日産スカイラインGT-Rの中古車相場が高騰している。R34型GT-Rは走行10万kmを大きく超えている個体でも1300万円以上となるのが普通で、低走行物件には2000万円以上の値札が付いている。
R34ほどではないにしても、R33型GT-Rも走行短めの個体は600万円超であり、R32GT-Rもコンディションの良い個体はほぼ同様の相場となる。
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そこまでしてGT-Rが欲しいかといえば、そうでもない……という人もいることだろう。そこでGT-Rと名乗れなかったスカイラインと、GT-Rを名乗らなかったスカイラインをターゲットとして、今中古車市場でいくらで売られているのか、中古車市場に詳しい伊達軍曹が解説する。
文/伊達軍曹
写真/ベストカーweb編集部 日産
【画像ギャラリー】GT-Rじゃなくてもいいや……というあなたにおすすめしたい「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」
GT-Rは高すぎてもう手が出せない
「ハコスカGT-R」ことKPGC10型スカイラインGT-R。今や3000万円オーバーの値が付くことも珍しくない
新たに中古車を買うのではなく、今あるスカイラインGT-Rのエンジンオーバーホールをしたり、あるいはリビルトエンジンを入手するのも、今となってはなかなか困難だ。
ニスモが受け付けた「R32 GT-Rのエンジンオーバーホール」は約2年待ちというおそろしい状態になっており、昔は50万円ほどで買えたリビルトエンジンも、今や300万円以上が相場。……スカイラインGT-Rは買うのも直すのも、なかなか大変な時代に突入しているのだ。
そんな状況下でも「だがネオクラシックなスカイランが欲しい!」と思った場合には「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」、つまり歴代スカイラインの「GT-Rではないけど、非常にスポーティだったグレード」を買うしかないのかもしれない。
とはいえ、GT-Rに限らずネオクラシックカー全般の相場が爆上がりしてしまっている今、そういった「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」の相場もまた、爆上がりしてしまっている可能性はある……ということで、いろいろと調査してみることにしよう。
GT-Rではないハコスカでも1000万円以上する
ハコスカの非GT-R系グレードといえば、1971年9月登場の2000GT-X。最高出力120psを発生するL20型2L、直6SOHCエンジンを搭載
まずは「ハコスカ」である。この世代のGT-Rは、今さらいうまでもなく最高出力160psのS20型2L直6DOHC24バルブエンジンを搭載し、トランスミッションは2速以上をクロスレシオ化した5MTが採用された超スポーツモデル。
中古車価格は千差万別ではあるのだが、直近の相場は「3000万~4000万円ぐらい」といったところである。
それに対し、この世代の「GT-Rと名乗れなかったスカイライン」は、「ストリートモデルの最高峰」として1971年9月に登場した「2000GT-X」だろうか。
こちらの搭載エンジンは、フェアレディZなどに採用されていたL20 SUツインキャブレター仕様で、最高出力は125ps(ハイオクガソリン仕様は130ps)。
トランスミッションは、GT-Rが5MTであったのに対して2000GTは4MTまたは3速ATだったが、2000GT-Xは4MTと3速ATに加えて5MTもメーカーオプションで設定された。
で、その2000GT-Xの現在の中古車相場は……「GT-Rじゃないから安い」ということは決してなく、「1000万~1500万円ぐらい」となるのが一般的。古いクルマをレストアして商品化するとなると、どうしてもこのぐらいの売価にはなるようだ。
GT-Rじゃないケンメリは?
1972年発売のケンメリ2000GT-Xには先代譲りのL20型エンジンを搭載。GT-Rのベースである2ドアハードトップを中心に高騰している
ならば次の世代、「ケンメリ」ではどうだろうか?
ケンメリこと4代目C110型スカイラインのスポーツモデルであるKPGC110型GT-Rは、2ドアハードトップ2000GTをベースに、先代同様のS20型エンジンを搭載し、同時に専用ラジエターグリルや前後オーバーフェンダーなどを装備したスポーツクーペ。
1973年1月から4月までの3カ月間だけ販売されたモデルゆえ希少で、現在の中古車相場は、これまた箱スカGT-R同様の「3000万~4000万円ぐらい」という状況になっている。
そしてこの世代の「GT-Rと名乗れなかったスカイライン」は、まさにケンメリGT-Rのベースとなった「2ドアハードトップ2000GT」であろう。こちらのエンジンは最高出力120psのL20型直6、SOHCで、トランスミッションは5MTだ。
で、その現在の中古車相場は……2ドアハードトップではなく4ドア版(通称ヨンメリ)も含め、やはり「1000万~2000万円ぐらい」といったところになっている。
レストアされたハードトップ2000GTが2000万円近い値段になるのは話としてわかるが、排ガス規制が一番厳しかった時期=一番走らなかった時期である1976年式の地味なGT-XEもなぜか2000万円近いプライスとなっているのは、今ひとつ納得しづらい現象である。
GT-Rを名乗れなかったR30型スカイライン
R30型の「GT-Rじゃないスカイライン」といえばスカイライン2000ターボインタークーラーRS-X(通称ターボC)。1983年8月に販売を開始した後期型はグリルレスデザインが特徴的で、鉄仮面とも呼ばれた
R30型スカイラインの中古車情報はこちら!
そしてお次の「ジャパン」……は割愛して、1981年デビューのR30型スカイラインへと進もう。
この世代のスポーツグレードは、まさに「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」である。
1981年10月に登場した2000RSは、最高出力150psのFJ20E型直4、DOHCエンジンを搭載して「GT-Rの再来か?」と期待された。
そして1983年2月登場の2000ターボRSは、ターボチャージャーを追加したFJ20ET型直4エンジンにより最高出力190psをマーク。「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが採用された。
しかし両モデルとも「だが6気筒ではない」ということで、「GT-R」を名乗ることが許されなかった存在だ。
インタークーラー付きのFJ20ETで205psを発生した2000ターボ インタークーラーRS/RS-X(通称RS-XターボC/1984年)を含め、「R」を名乗ることができなかったのはつくづく無念であったと思う。
そんなR30世代の各スポーツグレードの相場は現在、おおむね下記のとおりだ。
●2000RS|130万~490万円
●2000ターボRS-X|150万~300万円
●ターボC|220万~350万円
この価格で売られている状態から、メンテナンスや内装のリペアを加えて「乗れる状態」にするには、さらに予算がかかるはず。
だが少なくともR34型GT-Rのような「天文学的な価格」にはなっていないのが、この世代の現在の相場である。
まさにGTS-RこそがGT-Rを名乗れなかったスカイライン
1987年8月、限定800台で生産されたR31型スカイラインGTS-R。6気筒エンジン搭載モデルながらGT-Rの名は与えられなかった
R31型スカイラインの中古車情報はこちら!
「7thスカイライン」ことR31世代(1985~1989年)では1987年に発売された2ドアスポーツクーペGTS-Rこそが、「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」ということになる。
R31のGTS-Rは、当時のグループAレースのホモロゲーションを取得するための市販車として800台限定で生産されたモデル。
フロントオートスポイラーを固定化して大型スポイラーを装備し、さらに大型ターボチャージャーと専用インタークーラー、等長ステンレス製エキゾーストマニホールドなどのチューニングにより最高出力210psをマークするRB20DET-R型2L、直6エンジンを搭載した。
「4気筒じゃなくて6気筒だし、そろそろ“GT-R”を名乗ってもいいんじゃないか?」とも思われたが、R31型スカイラインはそもそもがハイソカー路線の設計であったせいか「GT-Rを名乗るにはふさわしくない」ということになり、GT-Rを名乗るには至らなかった。
そんなR31の2ドアスポーツクーペGTS-Rは新車時価格340万円で、現在の中古車相場は360万~400万円といったところ。……昭和のレア物好きとしては、微妙というか絶妙に気になる価格ではある。
R32型スカイラインGTS—tタイムMは?
一世を風靡したR32型GT-Rの次に人気を博したスカイラインGTS—tタイムM。搭載されるRB20DET型2L、直6ターボエンジンは215psと十分な性能を発揮し、「GT-Rじゃなくて十分」と思わせてくれる
R32型スカイラインの中古車情報はこちら!
悲運の(?)R31型GTS-Rを経て、時は1989年。いよいよ第2世代GT-Rの一番手としてR32型スカイラインGT-Rが登場する。
R32GT-Rについては今さらくどくどご説明する必要もないとは思われるが、当時日産で行われていた「901運動」の集大成として開発され、ATTESA E-TSやSuper HICASなどの最新デバイスに加え、専用設計された最高出力280psのRB26DETT型2.6L直6ターボエンジンを搭載したリアルスポーツクーペだ。
それに対し、R32世代で「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」といえば、GTS-tタイプMになるだろうか。
R32世代でGT-Rに次ぐ人気を誇ったGTS-tは、GT-Rが4WDであるのに対してFRレイアウトを採用したスポーティクーペ。
搭載されたRB20DET型2L直6ターボエンジンは215psという十分な最高出力をマークし、軽快でタイトな走りと相まって「……GT-Rじゃなくて、コレで十分なんじゃないか?」という感慨を人々にもたらした。
そのGTS-tの、16インチホイールを履いたバージョンがGTS-tタイプMだ。
中古車相場は、R32型GT-Rがおおむね400万~1700万円であるのに対し、GTS-tタイプMは230万~330万円。
ううむ、GT-Rほど高騰しているわけではないが、やはり「好きな人は好きな名作グレード」ということで、その相場は静かに高騰しているようだ。
あと、流通量がきわめて少ないのも無念なところではある。今みたいな時代だからこそR32のGTS-tタイプMみたいな小ぶりで小気味良いMT車、かなり素敵だと思うのだが。
R34型スカイライン25GT-TURBOが狙い目!
R34型スカイラインのターボ搭載モデル、25GT-TURBO。2.5L、直6ターボエンジンの最高出力は規制いっぱいの280psにパワーアップ
R34型スカイラインの中古車情報はこちら!
そして最後にオススメしたいのがR34世代である。この時代のGT-Rは言わずとしれた相場の大高騰を起こしているBNR34型GT-Rだ。
BCNR33型で不評だった大柄なボディをギュッと引き締め、そこにカタログ上の最高出力は280psのままだが、ギャレット製ツインボールベアリングのセラミックタービンや最大過給圧のアップなどで最大トルク40.0 kgmを達成した第2世代最後のRB26DETT型エンジンを搭載した。
昨今は世界中で大人気となってしまい、中古車相場は1200万~3600万円といったゾーンまで高騰している。
それに対して、この世代の「GT-Rを名乗れなかったスカイライン」といえば、R34型GT-Rと同じく最高出力280psのRB25DET型2.5L、直6ターボエンジンを搭載した25GT-TURBOだ。
25GT-TURBOのターボエンジンは決して「ドッカン」タイプではなく、どこからでもよどみなくトルクが湧き出るタイプで、スロットルレスポンスも秀逸。
そして直進安定性は「矢のよう」であり、電動スーパーHICASとヘリカルLSDによって、山坂道でも鬼のようによく曲がる……という、非常に素晴らしいスポーツクーペだ。
そんなR34型日産 スカイラン25GT-TURBOの現在の中古車相場は、120万~400万円といったところ。
100万円台前半の個体はさすがにボロそうな気配も漂っているが、約180万円以上、特に200万円台以上の個体は、なかなか悪くない雰囲気を発しており、流通量もそれなりに豊富。
この良質物件って、もはや手が届かない相場になってしまったR34型GT-Rの代替品としてだけでなく、単純に「素敵なスポーティクーペ」としてかなりの狙い目なのではないか?
個人的には、車両価格300万円以上を投じてでも、コレの良質なフルノーマル車が欲しいと思いました!
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