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新型クラウン クロスオーバーはパトカーに採用されるのか「パトカー採用条件」を検証してみた!

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新型クラウン クロスオーバーはパトカーに採用されるのか「パトカー採用条件」を検証してみた!

実は非常に細かいパトカー採用のための条件

待望の新型クラウンが姿を現して、一堂騒然。SUVになるという噂はあったものの、計4タイプになるとは誰が想像しただろうか。新型クラウンそのものについてはいろいろとレポートされるだろうから、そちらに任せて、ここで取り上げるのはパトカー問題だ。クラウンと言えば、パトカーの定番。覆面パトカーにはクラウン以外にもいろいろな車種が存在するが、パトロールに使われ「無線警ら車」と呼ばれる、白と黒の通称パンダは、いったいどうなるのだろうか?

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そもそも今回4タイプが一気に発表されたと言っても、具体的に製品化されたのはクロスオーバーのだけ。セダンやハッチバック、ワゴンはモックアップだったので、発売はいつになるのか不透明。クロスオーバーですら、とりあえず発表しておいて発売は先という姿勢で、秋以降というボンヤリとしたアナウンスしかない。

現状、パトカーは先代モデルまでのクラウンが使われている。そのため、しばらくすると使用期限が来て代替えする必要が出てくる。そのときどうするのか。老婆心と言われればそれまでだが、まさかあのクロスオーバーSUVを白黒パンダにするのもヘン。セダンはいつ出るかわからないし、かなりデザインコンシャスなセダンなので、白と黒に塗り分けて、パトカーにするなんてまったく想像すらできない。言えるのはただ「格好悪そう」ということだけだ。とはいえ、デザインは主観なので、一旦置いておこう。

新型クラウン クロスオーバーには白黒ツートーンがあるから、パトカーもイメージしやすい?写真のクラウンパトカーは、先々代モデルにあたる14台目クラウンがベース。レガシィB4のパトロールカーはなぜターボ?

自動車警ら用のパトロールカーはどうやって選定されているかというと、役所なのでもちろん入札がある。ただ、どんなクルマでも良いというわけではなく、条件はいろいろある。その内容を見ていくと、新型クラウンでは無理なのではないのか、という疑問が湧いてくる。その条件とは下記ととおりだ。

・4ドアセダン・排気量は2500cc級以上・最高出力は145kw(ネット値)以上・ブレーキは四輪ディスクブレーキ同等以上で、ABS付き・乗車定員は5名・トランクは床が概ねフラットで、容量は450L以上・前席の座面から天井までの高さは900mm以上・各座席は警察庁から承認を受けたビニールレザーなどの耐水性、耐久性が高い素材を使用・サスペンションはトランクに約60kgを積んで、さらに昇降機付き警光灯も搭載して約20万kmの走行に耐えうること

など。これ以外にもタコメーターを装備やドアミラーは電動であることなど、こと細かく決められている。採用されているので当たり前だが、まさに今までのクラウンにピッタリというか、クラウンのためにあるような条件だ。ただ、クラウンだけを当てにしているわけにはいかない、と考えたかどうかは不明だが、2013年頃に仕様要件を変更、ボディサイズと二輪駆動の条件が撤廃された。さらに6気筒以上としていたのを145kw以上に変更しているのだ。

そこで、クラウン以外で比較的最近パトカーに採用されたレガシィB4が浮上。しかし、レガシィのNAは127kwと足りず、ターボでないとこれをクリアできないため、実際に配備されたのもターボモデルだった。しかし、レガシィのパトロールカーはその後、数が増えていない。B4が日本市場から撤退してしまったからだ。

現在のレガシィがアウトバックだけになってしまったから候補から外れてしまったのと同様、新型クラウンのクロスオーバーSUVタイプでは、4ドアセダンというところが引っかかってしまって、入札の土俵にも立てない。また、ガソリンエンジンを前提にしているので、ハイブリッドのみのラインナップだと条件に合わないかもしれない。ならばセダンが登場するまで待つかというと、クロスオーバーSUVの生産自体が確定していない(bZ4Xのリコール対応が先)とされるだけに、その先となると、はなはだ不透明である。

商売として見ると、落札額は決して小さくない。白黒パトカーは各都道府県ごとではなく、国費モノと呼ばれるように全国一括での購入になるからで、平成25年にレガシィが落札したときは、約12億円で414台を納車している。考えられる方策としては、下記のようなパターンか。

1.クラウンのパトカー仕様だけ、今までのものを作り続ける2.要件を変えてSUVでもOKにする3.新型クラウンのセダン版を早く出す4.他社のセダンでまかなう

1.は、当分はあり得るだろうが、そもそも現役のクラウンパトカーは先代のS210系なので現時点でも旧態化しつつあるだけに、どこまで作り続けられるか。その点では3.も現実的だが、現在のような生産の滞りなどがどこまで解消できるかどうかにかかっている。2.はクルマ好きの夢だろうか。

4.の「他社のセダン」は数は減っているとはいえ、スカイラインはあるし、マツダにもセダンがある。ただし、警察側が考えていても応札してくれなくては成り立たない話で、そのためには細かい仕様を緩和する必要があるだろう。どんな車種でもプレミアム化が進む昨今、ビニールレザーなどのシート地と言われても逆にコストがかかるし、そこまでして応札する気にもならないだろう。今後の動向に注目だ。

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