20C型直列4気筒DOHC・VTECユニットを積んでいる
排ガス対策を施しながらリッター当たり出力125psオーバーを達成。クロスした6速MTも小気味よく狙ったギアに入っていく。リア駆動だから操る楽しさは格別だ。VGS仕様は、さらに軽やかな身のこなしを見せた
●第7位:ホンダ インテグラタイプR(初代・1995年):1273票
3代目となったインテグラに設定されたホットスペックモデル。タイプRとしてはNSXに次ぐ2車種目の設定。ボディタイプは2ドアクーペと3ドアHB。1.8L直4DOHCはNAで200psもの高出力を発生した
●第8位:ホンダ フィット(初代・2001年):1121票
ロゴの後継として2001年に投入されたコンパクトカー。現行の4代目まで一貫して5ナンバーサイズを維持。当初の搭載エンジンは1.3L4気筒、のちに1.5Lが追加される。ボディタイプは5ドアHB
●第9位:日産 GT-R(R35・2007年):1064票
従来、スカイラインのトップモデルとして設定されていたGT-Rが独立し日産GT-Rとなったモデルで第三世代と呼ばれることもある。VR38DETT型V6・3.8Lツインターボは当初480psであった。今なお進化が続くモデルだ
●第10位:トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(4代目・AE86型・1983年):988票
カローラのホットスペックがレビン、スプリンターのそれがトレノの名称。AE86はレビン&トレノとしては4代目にあたり130psの1.6L、直4・DOHCを搭載。ボディは2ドアクーペおよび3ドアHBが用意された
●第11位:トヨタ セルシオ(初代・1989年):912票
国内でレクサスブランドが展開される以前の初代LSのトヨタブランドモデル。重厚な4ドアセダンモデルで、クラウンの上位に位置しセンチュリーよりもパーソナル感が強い。エンジンは4LのV8
●第12位:スバル インプレッサWRX(初代・1992年):910票
レガシィRSに代わってスバルのモータースポーツを支えるモデルとして登場。2L水平対向エンジンに4WDが組み合わされる。基本のボディは4ドアセダンだが、2ドアクーペも存在する
●第13位:トヨタ GRヤリス(2020年):893票
GRスープラに続くGRブランド2車種目。コンパクトカーのヤリスをベースとしたスポーツモデルで上位グレードのRZとRCは1.6L直3ターボに4WD、RSは1.3L直3NAでFF方式となる
●第14位:ホンダ シビックタイプR(初代・1997年):874票
NSX、インテグラに続いて設定されたタイプRの3車種目。ベースは6代目で、このモデルは3ドアHBのみ。エンジンは1.6L直4で185ps。レカロシート、モモステアリングなどを装備した
走りの楽しさにこだわる読者が、マツダ車とともに指名したのがホンダ車だ。6位のS2000に続き、7位にインテグラのタイプRがランクインした。
特に初期モデルのB18C型4気筒DOHC・VTECエンジンは、レーシングエンジン並みに刺激的なパワーフィールで、足もハードに締め上げられている。14位にはシビックに初設定されたタイプRも食い込んだ。
8位には意外にも初代フィット(ホンダ)が滑り込んでいる。独創的なセンタータンクレイアウトによる広いキャビンと多彩なシートアレンジが高く評価されたのだろう。乗り心地は硬めと感じたが、多くの人に強烈な印象を残した。
トヨタはライトウエイトFRスポーツのAE86型レビンとトレノが10位に、スポーツ4WDターボのGRヤリスが13位に顔を出す。
また、高級セダンの新基準を打ち出した初代セルシオ(トヨタ)も、多くの人が衝撃的なデビューを記憶にとどめていた。4WDターボのR35型GT-R(日産)と初代インプレッサWRX(スバル)も熱狂的なファンに支持され、人気だ。
■あの時憧れ、そして今なお魅了し続ける、日本の名車たちが続々ランクイン
15位から30位も、主役はスタイリッシュで高性能なスポーツクーペだ。新世代が登場して再び注目を集めたのか、パワフルな直列6気筒エンジンを積むA80型スープラ(トヨタ)が15位になった。
豪快なターボパワーが話題をまいたライバルのZ32型フェアレディZ(日産)は20位だが、その上には操る楽しさに満ちたS13型シルビア(日産)がランクインしている。
今は4気筒のFRスポーツが希少になり珍重されているが、初代86(とBRZ・17位)が多くのファンを惹きつけていることにも注目だ。手足のように扱え、理屈抜きに楽しい。そして根強いファンに支えられた、ロータリーパワーの初代サバンナRX-7(マツダ)が21位、WRCで冴えた走りを見せたランエボVI(三菱)が22位に入った。
憧れの存在のミドシップスポーツも30位の中にある。流麗なデザインも目を引いた2代目MR2(トヨタ・24位)はファンが多いが、これを抑えたのが軽オープンスポーツのビート(ホンダ・16位)とコペン(ダイハツ・23位)だ。いずれも、幅広い層に愛されている。滑り込んだのはハイトワゴンブームの火付け役、ワゴンR(スズキ)だ。
【番外コラム】読者からのひとことコメント集
世界をドッと沸かせた日本の名車たちの輝きは、今なお強くキラめいている!
今回の投票に併せて、読者の皆様よりコメントを一言ずついただいておりました。ここでは、そんな「熱いクルマへの愛」をチョットだけ紹介させていただきます!!
・ランエボIX:4G63の集大成。走り・デザイン・実用性を兼ね備えたオールマイティカー(ハリーさん)
・レガシィ大好きです!(蒲焼太郎さん)
・クルマってまず見た目ですよ。そこから他の特長に興味をもちます。ちなみにヴィヴィオと初代プリウスは私の歴代マイカーです(ヴィヴィ尾さん)
・初代プリウスを見た時は本当に感動的でした。絶妙なフォルムとセンターメーターがなんとも未来的だなぁと感じました。私自身も今プリウスオーナーです(匿名希望さん)
・世界に影響を与えたエバーグリーンなNAロードスター(山本智久さん)
・初代セルシオと初代NSXは日本車史上、世界中を魅了したクルマであり日本人として誇りに思います(匿名希望さん)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
マツダ「“5人乗り”軽トラ!?」公開! 「4人も寝られる」全長3.7m級ボディに「驚き」の声も! 「AZ-MAXラクーンツー」登場に反響集まる
「車検のシールをガラス真ん中ではなく運転席の上に貼られました。貼り直しできますか?」質問に回答殺到!?「ダメだろ」「分かっていますか?」の声も 法律ではどう決まってる?
スバル新型「“すごい”4ドアセダン」公開に反響多数! 約680馬力の2リッター「水平対向4気筒ターボ」に「スゴイ技術」「走りが気になる」の声も! 漆黒の最速マシン「プロジェクト ミッドナイト」米国で登場
“生産版”「“R36”GT-R」公開! 日産の「旧車デザイン」+4.1リッター「V6」採用! 7000万円&1000馬力超えの「Artisan GT-R」の登場が迫る
スズキ新型「コンパクトSUV」いつ登場? MTあり&全長4m以下の「カクカクボディ」が超カッコイイ! 注目の「“5ドア”ジムニー」導入どうなる!?
「左足ブレーキ」の是非を問う!…AT車普及率98%の日本なら、なおさら「踏み間違い」による事故を減らすことができます【Key’s note】
「レガシィ」消滅で改めて問う SUVは日本の交通事情に合っているのか? 日の丸SWは“オワコン”か
街に溢れる「マツダ車」の“1番人気”ってなに? 「流麗SUV」や10年続く“ロングセラーモデル”も! 爆売れの「マツダ車」トップ3とは?
「オレの彼女は超アムロ」えええ……マジで………? クルマCMの迷コピー謎コピー傑作選│1990年代~2000年代編【10年前の再録記事プレイバック】
レクサスの歴史的象徴「LS」が売れない3大要因と、次期型が“ふつうのセダン”にならない理由
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
これ以前の車は良くも悪くも世界で売れてはいたけど性能的にはまだまだ世界と戦えるレベルではなかったので。