■コンパクトSUVは基本、電動車だった?
2020年に大躍進したジャンルといえば「コンパクトSUV」ではないでしょうか。
そして、2020年に登場したコンパクトSUVに共通するキーワードは「電動化」といっていいでしょう。
コンパクトSUVがブレイクする兆しは、2019年から見えました。同年11月にトヨタがコンパクトSUVの新型車「ライズ」を発売。
発売から1か月で約3万2000台を受注するなど鋭いスタートダッシュを決め、2020年上半期には5万8492台を販売し、同期間でもっとも売れた乗用車(軽自動車を除く)となったのです。
2020年は1月と2月、そして6月に月間の登録車販売ランキングで1位に輝きました。
SUVがここまで売れたのは新時代の到来を感じさせるとともに、日本の新車販売に残る出来事です。
そんなライズの人気は市場の盛り上がりを実感させるとともに、コンパクトSUVがジャンルとして大ブレイクする予兆だったといえるでしょう。
ライズの魅力は、4mを割り込む短い全長で5ナンバーのコンパクトなサイズながら広い後席スペースと荷室を備えるなど実用性が高く、あわせて低価格も実現したことです。
ハイブリッド車を用意するなどの先進性はありませんが、ツボを押さえたクルマ作りが高く評価されたと考えれば人気の秘密が理解できます。
2020年後半になると、コンパクトSUV市場はますます広がりました。
先陣を切ったのは6月24日に発表し同30日から発売された日産「キックス」。全長4290mmとコンパクトに設計されたニューカマーです。
キックスにはふたつの大きなポイントがあります。ひとつは絶妙なパッケージング。
後席スペースはクラス最大級で居住性が高く、加えて荷室もクラス最大の広さで実用性に優れています。「使い勝手がいい」といい換えていいでしょう。
もうひとつはパワートレインで、全車がハイブリッドなのです。
日産が「e-POWER」と呼ぶハイブリッドシステムは、エンジンは発電に徹し、駆動力はすべてモーターで生み出すのがポイント。
モーターを組み合わせないガソリンエンジンだけの仕様(ガソリン車)がないことでボトム価格は275万9900円からとコンパクトSUVとしては高めの値付けとなりましたが、そこを顧みず電動化に舵を切った日産の思い切った選択が印象的です。
続いて、8月31日から発売された新規モデルがトヨタ「ヤリスクロス」。
コンパクトハッチバックの「ヤリス」と基本設計を共用しつつ、専用ボディを用いてSUVに仕立てたモデルです。
このヤリスクロスは、ガソリンエンジンも設定されているものの中心となるパワートレインはハイブリッド。1.5リッターの3気筒エンジンにモーターを組み合わせています。
興味深いのは、ハッチバックの「ヤリス」との棲み分け。コンパクトボディで最小限の室内スペースとした単身者向けコミューターのヤリスに対し、ヤリスクロスは後席も荷室も広くファミリーでも安心の広さを確保。
上手に立ち位置をわけて、“ヤリスファミリー”として盤石の体制を築き上げてきたことが理解できます。
また、上質装備も自慢。上級グレードには電動テールゲートや電動調整式シートを用意しますが、それらはこのクラスでは従来、アウディ「Q2」などプレミアムブランドのモデルにしか採用のないものでした。
さらに、悪路走破性も注目です。ヤリスクロスはコンパクトクラスのトヨタ車で初めて4WDの制御を悪路用に切り替えできる機構を搭載。
実際に悪路を模した路面を走ってみたころ、一部のタイヤが接地できず通常ならスタックする状況でも、電子制御のフォローを受けて前へ進むことができました。
一般ユーザーにとっては、雪道での立往生を防げる心強さとなることでしょう。
■コンパクトSUVの電動化を象徴する2台とは?
2020年を代表するコンパクトSUVとして外せないのが、マツダ「MX-30」。
こちらも新規モデルで、観音式のドアを組み込んだ個性派です。実は、これも電動車です。
全車とも2リッター自然吸気ガソリンエンジンに、出力の小さなモーターを組み込んだマイルドハイブリッドです。
そしていよいよ2021年1月には、EVモデルが加わる予定。さらにその先(2022年度を見込む)はロータリーエンジンを積んだハイブリッドが待っています。
そのハイブリッドは、バッテリー積載量とのバランスで“レンジエクステンダー”“ハイブリッド”、そして“PHEV”とさまざまなバリエーションが作られるという情報もあるので楽しみです。
新規モデルではなくマイナーチェンジですが、12月4日に発売された「エクリプスクロス」も電動化の道を歩み始めました
マイナーチェンジで車体サイズが140mm伸びたことで全長4.5mを超えますがポジション的にはコンパクトSUVで、PHEVが追加されたのです。
このクラス唯一のPHEVモデルとして貴重なモデルで、驚きはハンドリング。
三菱の培ってきた4WD技術による味付けにより、峠道でも思い通りにグイグイ曲がっていくドライビングプレジャーが魅力です。
今回のマイナーチェンジでは電動車のPHEVが追加されるかわりに、従来あったディーゼルエンジンモデルが姿を消しました。
そんなところにも、クルマ社会を取り巻く電動化の流れが反映されていることを感じないわけにはいきません。
ニューフェイスが続々登場すると同時に、電動化の流れを実感した2020年のコンパクトSUV事情。
2021年はホンダ「ヴェゼル」のフルモデルチェンジが予想されているほか、前述のMX-30のEVモデルも登場予定。
海外で販売されているカローラのSUVである「カローラクロス」が国内に導入されるという噂もあるので、目が離せません。
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みんなのコメント
誤解を生む変な記事だな
年寄りに、次はこれを、進めているそうで。
値段は納得だが、
いい加減に、しとけよと思ってる。
この流れが、理解できん。
これが年寄り乗ったら
走る凶器じゃないのか?