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日本の自動車産業が生み出した大傑作! プリウスに乗るなら新型か初代に乗るべし! 【おっさんはこれに乗れ!】

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日本の自動車産業が生み出した大傑作! プリウスに乗るなら新型か初代に乗るべし! 【おっさんはこれに乗れ!】

 「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」

 いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!

日本の自動車産業が生み出した大傑作! プリウスに乗るなら新型か初代に乗るべし! 【おっさんはこれに乗れ!】

文/清水草一
写真/トヨタ、フォッケウルフ

■日本が生み出した大傑作はどのモデルを選ぶべき?

 新型プリウスが話題になっている。そのフォルムは実に鮮烈。私はこれまでフェラーリ13台、カウンタックを2台乗り継いでいるが、その私をして「まるでスーパーカーだ!」と言わしめた。かつてスーパーカーにあこがれたおっさんなら、気にならないはずはない。

2023年1月に発売された新型プリウスは「モノフォルムシルエット」が採用され、低重心さとスタイリッシュさが強調された

 がしかし、人気爆発+半導体不足により、新型プリウスの納期は恐ろしく長くなっている。

 2.0Lハイブリッドモデルに関しては、納車は2024年の5月以降とアナウンスされた。1.8Lハイブリッドなら今年8月以降と比較的短いが、おっさんとしては、いまさら1.8Lハイブリッドを買う気にはなれない。どうせならソーラーパネル付きのPHEVを! と考えているご同輩も多いはずだが、そっちは「納期2年」という噂もある。そんなに待っていたら死んじゃうかもしれない。これは由々しき問題だ。

 思えばプリウスは、世界初の量産ハイブリッドカー。日本の自動車産業が生み出した大傑作である。そういう視点に立てば、あえて新型でなくてもいいのかもしれない。むしろ古いプリウスのほうが歴史的な意義は深い。とにもかくにも、日本のカーマニアとして、死ぬまでに一度はプリウスを手に入れるべきだ!

 ではおっさんは、どの代のプリウスを選ぶべきか。今回はそれを考察してみたい。

■初代プリウス(1997年~2003年)

「21世紀に間に合いました」というコピーとともに1997年に発売された初代プリウス。初代のみトランクを備えたセダンタイプであった

 言わずと知れた元祖プリウス。自動車史に輝く金字塔である。初代は大きくわけて前期型と後期型(2000年5月のマイチェン以降)がある。世界初の挑戦ゆえに、前期型はハイブリッドバッテリー(ニッケル水素電池)系のトラブルが多発し、ベストカー編集部の社用車など、2回も無償交換を受けたほどだ。

 また、フットブレーキと回生ブレーキの協調制御が未熟だったため、初代前期特有の「カックンブレーキ」も目立ったが、なかには「そこが初代前期ならではの味わいサ!」とのたまうカーマニアもいる。私もそのひとりである。

 後期型は、ハイブリッドバッテリーの耐久性やカックンブレーキが改善されたが、相変わらずアクセル全開時の遅さはかなりのもので、「あんなクルマに乗れるか!」と馬鹿にされたりもした。真剣な話、当時の一部カーマニアたちは、「燃費がよくて何が面白い!」「のろのろ発進しやがって、イライラするぜ!」など、初代プリウスを毛嫌いしていた。

 が、実はディープなカーマニアほど、初代プリウスの凄さや、独特のドライビングプレジャーに感銘を受けていた。個人的には、初代後期を中古で購入し、エンジンとモーターが織り成す男女関係のような奥深さに大いにハマッたものである。

 初代プリウスによる燃費アタックのヨロコビに一度目覚めたら、普通のガソリン車など単純すぎて面白味を感じなくなる。初代はエンジンとモーターの制御がまだ粗く、いま何をやっているのか体感しやすかったこともあり、アクセル操作でその関係性を微妙にコントロールすることが、マニアにはたまらないヨロコビになった。

 デザインは、スーパーカールックの新型とは似ても似つかない「カメ」。究極の草食系だったが、その大人しすぎるデザインがまた、年を経るごとに味わい深くなっていった。

 今や初代プリウスはネオクラシックカーの範疇であり、カーマニア的な価値は非常に高い。いまあえて初代プリウスに乗るおっさんは、カーマニアの超エリートである。新型プリウスなんかよりも、おっさんは初代プリウスに乗れ!

 とは言うものの、初代プリウスの中古車は、ほぼ絶滅寸前だ。執筆時点の流通台数は、全国でたったの2台。相場は約100万円と手頃だが、年式を考えるとかなり割高だ。

 なにしろ初代は、バッテリーの耐久性が足りなかった。前期型はもちろんのこと、後期型でも10万km前後が限界。私の初代プリウスも、ちょうど10万kmでバッテリーが超怪しくなり、ギリギリ動く状態で、なんとか業者さんに引き取ってもらいました。

 というわけで、いま初代を購入するのは結構ハードルが高いが、ごくたまにお宝が流通している。執筆時点では、2001年式(後期型)走行1.8万kmという珠玉の個体が、車両本体110万円で売られていた。うおおおお~! たとえ走行距離が少なくても、22年落ちだけにリスクはある。しかし勇気あるおっさんは、掘り出し物の初代プリウスに突撃すべきである!

■2代目(2003年~2011年)&3代目プリウス(2009年~2015年)

初代モデル登場の6年後となる2003年にフルモデルチェンジ。2代目モデルはシンプルでスッキリとしたデザインを採用

2代目の成功を受けて、2009年に登場した3代目。世界トップ燃費となった3代目モデルは日本一売れるクルマとなった

 初代は歴史的傑作ながら、やや割高だったこともあり、大ヒットには至らなかった。プリウスが超絶大ヒットし、日本中にワンサカ溢れるようになったのは、この2代目、そして3代目だ。

 が、残念ながら、カーマニア的にはどちらもオススメできない。

 2代目と3代目のプリウスは、初代に比べると、足まわりがどうにもチープだった。初代はシトロエンのようなフンワリした高級な味わいがあったが、2代目・3代目はコストダウンの影響で、サスペンションがストロークせず、ドシンバタンした。重心高も上がり、高速道路でも不安定だった。ハイブリッドユニットは地道に進化したが、エンジンとモーターの制御が滑らかになったぶん、微妙な切り替えを体感することは難しくなり、マニアックなヨロコビは減少した。

 いまおっさんが2代目や3代目のプリウスに乗ったところで、乗り味はチープだし、周囲からは、ただの地味なおっさんにしか見えないだろう。それもひとつの生きる道ではあるが……。

■4代目プリウス(2015年~2023年)

2015年12月に登場した4代目プリウス。エモーショナルなスタイルが採用され、シリーズ初の4WD仕様となる「E-Four」が設定された

 TNGAの採用により、シャシー性能は見違えるように向上したが、例の「歌舞伎顔」が大不評で、販売は全世界で失速。マイチェンで整形したが、デザインの純度が下がっただけだった。

 シャシー性能もパワートレーンの実力も、マニア的には大いに認めるが、いかんせん、あの顔に乗りたいか? と問われれば、「あんまり乗りたくありません」と答えるしかない。

◆       ◆      ◆

 というわけで、おっさんがプリウスに乗るなら、初代か新型しかないという結論になった。初代はほとんど流通しておらず、新型は納車待ちが1年半かそれ以上。どっちも非常にハードルが高い。

 ならば、新型を注文しつつ、納車待ちの期間、初代に乗って過ごすのはどうだろう? これこそ、プリウスの誕生から現在までを味わい尽くす超魅力的なプランだ。おっさんは新型プリウスを注文した上で、初代プリウスの中古車に乗れ! 残り台数わずかにつき、お急ぎくださいませ。

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みんなのコメント

26件
  • 初代とはどんな神経してんだ?
    25年も前のセダン、バッテリーは死んでるのに相場は100万円?
    誰が買うの?
    ライターはアホだ。
  • 実は日本が誇る「ミアータ」だろうが「セルシオ」だろうが「GT-R」だろうが「インプ」だろうが「ランエボ」だろうが、「Z」だろうが「シビック」だろうが…

    どんな車であっても『"化石燃料による内燃機関"を用いた自動車』と言う括りにおいて、「T型フォード」以来連綿と続く量産車であることに変わりは無い。

    そんな中にあって、『エンジンとモーター』と言う駆動方法を用いた自動車を、プロトタイプや高級車に採用するのではなく、庶民と言える層でも購入できる価格にし量産化してみせた「プリウス」は、ここにあげられたどの車よりもエポックメイキングであり、しかも普通はこの車種のみとなるところ、『ハイブリッド』と言うシステムを自社の別の車に搭載しシリーズ展開したばかりか、その出来が登場時点からずば抜けており、未だライバル他社に一歩先んじ、超えるものが現れないという点で、その存在意義をもって国宝レベルと言っても過言ではない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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