2021年10月に2代目へとフルモデルチェンジをしたレクサスのSUV「NX」が、いま売れている。2023年3月は6,800台、4月は3,700台も登録(国内)されており、これは、あのミニバン王者「アルファード」(3月:6,808 台、4月:4,073台)とほぼ同等。車両価格は482万円~738万円という高めの価格帯にも関わらず、NXがこれほどに人気があるのはなぜなのか。レクサス「NX」の特徴と人気の理由を探ってみよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:LEXUS
ミドルクラス最強!! レクサス製SUVの雄「NX」の魅力と実力
日本でも扱いやすいサイズ感と高級SUVを両立させた「NX」
初代NXは2014年に登場した。「レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUV」として開発されたNXは、都会でも扱いやすいボディサイズとSUVらしい力強さが魅力のモデルで、のちに「UX」が登場したため、レクサス最小のコンパクトSUVではなくなったが、日本のような狭い道路や駐車場でも扱いやすい高級SUVという個性が、外国車に流れていた高級車志向のユーザーに、大いに受け入れられた。
もちろんボディサイズだけでなく、レクサス初となる新開発の2.0L直4ガソリンターボエンジンや、NAVI・AI-AVSといった最新インフォテイメントシステム、パフォーマンスダンパー(Fスポーツに採用)、メタリックの質感を前面に押し出したダイナミックなインテリアデザイン、レクサス初の左右確認サポート付パノラミックビューモニターなど、数多くのトピックも、NXの人気を押し上げていた。
2014年に登場した初代NX。レクサス初のコンパクトクロスオーバーというコンセプトだった
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現行NXは、とにかく装備のデジタル化が進んだ!!
そして2021年10月、現行である2代目が登場する。現行NXは、初代NXのいいところを伸ばしながら、デザインや先進技術を全面刷新。ボディサイズは、全長4660mm×全幅1865mm×全高1660mmと(数字上は先代よりも多少大きくなったが)ほぼ先代を維持した。同じプラットフォームを採用するハリアーより80mmも全長が短いものの、キャビンスペースはたっぷりとした厚みや塊感が感じられるちょうどよいバランスだ。全体のフォルムは、シャープなキャラクターラインと大きな曲面を巧みに融合し、シンプルでありながら存在感と見応えを感じさせるものへと進化した。
リアハッチドアに配置されていた「L」エンブレムを廃し、新たに「LEXUS」のイニシャルに切り替えられている点も「次世代」を感じさせるし、新しいインフォテインメントシステムの採用や、物理的なドアハンドルではなく電磁ボタンを押してロックを解除する「eラッチ」の搭載、スマホ連携アプリによるデジタルキーの採用など、とにかく装備のデジタル化が進んだのが、現行NXの特徴だ。
NXの「eラッチ」システム。物理的にドアノブを引く動作ではなく電磁ボタン式で、室内側からもボタン操作となる
次世代に対応しつつも「レクサスらしさ」もしっかり
走りも「次世代」だ。現行NXは、レクサス初となるプラグインハイブリッド車(PHEV)を設定するなど電動化にも対応させつつ、GA-Kプラットフォームを完全刷新してさらに低重心化したパッケージに。そのうえで、レクサスが追求するリニアなステアリングフィールを追求するため、あらゆる走行シーンで減速、操舵、加速をシームレスに繋がるよう、駆動力を緻密にコントロールするテクノロジーに注力。その結果、タイヤの接地感が増して安心感が高まり、さらに気持ちのよい走行が可能となった。
基本性能や走行性能の高さは、街乗りや渋滞などアベレージスピードの低い領域で感じられてこそプレミアムカーといえるが、NXはこのあたりも抜かりない。ショックアブソーバーの摺動部を改良することで、一般道に多い微妙な凹凸のある道でクルマが揺れないよう、微低速の減衰力を確保したり、バリアブルラックギア(ハンドル切れ角によってギア比が変化)を採用した新開発のステアリングシステムによって、クイックなレスポンスと低速域での取り回し性を両立させるなど、身近なシーンでも良さを実感できるよう、改良されている。
ラインアップの中心は、2.5L 直4直噴アトキンソンサイクル+モーターのPHEVとHEVで、もっとも売れ筋となるのはHEVモデルの「NX350h」だ。このNX350hのエンジン最高出力は140kW(190PS)/6,000rpm、最大トルクは243Nm(24.8kgm)/4,300-4,500rpm、フロントモーターの最高出力は134kW(182PS)、最大トルクは270Nm(27.5kgm)、E-Fourのリアモーターの最高出力は40kW(54PS)、最大トルクは121Nm(12.3kgm)だという。
ほかにも、エンジン走行と電動走行を上手に切り替える「先読みエコドライブ」や、G-Link機能の拡充やスマホアプリ「My LEXUS」の提供など、説明書をよく読まないと使い切れないほどの先進技術が満載されている。
現行型NXのインテリア。人間中心の思想を進化させたコックピットデザイン「Tazuna Concept」に基づいている
◆ ◆ ◆
もはや、ボディサイズでクルマのステータスを語る時代ではない。走りの質感や安全性に関する意識、環境への配慮など、本質的な価値を求めることがプレミアムカーの存在意義になりつつある。
その点、2代目NXはミドルクラスのクロスオーバーSUVという、日本人にとって丁度よいパッケージングの魅力を最大限に受け継ぎつつ、新世代のレクサスの魅力である「走行性能」「デザイン」「デジタルインフォテイメント」を提供した、日本人に最も向いたモデルとなった。高価格帯ながら、これだけの販売数があるのは、こうした魅力が受け入れられているからに違いない。今後の活躍も楽しみだ。
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