2030年まで自社による死亡事故ゼロを目指すスバル。この秋に発売がスタートする新型「レヴォーグ」は、内外装のデザインをはじめ、車体、動的に係わる性能はもちろんだが、さらにはスバルの先進安全運転支援技術「アイサイト」も格段に進化した「アイサイトX」がこのモデルに初搭載される。
「アイサイト」の進化を辿る
車検、車庫証明、重量税、取得税が一切不要!公道も走れる電動4輪ミニカー「next cruiser EV」
スバルは1990年代から「アイサイト」の特徴であるステレオカメラを使った”先進安全“=予防安全/運転支援技術の開発をスタートさせて、1999年に「アイサイト」の前身となるADA(Active Driving Asist)を市販車に初搭載。すでに車間距離警報や車線逸脱警報、それに車間距離制御クルーズコントロール(広くACC=Adaptive Cruise Controlと呼ばれる)、カーブ警報/制御など現在の技術に繋がる機能を世に送り出した。
その後も進化を続けてきた技術は2008年に「アイサイト」として最新型を「レガシィ」に搭載。プリクラッシュブレーキ(衝突軽減ブレーキ)や全車速追従機能付きクルーズコントロールを、世界で初めてステレオカメラだけで実現させた。が、“ぶつからない”のキャッチフレーズとともにスバルの先進運転支援技術を一躍世に広めたのは、プリクラッシュブレーキが完全停止まで制御可能となった「アイサイトVer.2」(2010年)だ。
10万円という比較的選びやすい価格設定が装着率を一気に伸ばし、「安全はお金にならない」と自動車メーカーが本格採用に二の足を踏んでいたこの予防安全技術の分野に、新しい付加価値を定着させるきっかけにもなった。実はその数年前には、ボルボも日本市場にプリクラッシュブレーキシステムを採用するモデルを投入していたり、レクサスも2000年代に当時セルシオ(現在LS)の一部モデルに異なるシステムながら類似する技術をオプション採用している。
が、当時のボルボは完全に宣伝不足で、レクサスはまだまだ高価な技術ゆえ上位モデルにそっと採用していた印象があり、当時普及には至らなかった。現在は前述のメーカーのみならず、ほとんどのメーカーがさらに進化した技術を標準装備もしくはアドバンスド機能をオプション選択できるようになっている。
時代が自動運転車両の開発が加速したことももちろんある。が、「安全性能/機能も売れる」に大きな影響を与えたスバルはその後2014年に発表された初代「レヴォーグ」に「アイサイトVer.3」を搭載。ステレオカメラはカラーになり、視野角も拡大。車線中央を走る制御やステアリング制御も導入。その後、後方と側方の支援技術も追加されている。メーター内に制御の状況を映すモニターを採用したのもこの世代からだ。
新世代「アイサイト」が目指すもの
そして新世代の「アイサイト」が新型「レヴォーグ」に搭載される。Ver.4と名付けなかったのは、「進化の度合いが違い過ぎる」からと開発責任者は話す。“X”を(数字の5ととらええ4をスキップして)5と取られそうだが”エックス“だ。
その“度合いが違い過ぎる進化”を進めたのは、システムの大がかりな変更だ。とは言ってもスバルがこだわり続けているステレオカメラを軸とした制御に変わりはない。ただカメラはこれまでよりも2倍の視野角を持つ新型になり、さらに前側方レーダー、電動のブレーキブースターを初搭載。
これに後側方レーダーとリヤソナーも配備。これらを採用することで進化したスバルの運転支援、予防安全技術の多くは全車に標準装備される。そしてさらにより快適かつ安全な移動を支える技術として選ぶことができる機能として、高速道路でのカーブ走行制御やウインカー操作だけでできるレーンチェンジ、ETCゲートでの速度調整、そして渋滞時のハンドルから手を離し走行できる『ハンズオフアシスト』などがある。
これを可能にしたのが、高精度3Dマップと「みちびき」などの準天頂衛星で自車位置と道路をより正確に把握できるようになったことだ。全車に標準装備される新世代「アイサイト」のコア技術には、ブレーキ制御で衝突回避をサポートする「プリクラッシュブレーキ」、「バック(後退時)の衝突回避サポート」、「誤発進による急な飛び出しを防ぐ制御」などがある。
これらの“ぶつからない”をサポートするブレーキ制御もブレーキの作動領域が拡大。スバル初の技術として交差点で自転車や対向車、横断者も広角カメラでの検知。さらにカメラでは見えない前側方から接近する車両をレーダーで検知。また走行中に前方の車両が停止しているのに気づかず、プレクラッシュブレーキでも止まりきれない場合はシステムが回避可能なスペースに向かうステアリング制御を行って衝突回避をサポートする。
また、車線変更を行なう際に移動しようとした車線の後方から来る車両を見落としてしまった場合、警報とともにステアリングを制御もおこなうエマージェンシーレーンキープアシストは国内初採用だ。ロングドライブでも“疲れない”サポートを行ってくれる技術が「ツーリングアシスト」機能。こちらもコア技術として高速道路や自動車専用道路で0―120kn/hの範囲でアクセルやブレーキ、ステアリング操作をアシストしてくれる。
「全車速追従機能付クルーズコントロール」を利用すれば、先行車に車間距離を保ちながら渋滞時などの減速や加速、停止保持も行いながら追従走行を行ってくれる。
気になる「アイサイトX」の進化の中身
これらに加えてさらなる先進運転支援を行えるようになるのが「アイサイトX」だ。高精度の地図データと衛星システムを活用し、カメラや各種センサーとエンジンやトランスミッション、ハンドル、ブレーキなどを連携させた高速道路上でのサポート領域が拡がった。今回はテストコース上に特別に地図データを仕込むことで様々な機能を試すことができた。
まずは「カーブ前速度制御」から。ツーリングアシストをONの状態で高速道路を走行時、これまで高速域のカーブ走行は前のクルマが減速(追従)することで自車も減速を行ない、走行していた。「アイサイトX」は単独でもカーブの曲率を読み速度制御を行う。
テストコースでは速度を120km/hにセットした自車がコーナーの手前で減速。車線のなかをしっかりとフォーローしてコーナーを走ってくれた。こんな速度でクルマに走行を任せるなんて・・・と少し緊張したが、「レヴォーグ」は熟練ドライバーのようなジェントルなハンドル操作で安定した走行をしてくれたのだった。
仮設のETCゲートでは「料金所前速度を制御」も行う。またウインカー操作だけで車線変更も行う「アクティブレーンチェンジアシスト」(約70~120km/h)も初搭載。クルマは自車のいる白線を認識、隣レーンにいるクルマも認識しながら安全と判断すると自動でレーンチェンジを行った。レーンチェンジはクイックでもなく穏やかすぎることもなく、とてもスムーズだ。
渋滞時ハンズオフアシストは約50km/h以下でハンドルから手を離した状態でのクルーズ走行が可能。今回は渋滞を想定し前にはノロノロと走るクルマがいる。すると50km/h以下でメーター内のモニター表示が変わりハンズオフが可能をドライバーに知らせてくれた。ハンズオフ時のレヴォーグは車線中央を維持し滑らかな走行をしてくれた。
前方のノロノロ車がいなくなり50km/hを超えたあたりで「そろそろクルマからドライバーにドライバー交代するよ」の合図が音と文字で伝えられ、ハンドルはドライバーに委ねられることになる。完全停止するほどの渋滞を想定した場面では、減速はもちろん再発進もものすごくスマートで人間の感覚とほぼ同じだった。
これらは高精度3Dマップと「みちびき」など準天頂衛星で自車位置を確認し、それを各種センサーと車両制御によるものなのだけれど、大事なのはこれは完全な自動運転ではないということ。ドライバーは速度が50km/hを超えたらハンドルを握り運転をしなければならない。それからハンズオフ時でも安全確認を行うために「アイサイト」のカメラだけでなく人間の“目視”も欠かせない。
もしも、よそ見をしたらどうなるのか?新型「レヴォーグ」のセンターコンソールにある液晶ディスプレイの上部に、ドライバーのモニタリングシステムが内蔵されている。そこでよそ見をするとすかさずハンズオフ機能は警告、それでも無視をすると機能は解除される。が、再び前を向きハンドルを握っていればすぐにハンズオフ機能は復活した。
ではもし走行中に、ドライバーが居眠りや体調異常などで運転操作ができない状態だったとしたら・・・ここでも新機能「ドライバー異常時対応システム」が作動する。テストコースではハンズオフの状態から試した。
まず「ハンドル操作をしてください」のメッセージが表示され、無視をすると車両は減速。その間にアラート音が鳴りそれがどんどんと激しくなっていく。それでも無視し続けると最終的にはホーンが鳴り、ハザードランプも点灯していた。やがてクルマは直線の安全な場所を認識すると完全停止した。
新世代「アイサイト」の基本機能は、全車に標準装備される。もう一歩サポートの進んだ「アイサイトX」は、+35万円で選ぶことができるそうだ。進むスバルの安全/運転支援技術。ハンズオフ機能はすでに日産「スカイライン」やBMW「3シリーズ」や「8シリーズ」「X5」などに採用され体験をしているが、渋滞中、ハンドルを握っていることからひとときでも解放された時、ハンドルを握っていないといけないドライバーがかわいそうだと思えるほど、ハンズオフかオンかのストレスはかなり違う。
それだけではなく、様々なサポートが先進技術によってのみ優れた性能を発揮しているように思えるかもしれないが、実は「レヴォーグ」の制御の入らない基本性能の高さがあってこそ、制御との連携によって高い運転支援技術や安全性能が成し得る。新型「レヴォーグ」から採用が始まる意味は、最新の基本性能を与えられたモデルだからこそ、とも言えるのだ。
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文/飯田裕子(モータージャーナリスト) 写真提供/スバル
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