これまでシリーズ累計24作品が製作されたスパイアクション映画の金字塔『007シリーズ』。
イアン・フレミング原作の小説を起源とする007シリーズは、原作者のフレミングもかつて所属していたという英国秘密情報部のエージェントであるジェームズ・ボンドが、世界を股にかけて活躍する大ヒットアクション映画です。
新型コロナウイルスの影響で何度か公開が延期されてしまいましたが、日本では2021年10月1日に第25作目となる『007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開されます。
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そんな007シリーズの真骨頂といえば、やっぱりド派手なアクションシーン!
特にバイクやクルマなど乗り物好きにとっては、ギミック満載のボンドカーをはじめ、劇中で繰り広げられるカーチェイスシーンを毎回楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
『ロシアより愛をこめて』の名を冠したサイドカー
さて、そんな最新作の公開が注目されている007ですが、ロシアのサイドカーブランド「URAL(ウラル)」から、007好きなら決してスルーできない(?)特別仕様車が発表されました。その名も「FRWL / From Russia With Love」!
007シリーズは、1962年にシリーズ第1作となる『007 /ドクター・ノオ』が公開となり、そして翌1963年には第2作目『007 / ロシアより愛をこめて』(原題:From Russia With Love)が公開されています。
もうおわかりですね、このウラルFRWLは、その第2作目にインスパイアされて製作された特別仕様車なのです。
ウラルのサイドカーといえば、戦後から長らく基本設計を変えていない質実剛健なタフギアとして知られていますが、FRWLでは上品なメタリックペイントが施されたボディパーツに質感の高いクロームメッキのパーツや、丹念に磨き込まれたステンレスパーツを組み合わせて、これまでのウラルのイメージとは異なるドレッシーな佇まいを形作っています。
ここからはそのディテールを見ていきましょう。
バイク、カー側ともにシートにはラグジュアリー・ダイアモンド・ステッチを採用。シート面積の多いサイドカーではこれだけで高級感が一気に倍増します。また、カー側の風防根元に取り付けられたレザーカバーにもホワイトステッチが入ります。
虚飾を排したいかにもロシア……な時計。世の中には東西冷戦時代の旧東側諸国で製造されたカメラ、時計などの「コメコンデザイン」(コメコン=COMECONとはかつて存在した旧ソ連と旧東欧諸国による経済総合援助会議のこと)を愛するマニアもいると聞きますが、そういう方にはきっと刺さることでしょう。
カー側の内装も豪華で、ダッシュボードにはミステリアスなロシアンスパイを連想させる「Natasha(ナターシャ)」の刺繍入り。
そして時計の左側には「EJECT」ボタンが。初代ボンドカーとして知られるアストン・マーティンDB5よろしく、緊急時にボタンを押すとシートが射出されるのか……それはオーナーのみが知ることができます(笑)。
カー前方のクラッシュバーには、美しいクロームメッキを施した小型の砲弾型ランプを2連で装備。FRWLでは、キャリアやエンジンガード、サイドミラー、風防のフレームもクロームメッキ仕上げです。
さて、007シリーズ第2作『007 / ロシアより愛をこめて』は、実は日本での公開当初では『007 / 危機一発』という邦題が設定されていましたが、70年代に入ってからのリバイバル上映の際に原題に忠実な邦題『ロシアより愛をこめて』へと改められています。
この作品は、トルコ・イスタンブールを舞台にロシア(当時は旧ソ連)の諜報部員や、東西冷戦を利用して悪事を企む犯罪組織「スペクター」を相手に、ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドが大活躍するストーリー。
歴代007シリーズの中でも指折りの傑作として知られる作品ですが、実は007名物であるアストン・マーティンDB5のボンドカーは出てきません。
007で初めてそれが登場するのは1964年公開のシリーズ第3作『007 / ゴールドフィンガー』から。『ロシアより愛をこめて』では派手なカーチェイスこそないものの、ギミック満載のアタッシュケースが登場するほか、オリエント急行やモーターボートでのアクションシーンが数多く盛り込まれており、純粋なスパイアクションを楽しむことができます。
まだ観たことがない、という方はぜひご覧になってください。
歴代ボンドガールの中でも最高の美女との呼び声も高く、本作ではソ連諜報部員として登場するダニエラ・ビアンキの美しさにも注目です。ウラルFRWLのイメージにもぴったりの女性ですよ。
乗り物好き必見、歴代007作品に登場する個性的なボンドカー、バイクたち
ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンド同様に、007を語る上で欠かせない存在なのが「ボンドカー」です。
かの有名なアストン・マーティンDB5をベースにした初代ボンドカーは、第3作『007 / ゴールドフィンガー』で初登場します。ここからはそんなボンドカーや、各エピソードを盛り上げるバイクについても少し紹介していきます。
アストン・マーティンDB5『007 / ゴールドフィンガー』(1964)など
アストン・マーティンDB5は、007シリーズ第3作『007 / ゴールドフィンガー』で初登場。以降は『007 / サンダーボール作戦』(1965)でも大活躍した初期007シリーズを代表するボンドカーです。近年の作品でもチョイ役で登場しています。
2018年に英国アストン・マーティンと、007シリーズの製作を手がける英国の映画制作会社「EON PRODUCTIONS」は、『007 / ゴールドフィンガー』仕様のDB5、その名も『Goldfinger DB5 Continuation』を25台限定、275万ポンド(約3億8000万円。もちろん税抜き……)で発売すると発表。
回転式ナンバープレートや前後の伸縮バンパー、マシンガン(もちろん擬似装置)など、ボンドカーのギミックなども忠実に再現するそうです。デリバリー開始予定は2020年とのことなので、運が良ければ世界のどこかで見れるかも?
BSA A65 ライトニング『007 / サンダーボール作戦』(1965)
1965年に公開されたシリーズ第4作『007 / サンダーボール作戦』には、BSA A65 Lightning(ライトニング)が登場します。そのA65は、Avon製のフルフェアリングが装着されており、なんとそこにはロケットランチャーが仕込まれているのです!
英国車マニアの方は、このA65がその後にたどる運命にもご注目。きっと思わず声が出てしまうことでしょう……。
トヨタ 2000GT『007は二度死ぬ』(1967)
全編日本ロケとして有名なシリーズ第5作『007は二度死ぬ』では、特別に製作されたトヨタ2000GTのオープンカーがボンドガール浜 美枝の愛車として登場。
余談ですが、ストーリー中盤の2000GTとクラウンとのカーチェイスシーンの一部は富士スピードウェイ周辺で撮影されており、背景にいまはなき「30度バンク」も映り込んでいます。モータースポーツファンはぜひそこにも注目してくださいね。
ロータス エスプリ(S1)『007 / 私を愛したスパイ』(1977)
3代目ジェームズ・ボンドとなったロジャー・ムーア主演、1977年公開のシリーズ第10作『007 / 私を愛したスパイ』に登場するのがロータス・エスプリ(S1)です。
本作に登場するエスプリは、なんと潜水艦にも変身してしまう歴代唯一の水陸両用ボンドカー。エスプリ初代モデルらしい流麗なボディは必見。エスプリはこの後の作品でもターボモデルが登場します。
ヤマハ XT500『007 / ユア・アイズ・オンリー』(1981)
1981年公開のシリーズ第12作『007 / ユア・アイズ・オンリー』ではヤマハの元祖4ストビッグオフ、XT500が登場。イタリアのドロミテ山麓のスキー場を舞台に、スキーを履いたロジャー・ムーア演じるボンドを追い詰める敵役としてゲレンデを疾走する姿を楽しめます。
XTらしい乾いた排気音を撒き散らしながら、ゲレンデをフルカウンターで疾走する姿は超クール! 数分にも及ぶ雪上チェイスの終盤はボブスレーコースにまで入り込む、とても見応えのあるもの。ビンテージオフロードファンなら必見の作品と言えるでしょう。
BMW R1200C クルーザー『007 / トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)
5代目ジェームズ・ボンド、ピアース・ブロスナンによるシリーズ第18作『007 / トゥモロー・ネバー・ダイ』にはボンドが街中で見つけた逃走用バイクとしてBMW MotorradのクルーザーR 1200Cクルーザーが登場して、ベトナムの街中で壮大なカーチェイスを演じます。
ブレーキターンを駆使して狭い路地を疾走し、時には大ジャンプもしてしまうR1200Cクルーザー。発売前の新型車を劇中で使用する当時としては斬新なプロモーション方法も大きな話題となりました。ちなみにこの時のボンドカーはBMW 750iLでした。
ここで紹介した作品以外でも、007シリーズでは様々なボンドカーやバイクが登場しますが、すべてを紹介するとキリがないので今回はこの辺で。
ちなみに2021年10月1日に公開の第25作目『007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドがトライアンフ・スクランブラー1200で活躍するとのこと。
一体どんなアクションシーンを見せてくれるのか、そちらも楽しみにしておきましょう!
レポート●土山 亮 写真(個別クレジットがあるもの以外)●ウラルジャパン/BMW/トライアンフ/八重洲出版
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みんなのコメント
つまり、厳密に言えばボンドカーではないんだよ!