2019年のジュネーブ国際自動車ショーでフォルクスワーゲンは「Be Electrified」というスローガンを掲げた。“ぞくぞくしてほしい”、という意味であるが、これは“電動化”とのダブルミーニングである。
電動化を先頭に立って進めるのがフォルクスワーゲンCEOのドクター・ヘルベルト・ディースだ。べつの記事(https://gqjapan.jp/car/series/20190307/geneva-vw-vol1)でも触れたように、電気自動車(EV)のプラットフォームを小規模メーカーやスタートアップ企業に販売する計画ともに、「ID.バギー」と呼ぶあざやかなグリーンのコンセプトモデルを発表し話題を呼んだ。
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「『MEB』という呼称の、電気自動車も作れる新しいプラットフォームの利点は、スケーラブルである点です。ボディスタイルなどの目的に応じ、スケール(寸法)を自在に変えられるプラットフォームです」と、ディースCEOは話す。
さらに新プラットフォームの駆動方式はFF(前輪駆動)、FR(後輪駆動)ともに可能という。ちなみに「ID.バギー」はFRである。
EVではクルマのキャラクターが薄まるのではないか? という懸念について聞くと「出力やステアリングの味付けなど、EVでも充分個性が出せるはずです」と述べる。
フォルクスワーゲンはEVの開発を急いでいるという。その大きな理由は、欧州連合(EU)がCO2排出量の規制を強めていることだ。2019年中に欧州で新世代のEV「ID.」シリーズの第1弾を発表予定という。
「そう簡単に市場がすべてEVへシフトするとは考えていません。2025年の時点で、EV比率は約25パーセントと言われます。そのほかは内燃機関(ICE)車とハイブリッド車でしょう。とくに第3世界の市場では、内燃機関車の需要は強く残るでしょう」
「フォルクスワーゲンの電動化は順調です」と、楽観的な見通しを述べるディースCEOによれば、EVである「e-GOLF」の販売予定台数が3万台であったのに対し、約5万台の需要があったという。
先進国でEVは重要である。政府による規制もさることながら、イメージが高まるからだ。ドイツを例にとってもフランクフルトの金融街などでは、テスラが多く走っている。
環境先進性と、洒落たデザインにくわえ、エッジのたったイメージがテスラの順調なセールスを後押ししているようだ。したがって、アウディのような上級車セグメントでは、量販ブランドのフォルクスワーゲンとはまた違う、テスラのような個性的なEVが必要になってくるという。
「2019年のジュネーブショーで、フォルクスワーゲンとおなじグループに属するアウディは『e-tron』の新モデル(コンセプトカー)を前倒しで見せました。なかにはSUVやスポーツモデルもありました。e-tronとプラットフォームを共用するポルシェの『タイカン』もまもなく発表されます。これらのモデルは、テスラと充分に競合していけるだけどの個性とクオリティを備えているでしょう」と、ディースCEOは述べる。
ただし、「EVを作ればいいというわけではありません」と言う。パワートレーン以外にも最新技術が重要であるからだ。ひとつは自動運転、もうひとつはカスタマーサービスという。
「私もクルマが好きだし、運転を楽しんでいますが、自動運転技術の進化も欠かすわけにはいきません」。2014年までBMWに籍を置き、取締役のメンバーとして技術部門を率いていた経歴を持つディースCEOは続けて話す。
「今後20年でクルマは大きく変わっていくでしょう。自動運転技術については、まだ大雨時にシステムがうまく作動しないなどの課題が解決されていないため、完全自動運転が実現するには時間がかかるはずです。が、技術の進化スピードは相当早いので、我々が予想するよりも早く、今よりも高度な自動運転システムが搭載されるのではないでしょうか」
さらに、「そもそも混雑した道を運転してもおもしろくないですから、自動運転は運転が好きなドライバーにとっても、意義あるシステムはないでしょうか」と付けくわえた。
カスタマーサービスの点では、「software-driven mobility provider」になると公言しているのが興味ぶかい。“ソフトウェア・ドリブン”とは、ソフトウェアを通じ、ビジネスを拡大していくという意味だ。最新の通信技術を使い、クルマとユーザーを結びつけて、よりよいサービスを提供していくという。
2019年2月にフォルクスワーゲンはマイクロソフトと「フォルクスワーゲン・オートモティブ・クラウド」を開発すると発表した。クルマのさまざまな情報をスマート端末で獲得できるほか、ライドシェアサービスなどの提供、また車内から簡単に、そして素早く駐車場を探索出来るようになるなど、さまざまなサービスを計画中という。
クルマはいま大きなターニングポイントにある。それを踏まえて、「先手を打ったほうが勝者になる」と、話すディースCEOの言葉は、とても興味ぶかかった。
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