先日お届けした自動車評論家総勢20名による現行国産車ランキング。プロの目線で選んだ2020年日本車ベスト3はロードスター、レヴォーグ、GT-Rという結果に終わった(下記に1位から10位までの表あり)。
20名のプロが選ぶ 現行国産車「最もいいクルマ」ランキング2020年版 1位はなんとあのオープンカー!???
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さてではその勢いそのままに、同じ手法でベストカー編集部員7名が現行日本車の1~10位を決めるとどうなるのか? カウントダウン形式でご紹介!
●評論家20名による2020年現行国産車ベスト10はこちら!
1位 マツダ ロードスター(166ポイント)
2位 スバル レヴォーグ(163ポイント)
3位 日産 GT-R(128ポイント)
4位 ホンダ ホンダe(125ポイント)
5位 トヨタ カローラ(シリーズ)
6位 スズキ ジムニー(92ポイント)
7位 トヨタ ヤリス(88ポイント)
7位 トヨタ RAV4(PHV含む・88ポイント)
9位 トヨタ ハリアー(83ポイント)
10位 トヨタ MIRAI(76ポイント)
●日本車Best10の決定方法
1)7名のベストカー編集部員が現行日本車のなかから「自分のベスト10」を決める。
2)それぞれの1~10位車にF1方式でポイントをつける(1位25P 2位18P 3位15P 4位12P 5位10P 6位8P 7位6P 8位4P 9位2P 10位1P)。
3)すべてのポイントを合計して「総合順位=1~10位」を決定。
【画像ギャラリー】昨年目立ったあのモデルは何位?? ランクインを果たしたクルマたちをギャラリーでクイックチェック!!!!
※本稿は2020年12月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年1月26日号
■10位 トヨタ ヤリス(22ポイント)
●どんなクルマ?
ヴィッツ後継のコンパクトで、月販トップ3の常連という大人気車。デザインは可愛らしく、本誌計測でハイブリッド車が実燃費40km/L達成。これは凄すぎ!
トヨタ ヤリス
●総合的バランスで4位という結果に/編集部・ウメキの評価
4位とはいえコンパクトカー三つ巴では最下位という個人評価。走って楽しいのはヤリスだし、燃費がいいのもヤリス。でも「これ1台」のファミリーカーとしてみたら後席が狭すぎるし、荷室も小さい。ま、割り切ったパッケージングだということは理解するけど、やっぱりユーティリティは無視できない。その面ではフィット、総合的バランスのよさならノートが上位かな…。
●評点…ババ4位、ウメキ10位、ワタナベ7位
■10位 マツダ マツダ3(ファストバック&セダン・22ポイント)
●どんなクルマ?
2019年、登場したモデルでファストバックとセダンがある。直4の1.5Lと2Lガソリンなどに加え、話題のSKYACTIV-X搭載も(2020年早くも改良!)。
マツダ マツダ3(ファストバック&セダン)
●直4、1.5Lは「マツダの良心」/編集部・ワタナベの評価
SKYACTIV-X搭載車が思ったほどの評価を得ていないマツダ3。しかしながら、「マツダの良心」は先代アクセラと同じくガソリンエンジンの直4、1.5L車にあると思う。インテリアの質感はクラスでもトップクラスだしね。ひとつだけ解せないのはアクセラのリアサスがマルチリンクだったのに、マツダ3ではトーションビームに変更したこと。どーして?
●評点…イイボシ8位、ワタナベ4位、マツナガ7位
■8位 トヨタ GRスープラ(25ポイント)
●どんなクルマ?
2019年、BMWとトヨタの協業で復活モデルとして誕生し、沸き立つ。上級グレードRZは387ps/51.0kgmを発揮し、速さと興奮のハンドリングを味わえる。
トヨタ GRスープラ
●387psは問答無用の楽しさ/編集部・イイジマの評価
デビュー直後に乗った時は「2Lのほうがいいな」なんて思ってたけど、2020年4月の改良で3Lターボが387psになったら印象が変わった。やっぱこれくらいパワーあると問答無用に楽しいです。ガッシリとしたボディなのに乗り心地も悪くなく、クイックに向きを変えるクセに高速巡行も無難にこなす。いいクルマですよ。金があったら欲しいッス。金ねーけど。
●評点…イイジマ1位
■8位 トヨタ 86/スバル BRZ(25ポイント)
●どんなクルマ?
数少ない日本車FRスポーツ。一世代前のクルマという印象は否めないが、今も根強い人気。次期型は新開発2.4Lを搭載し、2021年春頃に登場予定だ。
トヨタ 86/スバル BRZ(写真はBRZ)
●これぞ「ライトウェイトスポーツ」!/編集部・フルカワの評価
あとで紹介する私のベスト10選出の基準は「好きなクルマの順位」。1位の86/BRZと2位のS660、実はどちらも1位にしたかった。S660はカッコイイし、山道を全開で走れる楽しさがいい。86/BRZはS660より高速道路で快適だし、ライトウェイトスポーツの楽しさを充分に楽しめるのが魅力的で1位に。200万円台で買えるFRクーペなんてほかにないですし。
●評点…フルカワ1位
■7位 日産 キックス(26ポイント)
●どんなクルマ?
日産久々の新モデルは全長4290mmと手頃なサイズ感のSUV。e-POWERのみのパワートレーンで2WDのみと街乗りに振ったコンセプトだ。
日産 キックス
●SUVでワンペダル。実燃費よし/編集部・ババの評価
海外では4年前から売られており、基本設計もデザインも新鮮味はない……が、乗るといいんです。「日産の懐刀=e-POWER」の進化をモーターとエンジンの絶妙なハーモニーで体感でき、実燃費もいい。ワンペダルドライブも慣れればアリと思う。加えてプロパイロットも、当初のセレナ搭載時よりもスムーズ。本音は「あと20万円安ければ(廉価版が約276万円)」ねぇ。
●評点…ババ2位、ウメキ6位
■6位 スズキ アルトワークス(28ポイント)
●どんなクルマ?
2016年の復活登場で、走り好きの心をつかんだ軽スポーツ。2ペダルもあるが楽しむならやはり5MTだ。約153万円で小気味いい走りを味わえる!
スズキ アルトワークス
●軽さ+ターボ+MT。不満なし/編集部・フルカワの評価
アルトの車重はFF車だと600kg台。この軽さ+ターボ+MTの組み合わせが魅力的です。しかもワークスは、当初設定されていたターボRSに5速MTを設定しただけのモデルではなく、エンジンはトルクアップされ、足回りも専用にチューニングされていて、乗り味は軽の本格スポーツ感があります。乗り心地は硬いけど、不快な硬さじゃないのもいいと思いました。
●評点…フルカワ4位、ワタナベ6位、イイジマ6位
■5位 スバル レヴォーグ(31ポイント)
●どんなクルマ?
2020~2021年COTY、イヤー・カーに選出されたモデル。全グレードに新開発1.8Lターボを搭載し、走りと乗り味が初代より大幅進化。安全性も凄い。
スバル レヴォーグ
●質感はもはや輸入車レベル/編集部・ワタナベの評価
JARIでのスラローム走行では新旧の乗り比べで、SGP採用によるボディ剛性向上を実感。むろん新世代のアイサイトXが凄いのは言わずもがなだけど、ドアを閉めた時の音の質や内装各所の質感はもはや輸入車レベルだと言っても過言ではないと思う。あと特筆したいのは標準グレードのGTでもシートの出来が抜群なこと。一般公道でも変わらなかったのはみごと。
●評点…イイボシ4位、ウメキ10位、ワタナベ2位
■4位 ホンダ ホンダe(38ポイント)
●どんなクルマ?
ホンダ初のピュアEV。サイズ感にも283kmという航続距離にも「チョイ乗りEV」感が漂う。モーター特有の加速感もポイント。後席は意外と狭くは……ない。
ホンダ ホンダe
●キビキビ走るちっちゃな存在感/編集部・梅木の評価
ゴメン!! あとで紹介する自分のベスト10の選定理由、あれこれ言っているけど、これだけは「今、一番欲しいクルマ」だから1位にしちゃった。だって、乗ったらメチャメチャ楽しいんだもん。別にEVだからとか、そんなことはどうでもよくて、キビキビ軽快に走るちっちゃいクルマって存在感がいいのよ!! 荷室が狭いっていうネガも、この際、無視無視!! あー矛盾!
●評点…ウメキ1位、ババ4位、マツナガ10位
■3位 ホンダ S660(43ポイント)
●どんなクルマ?
走れば目立たないはずがない、軽オープンスポーツ。登場から5年経つが存在感薄れることなし。ジムニー同様、世界にファンが多い、日本発のモデルだ。
ホンダ S660
●「もっと攻めろ」とクルマが訴える/編集部・マツナガの評価
S660、ミドシップレイアウトのクルマでは世界で最も安価かつ軽量な市販車かと思う。クルマの中心近くに重たいものがあると、こんなにクルマは軽やかに曲がるのかというのを教えてくれる一台。個人的には「意のまま」レベルを超えて「もっと攻めろ!」とクルマが訴えているような、そんな感動のハンドリングを味わった。ぜひ一度、みなさんにも味わっていただきたい。
●評点…フルカワ2位、マツナガ3位、イイジマ5位
■2位 マツダ ロードスター(60ポイント)
●どんなクルマ?
軽量ボディが生み出す“ヒラヒラ走る”感覚はこのモデルならでは。楽しすぎる、最高出力132psだ!
マツダ ロードスター
●「変わらないこと」のよさ/編集部・イイボシの評価
登場から5年経っても色褪せないのは、他車にはない独自の魅力があるから。
1989年初代誕生以来の31年に及ぶ歴史の重みも効いているが、現行型はデザインが秀逸で、それでいて走りはいい具合に力が抜けているのも魅力。「変わることが正義」の時代に、「変わらないことのよさ」を実感させてくれるのが、素晴らしいです。
●一所懸命走らせる必要…あり!/編集部・イイジマの評価
その性能に「スゲー、スゲー」って驚くだけのスープラに対し、コチラはドライバーが一所懸命走らせる必要ありって意味で、真逆の性格といえる。でも、こういうのも楽しいんですよ。1.5Lのソフトトップか2LのRFかで悩むけど、いずれも上手く走らせられるようになりたいなと思わされるクルマ。現代じゃ希少ですよ。
●評点…イイボシ1位、イイジマ2位、ババ3位、フルカワ9位
■1位 スズキ スイフトスポーツ(104ポイント)
●どんなクルマ?
1.4Lターボをこれでもか! と操る楽しさに溢れる。実用性もあるコンパクトスポーツ。
スズキ スイフトスポーツ
●スイスポと同じ時代にいる幸せ/編集部・ババの評価
そりゃMTモデルはスイスポのよさを味わえるけど、嫁さんも運転するならATもありですよ。最高出力140psを軽快に楽しめ、後席2人を余裕で飲み込む実用性ありで、約201万円というコスパもよし。なんたって、このサイズのコンパクトカーで憧れの2本出しマフラーは痛快。たまらんですよ。こう魅力を書いていると、やはりMTだね(笑)。
●スーパーカー的キャラも潜む!?/編集部・マツナガの評価
普通のクルマから乗り換えると、スポーツカーらしいキャラを味わわせてくる。スーパーカーと比べても、勝るとも劣らな……、もちろん劣るけど、劣らないと言いたくなる満足度で、肩肘張らずに楽しめる。ランキング作りは凄く悩んだが、このクルマを差し置いてほかのクルマを1位にすることはできなかった。
●評点:イイボシ9位、ワタナベ1位、イイジマ4位、ババ1位、フルカワ3位、マツナガ1位
* * *
■まとめ
●有名評論家と編集部員の選んだクルマは、やはり大きく違う!?
前号の有名評論家20名が選ぶ「日本車ベスト40」と、ランキング結果が違うのか!? それを大きなテーマに掲げた企画だが、ベスト3が合致したのは2位のロードスターだけ。
3位にS660、6位にアルトワークスと軽スポーツが上位に食い込んでいるところは、“庶民派走り好き編集部”が滲み出ている証ですな。
1位 スズキ スイフトスポーツ(104ポイント)
2位 マツダ ロードスター(60ポイント)
3位 ホンダ S660(43ポイント)
4位 ホンダ ホンダe(38ポイント)
5位 スバル レヴォーグ(31ポイント)
6位 スズキ アルトワークス(28ポイント)
7位 日産 キックス(26ポイント)
8位 トヨタ GRスープラ(25ポイント)
8位 トヨタ 86/スバル BRZ(25ポイント)
10位 マツダ マツダ3(ファストバック&セダン・22ポイント)
10位 トヨタ ヤリス(22ポイント)
【番外コラム】11位以降も気になるじゃないスか!
上のようにスイスポが1位。やっぱね~、という感じだが、11(12)位以降はこれらがランクイン。ベスト10内に顔を見せそうなNSX、GT-R、GRヤリスが10位台。逆にLCコンバーチブルが13位。これは意外!
11位 NSX(20ポイント)
12位 LCコンバーチブル(19ポイント)
14位 CX-8(18ポイント)
14位 コペン(18ポイント)
14位 GT-R(18ポイント)
14位 ノート(18ポイント)
18位 GRヤリス(16ポイント)
18位 カローラツーリング(16ポイント)
20位 フィット(15ポイント)
20位 ジムニーシエラ(15ポイント)
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