現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本人にとってラリーの代名詞「サファリ・ラリー」27年ぶりの日本人サファリ制覇は、夢物語ではない!

ここから本文です

日本人にとってラリーの代名詞「サファリ・ラリー」27年ぶりの日本人サファリ制覇は、夢物語ではない!

掲載 4
日本人にとってラリーの代名詞「サファリ・ラリー」27年ぶりの日本人サファリ制覇は、夢物語ではない!

石原裕次郎の『栄光への5000キロ』がサファリのイメージ

1979年サファリ シェカー・メッタのダットサン・バイオレット160J PHOTO:日産自動車多くの日本人にとって、ラリーといえば「サファリ」のイメージが強いのではないだろうか? 近年、トヨタ、スバル、三菱がワールドタイトルを争うまで、石原裕次郎主演の映画作品『栄光への5000キロ』の影響もあり、長らく日本ではWRCよりもサファリ・ラリーが高い知名度を誇っていた。石原裕次郎主演の映画作品『栄光への5000キロ』

航空自衛隊:第一線で対領空侵犯措置にあたる「F-15J戦闘機」、日本の防空主力機の今後を考える

1974年サファリ ジョギンダ・シンの三菱ランサーGSR PHOTO:三菱自動車実際、サファリ・ラリーには多くの日本メーカーが、挑戦してきた歴史もある。60年台から70年台にかけて、510ブルーバードや240Z、バイオレットなどで圧倒的な強さを見せていた日産。“ダルマ”ランサーで2勝を挙げた三菱。80年代のグループB時代には、セリカ・ツインカムターボでトヨタがサファリ3連覇を達成している。

もちろん日本人ドライバーの活躍も忘れてはならない。76年のサファリラリーでは、篠塚健次郎が三菱ランサーGSRを駆り、日本ドライバー初となる6位入賞(94年には2位表彰台も獲得)。1993年にトヨタ・ワークスからセリカGT-Fourで参戦し、当時日本最上位となる4位を得た岩瀬晏弘。WRCのステータスこそ掛かっていなかったものの、1995年には藤本吉郎がセリカGT-Fourで総合優勝も飾っている。

70年代から80年代にかけて、サファリは世界中の自動車メーカーにとって、耐久性をアピールする格好の場だった。最盛期にはケニア、ウガンダ、タンザニアをまたぎ、5000km以上の距離を走行。この過酷なラリーを走り切ることで、世界的なメーカーを相手に“強さ”を証明できたのである。

1960年代サファリ優勝車

1960年代 1960年 メルセデス・ベンツ219 1961年 メルセデス・ベンツ220SE 1962年 フォルクスワーゲン1200 1963年 プジョー404 1964年 フォード・コルティナGT 1965年 ボルボPV544 1966年 プジョー404 1967年 プジョー404 1968年 プジョー404 1969年 フォード・タウナス20M RS

1970年代サファリ優勝車

1970年代 1970年 ダットサン510SSS 1971年 日産240Z 1972年 フォード・エスコートRS1600 1973年☆ 日産240Z 1974年☆ 三菱ランサー 1975年☆ プジョー504 1976年☆ 三菱ランサー 1977年☆ フォード・エスコートRS1800 1978年☆ プジョー504 V6クーペ 1979年☆ ダットサン160J「☆」はWRCステイタス

1980年代サファリ優勝車

1980年代 1980年☆ ダットサン160J 1981年☆ ダットサン・バイオレットGT 1982年☆ 日産バイオレットGT 1983年☆ オペル・アスコナ400 1984年☆ トヨタ・セリカTCT 1985年☆ トヨタ・セリカTCT 1986年☆ トヨタ・セリカTCT 1987年☆ アウディ200クワトロ 1988年☆ ランチア・デルタHFインテグラーレ 1989年☆ ランチア・デルタHFインテグラーレ「☆」はWRCステイタス

また、モンテカルロやRACといった、ヨーロッパのスプリントラリーと異なり、純粋なスピードよりも、悪路を走り切るだけの堅牢性が重要だったため、依然として欧州車との間に技術的な差のあった日本メーカーでも、耐久性を武器に活躍できるという背景もあった。

多くのメーカーが莫大な予算をかけてサファリ勝利を狙ったが、2000年代に入ると、状況は大きく変わる。時代も変わり、クルマは丈夫さを誇る存在ではなくなった。また、ケニア自体の市場規模も小さく、専用装備や莫大な資材が必要なサファリに、予算を注ぎ込む価値がなくなってしまったのだ。

主催者側も走行距離を減らしたり、サービスパークを1ヵ所にするなど、なんとか時代に合わせようと努めた。しかし、スポンサーが離れ、さらにメーカー側からの熱意も消えてしまい、2002年を最後にWRCのカレンダーから外れることになる。アフリカの大地にロマンを求めた古き良き時代は、こうして幕を下ろした。

1990年代サファリ優勝車

1990年代 1990年☆ トヨタ・セリカGT-FOUR 1991年☆ ランチア・デルタHFインテグラーレ16V 1992年☆ トヨタ・セリカターボ4WD 1993年☆ トヨタ・セリカターボ4WD 1994年☆ トヨタ・セリカターボ4WD 1995年 トヨタ・セリカターボ4WD 1996年☆ 三菱ランサーエボリューションIII 1997年☆ スバル・インプレッサWRC 1998年☆ 三菱カリスマGTエボリューションIV 1999年☆ フォード・フォーカスWRC「☆」はWRCステイタス

ラリーに冒険を! サファリ・ラリーの復権

PHOTO:Toyota Gazoo Racing WRTPHOTO: Jaanus Ree/Red Bull Content Pool その後、サファリ・ラリーは、アフリカ選手権の一戦として、またはヒストリックイベントとして開催を続けていく。転機が訪れたのは2009年。かつてコ・ドライバーやプジョーのラリー監督としてサファリを経験したジャン・トッドが、FIA会長に就任した。さらに、サファリを愛した女性トップドライバー、ミシェル・ムートンがFIAの要職に就いたことも後押しになる。彼らは均一化されたWRCの変革を掲げ、「ラリーに冒険を!」とサファリの復活を推し進めた。

そして、2019年、サファリ・ラリーが2020年のWRCカレンダーに復帰することが決まった。新型コロナウイルスの流行により、2020年は中止を余儀なくされたものの、2021年に19年ぶりのWRC開催を実現。最終日までセバスチャン・オジエと勝田貴元が優勝争いを繰り広げ、沿道には何十万もの観客が詰めかけた。復活のサファリは大成功を収めたのである。

2021年、WRCとなったサファリ・ラリーのウィナーはトヨタのセバスチャン・オジエ。勝田勝元は惜しくも2位だった。3位はヒョンデのオット・タナック。 PHOTO::Toyota Gazoo Racing WRTこの時のサファリで自身WRC最上位を得た勝田は、虎視眈々とリベンジを狙っているはずだ。今年のサファリには昨年経験の差を見つけられたチームメイトのオジエ、さらには超ベテランのセバスチャン・ローブ(Mスポーツ・フォード)の参戦も決まっている。今シーズン、勝田は参戦したすべてのラリーを走り切り、ポイントと経験を積み上げてきた。27年ぶりの日本人サファリ・ラリー制覇は、けして夢物語ではなくなっている。

2000年代 2000 年☆ スバル・インプレッサWRC 2001年☆ 三菱ランサーエボリューショ6.5 2002年☆ フォード・フォーカスRS WRC 2003年 三菱ランサーエボリューションVI 2004年 スバル・インプレッサ 2005年 三菱ランサーエボリューションVII 2006年 三菱ランサーエボリューションVI 2007年 スバル・インプレッサN10 2008年 三菱ランサーエボリューションIX 2009年 三菱ランサーエボリューションIX「☆」はWRCステイタス

2010年代 2010年 三菱ランサーエボリューションIX 2011年 三菱ランサーエボリューションIX 2012年 三菱ランサーエボリューションIX 2013年 三菱ランサーエボリューションIX 2014年 三菱ランサーエボリューションIX 2015年 三菱ランサーエボリューションX R4 2016年 三菱ランサーエボリューションX R4 2017年 スバル・インプレッサWRX STi 4 D R4 2018年 三菱ランサーエボリューションX R4 2019年 三菱ランサーエボリューションX R4 2020年代 2020年☆ 中止 2021年☆ トヨタ・ヤリスWRC「☆」はWRCステイタス

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約138万円! 全長4m以下のホンダ「超小型セダン」がカッコいい! MTもある「アメイズ」インドで爆売れ! どんなモデル?
約138万円! 全長4m以下のホンダ「超小型セダン」がカッコいい! MTもある「アメイズ」インドで爆売れ! どんなモデル?
くるまのニュース
キジマから GSX-8S/R用カスタムパーツ5アイテムが発売!
キジマから GSX-8S/R用カスタムパーツ5アイテムが発売!
バイクブロス
圧倒的加速の[GT-R]は価格も別格! そもそもターボの[定義]ってなに?
圧倒的加速の[GT-R]は価格も別格! そもそもターボの[定義]ってなに?
ベストカーWeb
「幻の最終戦」で悪い流れをどう断ち切る? 豪雨から快晴で劇的展開!! KONDOレーシング56号車はもてぎでどう走った?
「幻の最終戦」で悪い流れをどう断ち切る? 豪雨から快晴で劇的展開!! KONDOレーシング56号車はもてぎでどう走った?
ベストカーWeb
ストロール、フォーメーションラップでのコースオフはブレーキトラブル? しかしなぜかグラベルにハマる……クラック代表「予想外のこと」
ストロール、フォーメーションラップでのコースオフはブレーキトラブル? しかしなぜかグラベルにハマる……クラック代表「予想外のこと」
motorsport.com 日本版
高速のカーブが走りやすいのはアウトバーンゆずりの大発明のおかげ! 誰もが知らずに恩恵を受けている「クロソイド曲線」とは
高速のカーブが走りやすいのはアウトバーンゆずりの大発明のおかげ! 誰もが知らずに恩恵を受けている「クロソイド曲線」とは
WEB CARTOP
究極の『インテグラ・タイプS』爆誕か!? アキュラ「HRCプロトタイプ」公開へ…SEMAショー2024
究極の『インテグラ・タイプS』爆誕か!? アキュラ「HRCプロトタイプ」公開へ…SEMAショー2024
レスポンス
モロゾフがフォルクスワーゲンコラボ「Love Beetle」2025年バージョンを発表!食べも飾っても楽しめるバレンタインギフトだ
モロゾフがフォルクスワーゲンコラボ「Love Beetle」2025年バージョンを発表!食べも飾っても楽しめるバレンタインギフトだ
Webモーターマガジン
角田裕毅、序盤3番手走行も赤旗が不利に働き7位「走りには満足。結果に複雑な思いだが、入賞できたことは嬉しい」
角田裕毅、序盤3番手走行も赤旗が不利に働き7位「走りには満足。結果に複雑な思いだが、入賞できたことは嬉しい」
AUTOSPORT web
【MotoGP】ヤマハに復活の兆し? クアルタラロ、電子制御の改善を実感「パフォーマンスはずっと良くなった。良いステップだ」
【MotoGP】ヤマハに復活の兆し? クアルタラロ、電子制御の改善を実感「パフォーマンスはずっと良くなった。良いステップだ」
motorsport.com 日本版
2026年レギュレーション調整で“コンセプト違い”のマシンが生まれる? F1チームは歓迎
2026年レギュレーション調整で“コンセプト違い”のマシンが生まれる? F1チームは歓迎
motorsport.com 日本版
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
くるまのニュース
欧州ではすでに新型が登場! アドベンチャー大型スクーターの大ヒットモデル ホンダ「X-ADV」はどう変わる?
欧州ではすでに新型が登場! アドベンチャー大型スクーターの大ヒットモデル ホンダ「X-ADV」はどう変わる?
VAGUE
コンセプトはGo Ahead! トムスが40系『ヴェルファイア』用「スタイリングパーツセット」を発売
コンセプトはGo Ahead! トムスが40系『ヴェルファイア』用「スタイリングパーツセット」を発売
レスポンス
ハミルトン、低調メルセデスF1での残り3戦はヤケクソ? フェラーリ移籍を前に「今はクリスマスを楽しみにしている」
ハミルトン、低調メルセデスF1での残り3戦はヤケクソ? フェラーリ移籍を前に「今はクリスマスを楽しみにしている」
motorsport.com 日本版
[自動車ディーラー]が運営母体? [神戸マツダ]が整備専門学校を開校へ
[自動車ディーラー]が運営母体? [神戸マツダ]が整備専門学校を開校へ
ベストカーWeb
13年放置のホンダ「ライフ ステップバン」を仲間とともにレストア…現代風にアレンジしたおしゃれなカスタムメニューを紹介します
13年放置のホンダ「ライフ ステップバン」を仲間とともにレストア…現代風にアレンジしたおしゃれなカスタムメニューを紹介します
Auto Messe Web
「カワサキ プラザ横浜戸塚」がリニューアルオープン!楽しいモーターサイクルライフをサポート!  
「カワサキ プラザ横浜戸塚」がリニューアルオープン!楽しいモーターサイクルライフをサポート!  
モーサイ

みんなのコメント

4件
  • トヨタセリカGR.Bは懐かしいな~
    サファリ三連覇!4wdが力をつけてきた時代、
    後輪駆動車での最後の優勝車
    …タミヤのラジコン走らせ楽しみました!
    TA64セリカ…好きな人どの位いるんだろうか。
  • スバルの軽自動車「頑張るぜ。」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133.0277.0万円

中古車を検索
サファリの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133.0277.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村