フォルクスワーゲンが発表した「ID.GTIコンセプト」は、伝統を尊重した未来のホットハッチだった! 実車を見た小川フミオがリポートする。
フロントモーター搭載で前輪駆動
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フォルクワーゲンが、電気自動車時代のGTIを発表して、大きな話題を呼んでいる。舞台は、ミュンヘンで開催の自動車ショー「IAAモビリティ」(会期: 2023年9月5日~9月10日)だ。
GTIは、読者のかたは先刻ご承知のとおり、1976年に「ゴルフGTI」として発表され、小さい車体でありながら、アウトバーンではポルシェに迫る性能で衝撃を与えたモデル。フォルクスワーゲンは、以来、GTIブランドを大切にしてきた。ついに電動化の時代にも継続するという意思表明として「ID.GTIコンセプト」をお披露目してくれたのだ。
「私たちは、顧客が求めているものを提供します。性能も品質もデザインも、完璧に顧客の要望を軸に開発していきます」
フォルクスワーゲン・グループにあって、フォルクスワーゲン乗用車部門を担当するトーマス・シェーファーCEOの言葉だ。
ID.GTIはまだコンセプトの段階だけれど、VWブランド技術開発担当取締役のカイ・グリューニッツ氏によると「GTIの“伝統”を守って」フロントモーターで前輪駆動と発表されている。
日本でも販売されている「ID.4」を含めて、現在フォルクスワーゲンのBEV(バッテリー駆動の電気自動車)であるID.シリーズがリヤモーターの後輪駆動であるのに対して、180度の転換だ。
昔のホットハッチを意識もうひとつ、フォルクスワーゲンがID.GTIコンセプトで強く意識したのがデザインだ。このクルマをジャーナリストに初お披露目したのは、ミュンヘン市内の特設会場を使っての「フォルクスワーゲングループ・メディアナイト」だ。
そこで、ヘッド・オブ・デザインのアンドレアス・ミント(ベントレーにもいたひと)は初代GTIがいかに“いいデザイン”だったかを語ってくれた。
「GTIというのは我々にとってもアイコンであります。これはそこらへんにあるクルマではありません。非常に強い価値を持っているものです」
たしかに、ミント氏の言葉どおり、ID.GTIコンセプトは、なんとも魅力的なカタチをしている。
「ドライブトレインがコンパクトにまとめられるEVの利点を活かして、ホイールベースとボディ全長の関係は理想的なプロポーションで、かつ、昔のホットハッチを意識して、前からみるとタイヤがボディの外まではみだすようなイメージも強調しています」
発表されているデータによると、4104mmの全長に対して、ホイールベースは2600mm。そこに20インチ(販売されるときは19インチになるという噂も……)のホイールと組み合わされたタイヤを履く。
さらに、デザインで意識されたのが、愛すべき顔つきだそう。フロントマスクは、見ていると、無意識的に笑ってしまうような造型を意識したそうだ。ミントは、オリジナルのゴルフGTIを手がけた、イタリアのジョルジェット・ジュジャーロ(イタルデザイン)のデザインが好きという。
ID.GTIコンセプトを上面図で見ると、リアクオーターピラーの後ろの部分をキュッとしぼった造型になっている。これは、ジュジャーロ・デザインから借りてきたものと教えてくれた。
「(アルファロメオ)ジュリアだって(マセラティ)ブーメランだって、この手法を使っているから、とてもいいデザインになっているんですよ」
自動車好きが作った、魅力的なモデルなのだ。ID.GTIの発売は2027年が予定されている。本当にモーターはフロントだけに使うのか?とか、現行のゴルフGTIにあるようなフロントのディファレンシャルロック機構(と同様の働きをするもの)を使うっていうけれども、どんなシステムか? 現時点では、伏せられている点も少なくない。
パサートがバリアントのみなワケ「(IAAモビリティでは)電気自動車、内燃エンジン搭載車、ハイブリッド車のすべてにおいて、私たちのブランドの新しい方向性を反映した全ラインナップを見ることができます」
そう述べたのは、前出のフォルクスワーゲン乗用車部門のトーマス シェーファーCEO。
「フォルクスワーゲンは、2027年までに、2万5000ユーロ未満のコンパクトカーからファミリーサルーンまで、11車種の新しい電気自動車を発売し、すべての自動車メーカーの中で、もっとも幅広い電気自動車のラインナップを提供します」
好例ともいえるのが、今回発表された新型「パサート」だ。ボディはバリアントというステーションワゴンのみ。従来のセダンは設定がない。
その理由について、先のカイ・グリューニッツは「セダンはID.7(このクルマも今回発表された)に変わったと考えていただきたい」とした。
ショー全体の規模はそれほど大きくないのだが、欧州と中国のブランドが、いっきに電気自動車で未来へ! と、意気込みを見せていたのがなにより印象的である。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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