■マツダ2にマイチェンで上質感アップ! 実燃費は?
マツダの乗用車でもっとも小さいモデルの「マツダ2」は、もともとは「デミオ」として販売されていたモデルであり、2019年7月のマイナーチェンジのタイミングで車名が変更されました。
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マツダ2というネーミングは、海外では2代目デミオから使用されており、日本仕様がグローバルな名前になったというほうが正しいかもしれません。なお、初代デミオは海外では「マツダ121」と呼ばれていました。
マツダ2は、マツダのブランド価値の向上を目指すことから改名するとともに、Gベクタリングコントロールプラスを標準装備。さらに、アダプティブクルーズコントロールを全車速追従式に変更したりと、よりプレミアムな雰囲気を持ったコンパクトカーに進化しています。
燃費に直接関わる部分はとくに改良はないとのことでしたが、果たしてどのくらいの燃費性能を持ち合わせているのでしょうか。
燃費テストで使用したマツダ2は、「SKYACTIV-D」という1.5リッターディーゼル直噴ターボエンジンを搭載し、充実装備にスポーティな雰囲気も併せ持つ「XD プロアクティブ Sパッケージ」の2WD(前輪駆動)、6速ATモデルです。
WLTCモード燃費は21.8km/L、市街地モードが17.6km/L、郊外モードが21.9km/L、高速道路モードが24.2km/Lとなっています。
また、今回の車両には、カタログ燃費には影響はありませんが、オプションの16インチホイール&タイヤが装着されており(純正は15インチ)その影響があるのかも気になるところです。
燃費テストは、神奈川県横浜市をスタート地点とし、保土ヶ谷バイパスを経由して東名高速道路に入り、小田原厚木道路の小田原西インターまでの高速道路区間。
そこからターンパイクを上り、大観山スカイラウンジを経由し、箱根新道を通って西湘バイパスまで下るワインディング区間、そして、国道134号線から国道1号線に入り、再び横浜市へ戻る一般道区間を経由し、約170kmの道のりを走破しています。
その結果は、170.7kmの走行で燃費は24.86km/Lという数値になりました(車両の燃費計の数値から計算)。
カタログ上での燃費数値はWLTCモード燃費で21.8km/Lとなっていますから、WLTCモード燃費を大きく超える結果となりました。
なお、ドライブセレクションはノーマル、エアコンは25度設定のフルオート、クルーズコントロールは未使用としています。
●高速道
走行距離:63.9km
実燃費:33.0km/L
横浜市内を出発し、横浜新道から保土ヶ谷バイパスを経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通る今回のルートでは、平日の日中に走行テストをおこなったため、基本的には働くクルマが多い状況でしたが、目立った渋滞はありませんでした。
途中の工事区間では50km/h制限となりましたが、ほぼ一定速度で走破できました。
250Nmという、このクラスではトップクラスのトルクを1500回転から2500回転の低回転で発生するディーゼルエンジンだけに、低速巡行はお手のもの。
80km/h巡行では1500回転以下というギア比も手伝って、燃費は33.0km/Lとハイブリッド車顔負けの数値となりました。
■ディーゼルならではのパワフルな走りを堪能できる
●ワインディング路
走行距離:41.9km
実燃費:20.0km/L
ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースは、どうしても燃費の面で不利になりがちな状況です。
しかし、ここでもディーゼルエンジンの豊かなトルクは有効で、アクセルをそこまで踏み込むことなくスルスルと急坂を登ってくれました。
続く下りでは、MTモードを使ってエンジンブレーキを併用しながら走行したのですが、シフトダウン時にギアが入っていない時間が思いのほか長く、空走感があったのは一世代前のモデルの辛いところかもしれません。
とはいえ、燃費は41.9km走行で20.0km/Lと、良好な結果となりました。
●一般道
走行距離:64.9km
実燃費:22.9km/L
一般道は、国道134号から国道1号を経由して横浜市内まで走行します。ほとんど渋滞はありませんでしたが、信号が多く、トラックの走行も多いルートのため、平均速度は低く、ストップ&ゴーもそれなりにあるシチュエーションです。
このルートでは、64.9kmを走行して22.9km/Lと、ワインディング路よりも良い数値をマーク。ここでも回転を上げなくても十分なトルクと、アイドリングストップが効果を発揮したのかもしれません。
振動面で不利なディーゼルエンジンではありますが、再始動のときの振動もそこまで気になるレベルではありませんでした。
※ ※ ※
マイナーチェンジでマツダ2に車名が変更されましたが、前身となるデミオは2014年に登場。現行マツダ車のなかではベテランの部類に入ります。
それでも燃費性能は、後発のコンパクトカーと比較しても、そん色ないレベルかそれ以上だといえます。
使用燃料が軽油ということもあって、専用オイルなどディーゼルエンジンならではの出費もありますが、日々のランニングコストはかなり低いといえるでしょう。
また、マイナーチェンジでGVCプラスなども備わり、静粛性も大幅にアップしたことで走りの質感もクルマとしての仕上がりもレベルアップした印象です。
最新モデルと比較すると小さいままのナビモニターや、電動パーキングブレーキが備わらない点など、少々古さを感じる部分もありますが、クルマの完成度としては、熟成が進んだといえる仕上がりでした。
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