新型ミニバン「シエンタ」話題
先日、新型となる3代目モデルが発表・発売となったトヨタ・シエンタ。
【画像】デザイン刷新、新型シエンタ【ホンダ・フリードと比較】 全116枚
車名の由来がスペイン語で「7」を表す「Siete(シエテ)」と、英語で「楽しませる」という意味を持つ「entertain(エンターテイン)」を組み合わせたものというところからも分かるように、7人乗りの3列シートを備えたコンパクトミニバンとなっている(ただし2代目からは5人乗り仕様も設定)。
ボディサイズは初代モデルから一貫して5ナンバーサイズをキープしており、新型も先代比で全高がわずか20mmアップしただけ。
エクステリアデザインこそ世代ごとに流行を採り入れたものとなっていてそこまで大きな共通点はないものの、両側にスライドドアを備えた利便性の高さも相まって人気の1台なのだ。
その証拠にモデル末期である先代モデルであっても、2022年の1月から6月までの間の販売台数はランキングの11位につけており、もう少しでトップ10入りというほど売れているのである。
しかし5人乗り仕様を購入して、アウトドアレジャーなどに活用するのならまだしも、どうせ3列シート車を買うのなら、なにも小さなシエンタを買わなくても「ほぼ」5ナンバーサイズに収まっているノアやヴォクシーを買えばいいじゃないか、と思う人もおられるのではないだろうか。
なぜ「シエンタ」選ばれる?
たしかに先代のシエンタはハイブリッドモデルの上級グレードであっても車両本体価格は250万円台とリーズナブルになっており、買いやすい価格となっていた。
しかし、フルモデルチェンジを果たした新型ではハイブリッドモデルの最上級グレードは300万円に迫る価格となっており(4WDモデルは300万円を超えている)、現行型ノアのハイブリッドモデルのエントリーグレードと大差ない価格帯となってしまっているのだ。
アルファードほど車格も車両価格も離れている車両であるならいざ知らず、今では残価設定ローンなども存在するため、月々の支払いに落とし込んでしまえばわずかの差で上級車種に手が届く価格帯であるにもかかわらず、シエンタは指名買いが多い車種となっている。
日本人の多くは「大は小を兼ねる」という言葉が大好きで、せっかくだからちょっと大きなものを選びがちであるが、クルマに関してはこの言葉は通用しないというのだろうか。
実のところ、シエンタを選んでいるユーザーの多くは、どうしても3列シートのミニバンが欲しいというワケではなく、それまで軽自動車やコンパクトカーを乗ってきたファミリーユーザーが子どもができたことでその車両が手狭になったことでシエンタに乗り換えるというケースが非常に多いのだという。
「3列目」は重要ではない?
そんなユーザーに刺さったのが、コンパクトカーと同じ感覚で運転することができる小さなボディサイズと、いざという時にプラス2名を合法的に載せることができる3列シートというワケだったのだ。
よくよくカタログを見てみると、3列目シートの紹介はなされているものの、他のミニバンのように3列すべての座席に人が座って笑顔でドライブしている、というような定番のカットは用意されておらず、暗にエマージェンシー用シートであることを物語っている。
それにシエンタの3列目シートを格納するためには一旦セカンドシートを前に回転させ、そこにできたスペースに3列目シートをダイブダウンさせるというもので、ひんぱんに出し入れする用途には不向きとなっているのだが、そもそもエマージェンシー用のシートという位置づけであるために誰も不満を覚えることがないのである。
つまり、シエンタを選ぶユーザーは、それまで乗ってきた軽自動車やコンパクトカーと大差ないサイズ感でありながら、いざという時に2人が座れる3列目シートや、3列目シートを格納したときに生まれる広い荷室スペースを魅力的に感じて購入しているということになり、そういったユーザーからしてみればシエンタも十分に「大は小を兼ねる」クルマとなっているといえるのだ。
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みんなのコメント
誰のため?お父さんお母さんが普段使いにストレスにならないジャストサイズ。
アルファードでスーパー買い出し、幼稚園送り迎えは大変そうです。
間違いのない選択。