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ボルボのワゴンはスポーティだ! 新型V60 B5試乗記

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ボルボのワゴンはスポーティだ! 新型V60 B5試乗記

ボルボの量販ステーションワゴン「V60」にマイルドハイブリッド仕様の「B5」が追加された。小川フミオがリポートする。

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ボルボのマイルドハイブリッド「V60 B5」が登場した。ボルボ・カー・ジャパンが2020年10月21日に発売したモデルで、SUVばやりとはいえ、確実に存在するはずの、ステーションワゴン・ファンに歓迎されるはずだ。

そもそもV60は実用性とスタイルとを兼ね備えた、ひとことでいうと”いいかんじ”のモデルである。おとなっぽい選択になりうると思う。SUVにつきまとう威圧的な雰囲気は抑えられている。それより、エレガントさとスポーティさがうまくミックスされて、少し控えめに感じられるのが、このモデルの特徴となっている。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui全長4760mmのボディは伸びやか。これもよい点だ。サイドウィンドウの輪郭であるウィンドウグラフィクスは躍動的で、それにちょっとグラマラスなふくらみをもたされた前後フェンダーが組み合わされていて、スポーティな雰囲気もそれなりに濃い。

今回試乗したのは「V60 B5 R-Design(アールデザイン)」。ボルボが“スポーツエステート”と、呼ぶモデルだ。最大の特徴は、小さな電動モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドにある。出力のちがいで「B4」と「B5」が設定されていて、かつ「R-Design」はスポーティな足まわりを持っている。

Hiromitsu Yasui発進時や変速時などに、エンジンの駆動軸をベルトでまわし、トルクの増し積みをするシステムだ。パワーをおぎなうとともに、燃費向上に寄与、というのが一般的なマイルドハイブリッドの特徴である。こちらも、まさにそのとおり。スムーズな発進など運転しやすさが際立つ。

V60には、現在、プラグ・イン・ハイブリッドモデルと、このマイルドハイブリッドモデルが設定されている。純粋なガソリンエンジンやディーゼルエンジンのモデルはもはや存在しない。ラインナップはEV(マイルドハイブリッドも含まれる)のみにするというボルボ本社の意向を反映したためだ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiスムーズでパワフルな上に燃費も良好

ボルボのマイルドハイブリッド車がよく走ることは、2020年8月に先行販売が始まったXC40シリーズで経験ずみである。基本的にはおなじ1968cc直列4気筒ガソリンターボエンジンでありつつ、145kW(197ps)の「B4」と、よりパワフルな184kW(250ps)の「B5」が設定されているのも、XC40とV60に共通だ。

私はXC40でとりわけB5 R-Designのきびきびした走りに感銘を受けた記憶が強く残っている。パワーがスムーズに出て、ごく低回転域から使いやすく、足まわりはしゃっきりとしていて、高速道路だろうがワインディングロードだろうが、じつに気持ちのよいモデルだった。

Hiromitsu Yasuiそもそも最大トルクの350Nmが1800rpmから発生するエンジンなので、パワー不足はない。そこに出力10kWの電動モーターが40Nmのトルクを積み増す。1760kgと数値ではそう軽くない車体であるものの、アクセラレーターを軽く踏んだだけで、すーっと発進する感覚は、電気自動車に近い。

そのあと、すぐにエンジンにバトンタッチ。エンジンじたい、ターボチャージャーの力を借りて、2500rpmを超えるともりもりと力を出す。まわして楽しい内燃機関ならではの”味”もちゃんと残されているのが、嬉しかったりする。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiV60 B5 R-Designでもまったく同様の印象だった。日本で売られるB5は、スポーティなR-Designと、ぜいたくな内装の「インスクリプション」の2種。前者は、足まわりが硬められ、スプリングもダンパーも専用の強化型。前後ともにアンチロールバーは径が太めのものとなる。

走らせると、ボディの揺れは抑えられていて、フラットライドが身上だ。足まわりは(「B4」」は未体験ですみませんが)やや硬め。それでも突き上げがとりわけ強くなく、ふだん乗っていて、トゥーマッチと感じることはなさそうだ。さきに触れたとおりで、なにより、スムーズな走りでバランスのとれたモデルである。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiモーターは、8段オートマチック変速機のシフトも助けている。エンジンだけの動力のときは、ギアが上に上がる際に、どうしても一瞬、エンジントルクが途切れてしまう。しかし、このボルボは、トルクが途切れる変速の瞬間に、モーターがすかさずクランク軸をまわして、スムーズな加速を維持するのだ。

いっぽう、燃費の面でも貢献がある。ひとつは高速走行などの低負荷時に気筒休止システムが使えるようになったこと。もうひとつは、車両が停止にむかって減速しているとき、早めにエンジンを停止させてしまうシステムの実現だ。いずれの場合も、再加速が必要になれば、まずモーターのトルクで速度をあげられる。これらのシステムはXC40の「B」シリーズとおなじだ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui外観上もR-Designはなかなかシャープな印象である。試乗したクルマはレッドの車体色だったせいもあり、グロスブラック(ツヤあり黒色)に塗装されたグリルや、周囲の加飾が、スポーティな印象を強調していたのが、はっきり記憶に残っている。おとなしいクルマではないのだ、というスポーツエステートの自己主張があって、オーナーはうれしいだろう。

価格は、「B5 R-Design」と「B5 Inscription」ともに624万円と同一。チルトアップ機構付き電動パノラマ・ガラス・サンルーフをはじめ、前後席シートヒーターを含む「クライメートパッケージ」や、スピーカーの構造やアンプのグレードアップがはかれた「Bowers&Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステム」などのオプションも用意される。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

6件
  • ラグジュアリーなインスクリプションと、スポーティーなR-デザインの二種類から好みに応じて選べるのが嬉しい。
    エンジンとモーターの切替でギクシャクしたりパワーが落ちたりがハイブリッドの弱点だと思うが、ボルボはそこをうまくカバーしてるみたいだね。
  • これが素で625万もするならふつう買わんね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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