現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アウディ、新規エンジン開発を凍結? 今後の電動化ビジョンやRSの存続を小川フミオがレポート!

ここから本文です

アウディ、新規エンジン開発を凍結? 今後の電動化ビジョンやRSの存続を小川フミオがレポート!

掲載 更新 9
アウディ、新規エンジン開発を凍結? 今後の電動化ビジョンやRSの存続を小川フミオがレポート!

ダカールやル・マン、デイトナへ参戦!

アウディ本社が、2021年3月18日に年次記者会見をオンラインで開催。そこで、「アウディ TT」や「アウディ R8」など、読者が大好きなスポーツモデルは、将来、EVに取って代わられることを発表した。一方、RSモデルはこのさきも当面、残るという。これから電動化に向けて大きく舵をとるアウディの行き先はどこか? それを指し示してくれる記者会見の内容だった。

空冷911の世界的チューナー「シンガー」、日本における販売・アフターサポート拠点を福岡に展開

「私たちは、これから新しいかたちでモータースポーツに参加します」。そう述べたのは、2020年4月にアウディCEOに就任したマルクス・ドゥスマン氏だ。2020年シーズンをもってDTM(ドイツツーリングカー選手権)から撤退、さらに2021年シーズンをもってフォーミュラEからも手をひくと発表してファンに衝撃を与えたアウディ。

落胆するのは早い。このさきアウディでは、2022年にはダカールラリー、23年にはル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースへ復帰すると、ドゥスマン氏は発表したのだった。「WEC(世界耐久選手権)にはポルシェと協力して、LMPH(ルマン プロトタイプ ハイパーカー)のカテゴリーに参戦します」。ラリーへの参戦は、高性能ピュアEVで、という。

20モデル以上のピュアEVを2025年までにリリース

なにしろ、アウディはいま、急ピッチでラインナップの電動化を進めている。2018年のe-tron SUVを皮切りに、e-tronスポーツバック、2021年に発売されるQ4 e-tron、そしてそのあとに続くQ4 e-tronスポーツバックといったぐあいに、矢継ぎ早にピュアEVが登場。

2025年までに20モデル以上のピュアEVを市場に投入するという。同時にプラグインハイブリッドモデルの数を増やすことも、CEOのドゥスマン氏は発表。2025年には、世界的なアウディのセールスの3分の1は、これらの電動モデルになるのではないかと、している。

そのためにアウディは、多額の投資を計画中だ。2021年から2025年にかけて用意された資金は、電動化のために100億ユーロ(約1兆2000億円)、ハイブリッド開発のために50億ユーロ(約6400億円)、デジタル技術のために30億ユーロ(約3800億円)にのぼる。

小型のピュアEVも積極的に導入

プラットフォームの展開については、さきにフォルスクワーゲンが発表したように、ピュアEVのためのプラットフォームであるMEBに加え、2021年に登場する上級モデルのためのPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)、そしてそのさきのSSP(スケーラブル・システムズ・プラットフォーム)といったぐあいだ。

2021年4月には、MEBを使ったアウディ Q4 e-tronが登場予定。そのつぎにQ4 e-tron GT スポーツバックが控えている。「コンパクトカーセグメントにもピュアEVを出すことで、アウディの電気自動車の世界観を広くユーザーに知ってもらえるはず」とアウディではプレスリリースに書いている。

グループ内で互いの資源を共有

これらはフォルクスワーゲンをはじめ、ポルシェなどグループ企業で共用。いわゆるシナジー(共同作用)を用いて効率を高める。フォルクスワーゲングループの研究開発担当取締役を兼任する立場のドゥスマンCEOは、フォルクスワーゲングループ全体が持っているリソースやテクノロジーを最大限に活用する目的で、「Artemis(アルテミス)」と名付けられた“ハイテクプロジェクト”を、2020年6月に立ち上げたのも記憶に新しい。

2029年までに75の電動化モデルを導入することを計画しているフォルクスワーゲングループにあって、アウディも最大限、リソースを提供していくということだ。むずかしいのは、そこにあって、いかにブランドの独自性を守っていくかだ。

車台は同じでも“味”は違う

今回のオンライン記者会見では、440kWの出力で、静止から100km/hまでを3.3秒で加速するRS e-tron GTを例にとって、「同程度の性能で同程度の価格ならポルシェ タイカンを選ぶ人が出てきても不思議ではないのだが」という質問がとび出した。

それに対して、「たしかにプラットフォームを共用してはいるものの、味つけが異なり、タイカンはスポーツカーであるのに対して、RS e-tron GTはグランドツアラーです」と、アウディ本社でセースルとマーケティングを担当するボードメンバーのヒルデガルト・ヴォートマン氏は回答。今後、グループ内でブランドをどう棲み分けていくか。消費者を納得させることを含めて、これも大きな課題なのだと感じさせたのだった。

気になるRSの存続は・・・

一方、冒頭でも触れたとおり、クルマ好きとして気になるのは、アウディのスポーツモデルの行く末だ。TTとR8は、将来的にEVのスポーツモデルが同じような役割を担うことなる、と前出のヴォートマン氏。では、RSはどうなるのか。

「いま言えるのは、私たちは今後、エンジンの新規開発はしないということです。いまあるユニットを洗練させていき、馬力をあげつつ、燃費効率も向上させて、いつまでとはいえませんが、当分、ラインナップに残します。なにしろファンが多いですから」。ドゥスマンCEOは語った。これを聞いて、安心してしまうファンも少なくないのではないだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ダイハツの「“2階建て”軽トラ!?」登場! 4人乗れて4人乗れる! “広々”内装の「ステージ21 リゾートデュオ バンビーノJr」所有のインフルエンサー「さおりんご」さんに直撃!
ダイハツの「“2階建て”軽トラ!?」登場! 4人乗れて4人乗れる! “広々”内装の「ステージ21 リゾートデュオ バンビーノJr」所有のインフルエンサー「さおりんご」さんに直撃!
くるまのニュース
初日最速のハミルトン「なぜトップに立てたのか分からない」メルセデス/F1第22戦
初日最速のハミルトン「なぜトップに立てたのか分からない」メルセデス/F1第22戦
AUTOSPORT web
これでヤリクロ&ヴェゼルを撃墜! 日産キックスは豪華になって2025年登場か!?
これでヤリクロ&ヴェゼルを撃墜! 日産キックスは豪華になって2025年登場か!?
ベストカーWeb
三菱「デリカD:5」をファミリーカーとしてギリギリカスタム! 1.5インチのさりげないリフトアップに「オープンカントリーR/T」がベストマッチ
三菱「デリカD:5」をファミリーカーとしてギリギリカスタム! 1.5インチのさりげないリフトアップに「オープンカントリーR/T」がベストマッチ
Auto Messe Web
2024ポルシェ356ホリデイ 85台のポルシェ 356が神戸に
2024ポルシェ356ホリデイ 85台のポルシェ 356が神戸に
AUTOCAR JAPAN
「個タク」って「個人のクルマ」なのになんで「白いボディに青い帯」ばっかり? ボディカラーに決まりはあるのか
「個タク」って「個人のクルマ」なのになんで「白いボディに青い帯」ばっかり? ボディカラーに決まりはあるのか
WEB CARTOP
[15秒でニュース]アウディ『TT』生産終了…名車がラインアップから退く
[15秒でニュース]アウディ『TT』生産終了…名車がラインアップから退く
レスポンス
まさかの急展開! タナクのクラッシュでヌービル戴冠確定。トヨタにビッグチャンス到来|WRCラリージャパンDAY4午前
まさかの急展開! タナクのクラッシュでヌービル戴冠確定。トヨタにビッグチャンス到来|WRCラリージャパンDAY4午前
motorsport.com 日本版
日産の「新型スポーティセダン」公開に反響多数!?「ほしい」「格好いいよね」 迫力エアロ採用の「ラティオ」後継車! VLでスポーツな「アルメーラ」比国に登場
日産の「新型スポーティセダン」公開に反響多数!?「ほしい」「格好いいよね」 迫力エアロ採用の「ラティオ」後継車! VLでスポーツな「アルメーラ」比国に登場
くるまのニュース
マナー違反?それとも法令違反? バイクでのすり抜けの法的扱いとは
マナー違反?それとも法令違反? バイクでのすり抜けの法的扱いとは
バイクのニュース
フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
AUTOCAR JAPAN
『レンジローバー』がオーバーヒート、リコール
『レンジローバー』がオーバーヒート、リコール
レスポンス
衝撃50Gの大クラッシュも、コラピント決勝出場へ。再検査受け問題なし……マシンもなんとか修復
衝撃50Gの大クラッシュも、コラピント決勝出場へ。再検査受け問題なし……マシンもなんとか修復
motorsport.com 日本版
VW ティグアン 新型発表、米国はひと回り大きい『タイロン』ベースに…ロサンゼルスモーターショー2024
VW ティグアン 新型発表、米国はひと回り大きい『タイロン』ベースに…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
くるまのニュース
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
バイクのニュース
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
レスポンス
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
レスポンス

みんなのコメント

9件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

828.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

321.0940.0万円

中古車を検索
RS3 スポーツバックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

828.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

321.0940.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村