3車3様のモディファイでどれも個性的!
最近はメーカーや関連会社がチューニングを施したワークスコンプリートカーが増えた。このなかでもとくに注目されるのがコンパクトな車種だ。ベース車が割安なこともあり、カッコ良くて運転の楽しいクルマを求めやすい価格で提供できる。
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コンプリートカーでは、チューニングの内容以前に、ベース車の素性が大切だ。ボディ剛性などベース車の造りが悪ければ、そこにいくら高価なパーツを加えても、優れた走行性能は得られない。その意味で最近のコンパクトカーは、走りの基本的な機能が向上しており、上質なコンプリートカーを開発できるようになった。今回はリセールも含め、話題の国産コンパクトワークスコンプリートカー3車種を、独自の視点で評価。ランキング形式で紹介しよう。
第3位 ホンダ・フィットe:HEVモデューロX
モデューロXで変更を施した部分は、おもにエアロパーツを装着する外装、ショックアブソーバー、アルミホイール(タイヤはベースグレードと共通の16インチ)、専用シート表皮などだ。スプリングやブッシュなどはベース車と同じになる。
それでもカーブへの進入でステアリングホイールを切り込んだときは、操舵角に対して車両の向きが正確に変わる。
とくに注目されるのは、専用アルミホイールの「しなり」を利用して、タイヤの接地面積を高めるなど走行安定性と乗り心地を向上させたことだ。タイヤの接地性が向上したので、カーブへの進入から曲がり終えるまで、一連の挙動変化が滑らかに進む。ステアリングの操舵角や前後左右の加速度が変化しにくい。
フィットe:HEV(ハイブリッド)モデューロXの価格は、286万6600円だから、ベース車と想定されるe:HEVリュクスに比べて44万円高い。割安ではないが、チューニングモデルとしては妥当な価格だ。
第2位 トヨタGRヤリスRZ
GRヤリスの外観は、ベース車のヤリスに似ているが、ボディは3ドアでプラットフォームも異なる。前側はベース車のヤリスと同じだが、後ろ側のサスペンションはカローラなどと基本的に共通だ。全幅もワイド化され、実質的には異なるクルマになる。
エンジンもRZは1.6L直列3気筒にターボを装着して、最高出力は272ps、最大トルクは370N・mだ。3.5Lエンジンと同等の性能を発揮する。そこで4WDシステムも搭載した。
車両重量は1280kgだから、動力性能の割にボディは軽い。加速感は活発で、1500rpm以下では駆動力が下がるが、1600rpm以上になるとターボの過給効果が感じられる。とくに4000rpmを超えると速度の上昇が活発になる。
走行安定性も高い。とくにスポーツモードでは、駆動力配分が前輪:30%、後輪:70%に設定され、カーブを曲がりながらアクセルペダルを踏み増しても、旋回軌跡を拡大させにくい。後輪駆動車に近い挙動を見せる。曲がる性能を高めながら、旋回中に危険を避ける操作をしても、後輪の接地性が削がれにくい。スポーティな走りを安心して楽しめるが、ネガな部分を挙げるとすれば価格が396万円と高めの設定ということぐらいか。
第1位 日産ノートオーラNISMO
ノートオーラをベースに、多岐にわたり手を加えた。ハイブリッドのe-POWERでは、ベース車のスポーツモードをNISMOモードに変更している。スポーツモードに比べると、アクセルペダルを戻したときの制動力を弱め、加速時の反応を機敏にした。ベース車のスポーツモードでは、カーブへ進入するときにアクセルペダルを戻すと、減速力が強すぎる場合もあるが、そこを最適化している。
またスプリング、ショックアブソーバー、電動パワーステアリング、タイヤ(ミシュラン・パイロットスポーツ4)まで、走行安定性と乗り心地に大きく手を加えた。ベース車も操舵に対する反応は正確だが、危険を避ける時などは、あおられるような挙動も生じやすい。
ノートオーラNISMOでは、そこを抑えて後輪の接地性も高めた。乗り心地は硬めだが、タイヤが路上を跳ねるような動きが生じないから、不快には感じない。バランスの良いチューニングを施した。
しかも価格が割安だ。286万9900円だから、ベース車に相当するノートオーラGレザーエディションに比べて17万円の上乗せに収まる。この差額でノートオーラNISMOが手に入るのだから注目度も高い。
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みんなのコメント
まぁホンダ乗りの自分が見てもフィットはさすがになんちゃってだと思います。