2016年に発売されたXC90以降のボルボ・デザインが好きだ。
それ以前のものが別にキライというわけではないけれど、トーマス・インゲンラートがチーフデザイナーに着任してからのデザインはどれもクリーンなのに味わい深く、スカンジナビアン・デザインとボルボ・デザインの世界が見事に表現されているように思う。
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特に気に入っているのが、そのインテリア。現代的な造形のなかに天然由来の素材が巧みに融合されていて、デザインとしても素材感としても申し分ない。とりわけ明るい色調のインテリアであれば、乗っているだけで幸せな気分になってくる。ライバルの同等モデルと比較しても、このインテリアだけでボルボを選びたくなってしまうくらい、そのデザインは魅力的だ。
いっぽうで、最新ボルボには個人的にあまり好みでない部分もある。
XC90以降の90シリーズと60シリーズにはいずれもSPA(Scalable Product Architecture)と呼ばれるプラットフォームを採用する。以前のボルボに比べると足まわりはいずれもスポーティなセッティングに改められているのだけれど、そのちょっと硬めなサスペンションが路面から強い衝撃を受けると、まるで硬質な金属板をハンマーで殴ったかのような高い周波数の微振動がボディ全体に伝わる傾向があり、これが気になって仕方なかったのだ。
いやいや、そんなに目くじらを立てるほど激しい振動でもなければ、その振動が長く続くわけでもない。ただ、自分のちょっと苦手なものが繰り返し表れると必要以上に敏感に意識されることがあるが、私にとってはこの細かな振動がまさにそれ。
だから、同業者のなかにも「まったくそんなのは気にならない」という声も少なくなかったし、「細かいことにこだわっているのは自分ひとりではないか?」との思いがなきにしもあらずだったが、不快に思えたのは事実だったので、試乗記を執筆するたびにこのことには軽く触れてきた。
そんな、私にとって唯一ともいえる最新ボルボの弱点が、XC60のディーゼル・モデルではすっかり消えていたので、ここで報告しておきたい。なお、試乗モデルはXC60 D4 AWD インスクリプション、試乗コースは湯河原から箱根にいたる一般公道である。
ネガの消え去ったディーゼルモデル
日本市場に導入された新世代ボルボとして初めてディーゼル・エンジンを搭載したXC60 D4は、まずエンジンが格段に洗練されたように思われた。これまでもボルボのディーゼルエンジンはレスポンスが鋭く、パワフルなことで定評あったが、アイドリング時のノイズとバイブレーションが大きいことが弱点でもあった。
ところがXC60に積まれたディーゼルエンジンは信号待ちで停車したときにもほとんど振動や騒音を伝えず、実に快適だった。走り出してからのまわり方もスムーズで、ノイズやバイブレーションをほとんど感じさせない。反対に、スロットルを踏み込んだ直後にドンと押されるような感覚は薄れたが、私はそれよりも静粛性が改善されたことを歓迎したい。
ちなみに、XC60 D4に搭載のディーゼルエンジンは、排ガスの後処理に「アドブルー(尿素水)」なるものが用いられることになった。これは排ガス中に微量の尿素を噴霧することで、有害な窒素酸化物を無害化するもので、輸入ディーゼルモデルのほとんどが採用する。
この影響で、走行距離に応じてアドブルーを補充する必要が生じるが、その頻度は1万kmに1度程度。もっとも、補充が必要になった場合は警告灯が点灯するので、常日頃から残量を点検する必要はない。
いっぽう、個人的な懸案だった乗り心地は、例の細かな振動が完全に消え去り、とても快適だった。また、これもSPAモデルに共通する傾向だった「軽くポンポンと弾む」といったような印象が影を潜め、ボディがどっしりと構えて実に落ち着いているように思われた。個人的にSPAモデルのなかではベストの仕上がりと評価したい。
ちなみに、ボルボはV90とV90クロスカントリーにもディーゼルモデルを導入したが、長期的にはディーゼルモデルの生産は順次縮小していき、環境対応パワープラントはツインエンジンと呼ばれるプラグ・イン・ハイブリッドモデルに統合される模様。ディーゼルファンには早めの決断が求められている、と言えそうなだけに、たとえ納車に時間が掛かったとしても現行XC60のディーゼルモデルを購入してもきっと後悔はしないだろう。
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