現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まだ知らない? ECUチューンで解放される“隠されたパワー”の真実~カスタムHOW TO~

ここから本文です

まだ知らない? ECUチューンで解放される“隠されたパワー”の真実~カスタムHOW TO~

掲載 17
まだ知らない? ECUチューンで解放される“隠されたパワー”の真実~カスタムHOW TO~

ECUとはENGINE CONTROL UNITのこと。その名の通り、エンジンを制御するパーツでパワーも燃費もECUが握っている。

現代のクルマのチューニングはECUがもっとも重要。ECUがエンジンを制御していて、いくらマフラーやターボを変えても、ECUセッティングを変えなければきちんとしたパワーは出ないし、エンジンチェックランプが点灯して通常の走行もままならなくなってしまう。

OBD2ポートで車が進化する! ライトチューンから追加メーター活用まで完全解説~カスタムHOW TO~

古くはこの役割はキャブレターが担っていて、アクセルを開けた分だけ空気がエンジンに吸い込まれ、そのときに負圧でガソリンも吸い込まれていた。ところがECUが制御するようになってからは、インジェクターからガソリンを噴射するようになり、その量や点火タイミングなどを緻密に制御するようになったのだ。

◆ECUチューニングはエンジンの余力を安全なラインギリギリまで使い切る!
現代のクルマではガソリンの噴射量や点火タイミングだけでなく、ターゲットとする空燃比マップがあったり、さまざまな制御がされている、その数値を打ち替えることでより出力を出そうというのがECUチューニングの基本だが、「ECUチューンによってパワーが出る」というのはそもそもちょっと違う。

本来エンジンの排気量とポートの形状、圧縮比などから出せるパワーは限られている。そのパワーが絞られている部分を最適化することで本来のパワーを出そうということが狙いで、ECUチューンでパワーが出せるわけではない。本来のパワーを出すというのが正しい表現になる。

ある老舗チューナーに言わせれば「セッティングはノーマルの状態で合っている。それをマフラー交換やタービン交換などでズレてしまう。そこでECUを書き換えてセッティングをきちんと戻してあげる」のだという。

完全にノーマルの状態でもECUチューンは効果がある。この場合は、封印されているパワーを開放してあげるという認識に近い。最近のクルマでは加速騒音や燃費規制などにおいて意図的にパワーが封じられている部分がある。その部分を最適化するイメージ。

また、ターボ車であればブースト圧をそういった制限から下げられている部分を、少しだけ上げてやることで本来のエンジンユニットが持つパワーを発揮させることができる。そのためエンジンECU書き換え=安全マージンを削るチューニング、という考えは異なる。

◆ECUチューンは何を変えてパワーを引き出しているのか
これはキャブレター時代の考えから来ていて、キャブレター時代は燃料をギリギリまで薄くしたほうが吹け上がりが軽くなり、メインジェットなどをここぞ一番は絞っていた。ところが燃調が薄くなるので燃焼室温度も高くなり、エンジンブローと紙一重だった。

そんな考えからECUチューンも安全マージンを削ると考えられがちだがちょっと違う。たしかにターボエンジンではノーマルの1.5倍以上ものパワーを出して、全開走行を繰り返していたらコンロッドやピストンに大きな負担が掛かる、そこからエンジンが壊れる可能性は高くなる。

しかし、ノーマルから数十馬力アップで乗っている分にはエンジン自体の寿命にはほとんど影響がない。実際これまで筆者もECUチューンしたNA車、ターボ車ともに10万km近く走ったがトラブルが起きたことはなかった。

だが、たしかにやりすぎればエンジンが壊れる可能性があるのもECUチューン。信頼できるパーツやチューナーを選んでECUチューンを行いたい。

もっとも普及しているタイプはHKSの「フラッシュエディター」だ。これはOBDポートからECUを書き換えるタイプで、すでにチューニングデータが本体に入っていて、それをクルマのECUにインストールするだけ。HKSがあらゆる状況を想定して作ったデータなのでその信頼性は高い。逆に言えば汎用性の高いデータなので、まだ少し積める余地が残されている。そこでHKSではパワーライター店と呼ばれる認定を受けたお店でのみ、さらに1台1台に合わせたECUの調整である「現車合わせ」をできるようにしている。

ほかにもチューニングショップや大手量販店でもECU書き換えチューニングが提供されている。最近では粗悪なECUチューニングは減ってきているが、きちんと実績あるお店を選んでチューニングするようにしてもらいたい。

また、最近では『GRヤリス』を筆頭にECUチューンがまだ広まっていない車種もある。これはECUチューンによって書き換えられる領域に制限があり、大きなパワーアップができない場合があるから。そこで現在GRヤリスでは圧力センサーに装置を噛ますことでの簡易ブーストアップチューンが主流。それでも30ps程度はパワーアップができ、信頼性も高いことから人気を集めている。この手法は20年以上前に行われていたが、現代になって再び注目されているのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

すでに生産終了したって知ってた? 人気の高かったバイクたち
すでに生産終了したって知ってた? 人気の高かったバイクたち
バイクのニュース
ハイブリッドカー界隈で密かに流行る「グリル塞ぎ」って何の意味がある? メーカーも純正採用する機能だけどセルフでやるのは「禁じ手」?
ハイブリッドカー界隈で密かに流行る「グリル塞ぎ」って何の意味がある? メーカーも純正採用する機能だけどセルフでやるのは「禁じ手」?
WEB CARTOP
オデッセイいいやんけ!!  アルファード並みに売れてもいいデキな件
オデッセイいいやんけ!!  アルファード並みに売れてもいいデキな件
ベストカーWeb
「あぁついに新車を手に入れた」喜びを実感したかつての新車の匂い! いまのクルマから消えたワケは危険な香りだったから
「あぁついに新車を手に入れた」喜びを実感したかつての新車の匂い! いまのクルマから消えたワケは危険な香りだったから
WEB CARTOP
ホンダ『フリードe:HEV』を簡単パワーアップ! ブリッツ「パワスロNA」「パワコンNA」が発売
ホンダ『フリードe:HEV』を簡単パワーアップ! ブリッツ「パワスロNA」「パワコンNA」が発売
レスポンス
「F1と同じやん!」屋根もガラスもない、メルセデスAMG『ピュアスピード』のスパルタ仕様にSNS興奮
「F1と同じやん!」屋根もガラスもない、メルセデスAMG『ピュアスピード』のスパルタ仕様にSNS興奮
レスポンス
ホンダ『N-BOX JOY』のアクセルレスポンスとパワーを向上、ブリッツのスロコン&ターボ車ブーストアップ製品
ホンダ『N-BOX JOY』のアクセルレスポンスとパワーを向上、ブリッツのスロコン&ターボ車ブーストアップ製品
レスポンス
DS、新フラッグシップEV『N°8』発表…航続750km実現
DS、新フラッグシップEV『N°8』発表…航続750km実現
レスポンス
初代ホンダ『インサイト』、今もEV以外で最高の燃費性能とアピール…29.8km/リットル
初代ホンダ『インサイト』、今もEV以外で最高の燃費性能とアピール…29.8km/リットル
レスポンス
スバル「レヴォーグ」が一部改良モデルを発表! いまや貴重な存在の「ステーションワゴン」の人気モデルは何が進化した?
スバル「レヴォーグ」が一部改良モデルを発表! いまや貴重な存在の「ステーションワゴン」の人気モデルは何が進化した?
VAGUE
タダノ、世界最大級の電動クローラクレーン開発…ゼロエミッションで1600トン吊り上げ可能
タダノ、世界最大級の電動クローラクレーン開発…ゼロエミッションで1600トン吊り上げ可能
レスポンス
シュテルン品川が『調音施工スタジオ』に参画…新車ディーラーが考えた顧客満足を高める未来の展望を聞く
シュテルン品川が『調音施工スタジオ』に参画…新車ディーラーが考えた顧客満足を高める未来の展望を聞く
レスポンス
OBD2ポートで車が進化する! ライトチューンから追加メーター活用まで完全解説~カスタムHOW TO~
OBD2ポートで車が進化する! ライトチューンから追加メーター活用まで完全解説~カスタムHOW TO~
レスポンス
ヤマハ「NMAX」に注目! “静粛性”とパワーを備えた“スポーツ”志向モデル! “スゴイエンジン”搭載で加速が気持ちいいバイク!
ヤマハ「NMAX」に注目! “静粛性”とパワーを備えた“スポーツ”志向モデル! “スゴイエンジン”搭載で加速が気持ちいいバイク!
くるまのニュース
M4を超えた?! BMW『M2 CS』新型が発売モード、ゴールド仕上げのホイールを装着
M4を超えた?! BMW『M2 CS』新型が発売モード、ゴールド仕上げのホイールを装着
レスポンス
MAXWIN、9口同時給電可能なカーインバーター「PCA20A」を発売
MAXWIN、9口同時給電可能なカーインバーター「PCA20A」を発売
レスポンス
いすゞの新型『D-Max』と『MU-X』、ブリヂストン「DUELER H/T 684II」純正採用
いすゞの新型『D-Max』と『MU-X』、ブリヂストン「DUELER H/T 684II」純正採用
レスポンス
快適さと収納力を両立、新型『ステップワゴンe:HEV』専用コンソールボックス登場
快適さと収納力を両立、新型『ステップワゴンe:HEV』専用コンソールボックス登場
レスポンス

みんなのコメント

17件
  • 名無し
    フラッシュエディターで書き換えて車両情報残って使えなくなったゴミをヤフオクに出すのが流行った。
  • lan********
    フラッシュエディター持ってるけどいいよね。
    リミッターカットできるだけでも恩恵は大きい。
    FSWのホームストレートで頭打ちにならなくて済む。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

199.11280.0万円

中古車を検索
GRヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

349.0533.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

199.11280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村