現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【輸入車年鑑 2020】MINI JCW クラブマンは愛くるしい存在感と機敏な走り、そして高い実用性を持つ

ここから本文です

【輸入車年鑑 2020】MINI JCW クラブマンは愛くるしい存在感と機敏な走り、そして高い実用性を持つ

掲載 更新
【輸入車年鑑 2020】MINI JCW クラブマンは愛くるしい存在感と機敏な走り、そして高い実用性を持つ

MINIシリーズ中最高レベルのユーティリティ性能を誇るクラブマン。2015年に2代目へと進化したクラブマンは、2019年11月には内外装の変更とパワートレーンを新しくするなどのマイナーチェンジを実施。より洗練され、かつダイナミックに進化している。中でも、そのハイパフォーマンス仕様JCW(ジョンクーパーワークス)は、サーキット走行もこなす元気なモデルとして人気が高まっている。今回は最新ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」から、そのMINI JCW クラブマンの試乗テストの模様をお届けしよう。

とびきり硬派なコンパクトスポーツとして開発
「MINIのなかでもJCWは特別。BMWで言えばMモデルに匹敵する存在です」

【くるま問答】交通取締りで警察官がする質問「過去1年以内に違反をしたことは?」の意図とは!

2018年、ドイツで行われたMINIJCWクロスオーバーの国際試乗会に参加した私は、そこでシャシエンジニアのウルリッヒ・リューヘ氏がそう語るのを聞いた。彼の言葉に間違いはない。MINI JCWクラブマンは、生半可な気持ちでは相対することのできない、とびきり硬派なコンパクトスポーツである。

そのキャラクターは、乗り始めればすぐにわかる。スプリングとダンパーを固めているため、路面の凹凸が正直に伝わってくるし、ボディが上下する周期もかなり短い。ボディ剛性が十分に高く、おまけに減衰率は高くてもストロークの初期からしっかり機能してくれるダンパーのおかげで荒れた印象は薄いけれど、この乗り心地に拒否反応を示すドライバーがいたとしても不思議ではない。

しかし、だからこそこの味つけを熱烈に愛するドライバーがいることも容易に想像できる。引き締められた乗り心地は、ドライバーの操作が遅れることなくクルマの挙動に反映されることを意味する。音楽でいえばテンポが恐ろしく速いのだ。そうした小気味いいドライビングを心底楽しめるアクティブ志向のドライバーにとって、MINI JCWほど痛快な乗り物も滅多にないだろう。

とはいえ、2001年にBMW傘下に加わったMINIも、現行の3代目となってずいぶん味付けが変わってきた。従来に比べるとサスペンションのストローク感が増えたおかげでMINI特有のゴーカートフィーリングが弱まり、誤解を恐れずにいえばちょっと普通のクルマに近づいてきたのだ。

しかし、MINIの何たるかをしっかり理解していたエンジニアたちは、ブレーキ トルク ベクタリングを多用することで素早いアジリティを演出。長めのサスペンションストロークによる操舵レスポンスの遅れを、カバーしようとしたのだ。

弾けるようなパワーフィール。ハンドリングもシャープな味付け
ただし、率直にいってそのセッティングは好みが分かれるところ。ブレーキトルク ベクタリングのおかげで確かに操舵レスポンスの鋭さは維持できたが、感触がどこか人工的で、同じようにコーナリングしているつもりでも電子制御の影響でブレーキ トルク ベクタリングがまれに効かない印象もあったのだ。

実は、前述のリューヘ氏もこの味つけに違和感を覚えていたという。聞けば、3年ほど前に現職に就いた彼は、3代目MINIが誕生した当時の開発に関わっていなかったという。

だが、今回のマイナーチェンジを任されることになって、それまでの方針を一転。ブレーキ トルク ベクタリングの効きを弱くするとともに、サスペンションのアライメントやスプリング/ダンパーを工夫してアジリティを確保した。そして最後の仕上げにトルセン式LSDをフロントに組み込んで、新型MINI JCWの優れたダイナミックパフォーマンスを完成させたのである。

そのため、前述のとおりそのハンドリングはかなりせわしない。それでもすべてが素直に反応するので操り甲斐があるし、恐くもない。これは意外にも弱アンダーを保つようにしつけられたステアリング特性によるところが大きいと思う。

306psの弾けるようなパワーを生み出してくれる2L直4エンジンは、この足まわりの味付けに照準をあわせてチューニングしたのではないかと思えるほどマッチングがいい。8速ATをパドルで操りながらコーナーを駆け抜けていけばJCWクラブマンとの深い一体感に包まれ、至福のひとときを過ごせるだろう。

全長4.3mほどのボディに広々としたキャビンとラゲッジスペースを用意した点は、MINIの伝統どおり。機敏な走り、愛くるしいスタイリングを含めて、そのスピリットは失われていないようだ。(文:大谷達也/最新ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」より)

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 主要諸元
●全長×全幅×全高:4275×1800×1470mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:306ps/5000pm
●最大トルク:450Nm/1750-4500pm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:12.1km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●車両価格:569万円

■MINI クラブマン 車両価格(税込み)
ONE:335万円クーパー:391万円
クーパーS:435万円
クーパーS オール4:459万円
クーパーD:404万円
クーパーSD:448万円
ジョンクーパーワークス:569万円

[ アルバム : MINI ジョンクーパーワークス クラブマン はオリジナルサイトでご覧ください ]

関連タグ

こんな記事も読まれています

5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車公開!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルとは
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車公開!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルとは
くるまのニュース
【バイクにとってはマジで危険!】「動物飛び出し注意」の標識は想像以上にバリエーション豊富
【バイクにとってはマジで危険!】「動物飛び出し注意」の標識は想像以上にバリエーション豊富
WEBヤングマシン
世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から
世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から
バイクのニュース
新型EVミニバンは航続337km、フォード『Eトランジット・カスタム』新型…欧州発売
新型EVミニバンは航続337km、フォード『Eトランジット・カスタム』新型…欧州発売
レスポンス
コネクテッドサービスと安全装備が充実しても補助金使えば200万円から! 一部改良で「ekクロス EV」はさらに人気街道まっしぐら
コネクテッドサービスと安全装備が充実しても補助金使えば200万円から! 一部改良で「ekクロス EV」はさらに人気街道まっしぐら
WEB CARTOP
セナカラーでモナコ戦うマクラーレン、あえて”パパイヤカラー”残した理由を明かす
セナカラーでモナコ戦うマクラーレン、あえて”パパイヤカラー”残した理由を明かす
motorsport.com 日本版
自工会、取引適正化の自主行動計画に「コスト上昇分を全額転嫁」を明記
自工会、取引適正化の自主行動計画に「コスト上昇分を全額転嫁」を明記
日刊自動車新聞
アリデヴェルチ、V10!4台のランボルギーニ ウラカン(STO、ステラート、スパイダー、テクニカ)との最後の旅
アリデヴェルチ、V10!4台のランボルギーニ ウラカン(STO、ステラート、スパイダー、テクニカ)との最後の旅
AutoBild Japan
東名~下田直結「伊豆縦貫道」全通へ”最後の難所”進行中!?「天城峠道路」事業化で「クネクネ峠越え」ついに解消近し
東名~下田直結「伊豆縦貫道」全通へ”最後の難所”進行中!?「天城峠道路」事業化で「クネクネ峠越え」ついに解消近し
くるまのニュース
[ハーレー試乗インプレ] 2024 ロードグライド:過去最大の開発費を投入。ブランドを代表する新モデルがお値段据え置き!?
[ハーレー試乗インプレ] 2024 ロードグライド:過去最大の開発費を投入。ブランドを代表する新モデルがお値段据え置き!?
WEBヤングマシン
【人とくるまのテクノロジー展 2024】今と未来の技術トレンドをチェック…来場者数2割増でスタート
【人とくるまのテクノロジー展 2024】今と未来の技術トレンドをチェック…来場者数2割増でスタート
レスポンス
第4世代はついにハイブリッドを採用!? ベントレー新型「コンチネンタルGT」まもなく世界初公開
第4世代はついにハイブリッドを採用!? ベントレー新型「コンチネンタルGT」まもなく世界初公開
VAGUE
1年中高温多湿で道路が冠水するような大雨も降る! クルマに過酷なタイなのに美しい旧車だらけなワケ
1年中高温多湿で道路が冠水するような大雨も降る! クルマに過酷なタイなのに美しい旧車だらけなワケ
WEB CARTOP
マツダから新しい「CX-5」登場! ミドルSUVがついに全面刷新!? どんなカタチで導入される? 自社ハイブリッド搭載に期待へ
マツダから新しい「CX-5」登場! ミドルSUVがついに全面刷新!? どんなカタチで導入される? 自社ハイブリッド搭載に期待へ
くるまのニュース
ホンダ「フュージョン」ベースのコンプリートマシン コンプリート車両「ベスグライド」の礎を築いたモデルとは?
ホンダ「フュージョン」ベースのコンプリートマシン コンプリート車両「ベスグライド」の礎を築いたモデルとは?
バイクのニュース
見落としがちなシート掃除! 知られざるシートクリーニングの重要性~Weeklyメンテナンス~
見落としがちなシート掃除! 知られざるシートクリーニングの重要性~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
スバル フォレスター【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
スバル フォレスター【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】国際派11代目ホンダ・アコードは最新技術を積極投入。スポーティセダンを名乗るに十分な気持ちのいい走りの持ち主である
【最新モデル試乗】国際派11代目ホンダ・アコードは最新技術を積極投入。スポーティセダンを名乗るに十分な気持ちのいい走りの持ち主である
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

335.0578.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.2619.0万円

中古車を検索
MINI Clubmanの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

335.0578.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.2619.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村