現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マツダが2桁車名の「CXシリーズ」を大幅拡充! 日本は「60・80」導入へ! SUV強化の狙いとは

ここから本文です

マツダが2桁車名の「CXシリーズ」を大幅拡充! 日本は「60・80」導入へ! SUV強化の狙いとは

掲載 更新 197
マツダが2桁車名の「CXシリーズ」を大幅拡充! 日本は「60・80」導入へ! SUV強化の狙いとは

■日本では「CX-60」と「CX-80」を新規導入へ

 マツダは2022年以降、クロスオーバーSUVを一気に拡大すると2021年10月7日に発表しました。

【画像】新型CX-60のシルエット世界初公開! 新デザインのCX-5が間もなく登場!(23枚)

「CX-50」「CX-60」「CX-70」「CX-80」「CX-90」と、新作のCXシリーズが目白押しです。

 発表によると、CX-50は北米市場を意識したモデルで、トヨタと共同でアラバマ州ハンツビルに建設した新工場での生産に集約します。

 日本国内では、2列シートのCX-60と3列シートのCX-80を、またアメリカ向けではミドルサイズSUVクラス向けとして、ワイドボディの2列シートのCX-70と3列シートのCX-90を導入します。

 一方で既存の「CX-5」については、「今後も継続的な商品改良を続ける」としてモデル存続が確定しました。

 多くの自動車メディアは「CX-5を生産中止してCX-50としてモデル刷新する」と予想していましたが、マツダの新しい商品戦略はそれを覆す、大胆なCXシリーズ拡大シフトだといえます。

 マツダの商品戦略を整理すると、2019年以降に導入したマルチソル―ションアーキテクシャーと呼ぶ骨格では、FF(前輪駆動車)の中小型車を「スモール商品群」とし、2022年以降に市場導入が始まるFR(後輪駆動車)の中型車以上を「ラージ商品群」として位置付けています。

 今回の発表では、CX-50をスモール商品群としており、CX-30の基本骨格を継承して、北米市場で拡大傾向が続くコンパクトSUVのモデル拡充することがわかります。

 また、製造拠点をアメリカとすることで、日本からの輸出コストの低減と販売店に対する納期短縮を実現する狙いがあると思われます。

 一方で、日本市場では、トヨタが「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「RAV4」「ハリアー」「C-HR」「カローラクロス」「ヤリスクロス」「ライズ」といったSUVフルラインナップ体制を強化。

 また今後は、日産「エクストレイル e-POWER」と三菱「アウトランダーPHEV」の登場により、SUVやクロスオーバー市場は激戦の様相を呈してきます。

 そうしたなかでマツダとしては、2019年以前に商品設定した「CX-3」「CX-5」「CX-8」の商品改良を進めながら、国内ではCX-60とCX-80を導入するというフルラインナップ戦略に出ることになったのです。

 さらに、EVとロータリーエンジンを発電機として使うマルチ電動化技術を搭載したモデルでは「MX-30」が継続します。

 とはいえ、モデル名称の「CXひと桁」と「CXふた桁」が混在することが、ユーザーにとって商品の差別化がわかりづらい印象も否めません。

 そのため、マツダは販売店を通じて、ユーザーに対して丁寧に商品説明をする必要があると感じます。

■なぜここまで一気にCXシリーズを強化するのか?

 CXシリーズ大幅拡大の理由については、前述したように、マツダが事業拡大を狙う北米市場での対応、さらに日本を含めて中国や欧州でもセダンからのSUVシフトが顕著になっているなかで、それぞれの市場要望にベストマッチするモデルを仕立てる必要があるからです。

 これは、ボディサイズやボディデザインのみならず、当然ながらパワートレインについても必然です。

 欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)が事実上、「2035年までに欧州域内で新車100%をEVまたはFCV化」を決めており、欧州ではメルセデス・ベンツを筆頭に急激なEVシフトが始まっています。

 また、中国やアメリカ、そして日本でも、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を含めた電動化に向けた政策が本格的に動き出している段階です。

 そうした状況のなか、マツダの丸本明社長は決算報告などの場面において、「電動化については、国や地域の社会情勢や社会状況に応じて適宜対応する」という基本姿勢を貫いてきました。

 そのためパワートレインは、スモール商品群でガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」、ディーゼルエンジンの「SKYACITV-D」、マツダ独自技術の次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」、さらにマイルドハイブリッドの「e-SKYACTIV G」を横置きFFとして設定。

 また、ラージ商品群では、欧州では直列4気筒のプラグインハイブリッド車のほか、SKYACTIV-XとSKYACITV-Dを直接6気筒化して48Vマイルドハイブリッドとすることで、欧州の電動化シフトに向けた第一弾として対応します。

 アメリカでは、直列6気筒ターボとプラグインハイブリッド車、そして日本では直列6気筒のSKYACTIV-Dの48Vマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッド車を設定します。

 まさに、丸本社長がいうように「適材適所」でのモデルとエンジンの組み合わせです。

 とくにエンジンについては、マツダと同程度の販売台数や売上げがあるほかのメーカーと比べると、新規設定のエンジンの種類がかなり多い印象があります。

 SKYACITVの生みの親で、現在はシニアイノベーションフェローの人見光夫氏もそうした認識があり、そのうえでマツダが提唱してきたMBD(モデルベース開発)が多様な車種とエンジン・モーター開発に必要不可欠であるとの考えを示しています。

 そもそも、マツダは限られた生産設備のなかで多様なモデルを作り分けるモデルの混流を、製造ラインでのさまざまな“からくり”を用いて実現してきた実績があります。

 一方で、バブル期には多チャンネル化での多ブランド・多モデル化を推し進めたことが、後にマツダ地獄とも称されるリセールバリュー(下取り価格)の低下を引き起こしました。

 今回発表された、CXシリーズの大幅拡大は、過去の経験を踏またうえで、マツダがいま直面している“100年に一度の自動車大変革期”を生き抜くためのベストソリューションなのだと思います。

 そのうえで繰り返しますが、マツダとマツダ販売店は、国内でのCXシリーズ新転換についてユーザー対して丁寧な説明が必要だと感じます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
くるまのニュース
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
ベストカーWeb
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
くるくら
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
LE VOLANT CARSMEET WEB
スーパーカーのようなデザインのボート「Raptor」、日本初上陸…ジャパンインターナショナルボートショー2025
スーパーカーのようなデザインのボート「Raptor」、日本初上陸…ジャパンインターナショナルボートショー2025
レスポンス

みんなのコメント

197件
  • 何れにせよトヨタに助けてもらわなきゃ存続出来ない超三流メーカーってとこか
  • 大きいか小さいかの違いだけで、
    全て同じデザインのマツダ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281 . 1万円 422 . 5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42 . 8万円 416 . 4万円

中古車を検索
マツダ CX-5の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

281 . 1万円 422 . 5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

42 . 8万円 416 . 4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村