創立以来120年の歴史を持つグッドイヤーから最新の高性能スポーツタイヤ「イーグルF1スーパースポーツ」が登場した。世界25の自動車メーカーで新車装着の実績を持つグローバルブランドが提案する、新しいフラッグシップタイヤの実力を箱根のワインディングで味わった。
ライフスタイルまで見えてくる靴選び
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アドリア海に面した美しき港町、ヴェネツィア。「アドリア海の女王」とも呼ばれる水の都で、クルマを受け取った。このままヴェネツィアでゆっくりしたい、と言うのが本音だったが、その日の目的は、中世の昔からヴェネツィアとドイツを結ぶ通商路であった「ドロミテ(ドロミーティ)峡谷本街道」のドライブ。途中のワインディングで走り、さらに美しく広がる山岳風景のなかでのロケをこなさなければいけなかった。
ヴェネツィアに心引かれながら予定ルートを北上。その先には1956年の冬季五輪で、猪谷千春氏がアルペンスキーの回転競技の銀メダルを獲得した開催地、コルティナダンペッツォがある。早朝からの仕事もある程度済ませ、遅めのランチを取っているとき現地コーディネーターから「靴屋を見にいかないか」という提案があった。位置関係はよく分からないのだが、そこはイタリア北部ヴェネト州のモンテベルーナであり、一帯は世界の靴製造業のトップブランドが集まる地方として知られている。続けて彼が言うには、トレッキングシューズなどで有名な「スカルパ」が誕生したアーゾロ村もあるし、ここで靴を見ないのは理解できない、と言わんばかり。
正直、スカルパなら日本でも購入できるし、とは思った。だが冷静に考えれば“創業の地で物を買う”という、いわばメモリアルな行為は、それ自体がどこか特別な感じで、嬉しいものである。彼の提案を受け入れ、ショップに入った。実は、どうやら彼はトレッキングシューズを探していて、それに付き合わされということがはっきりしたのだが、目を輝かせながら物色し、店員にあれこれ聞いている。イタリア語でのやりとりはほとんど理解できなかったが、靴1足を選ぶためのすさまじい熱量、労力は十分に伝わってきた。
ソールの硬さ、アッパーのフィット感、防水性、透湿性、インソールの形状、そして防風に関するまで、徹底して話していたと、通訳のスタッフが教えてくれた。確かに安い買い物ではないから、それなりのこだわりは分かると同時に、さすがに靴文化の先進国だけあるな、と感心させられた。結局、トレイルランニングに使用する本格的な高機能な1足を彼は買い、とても満足げであった。そして「足元を見れば、その人のスキルも分かるし、なによりも命を預けるマテリアルだから、妥協はしたくない」というのだ。さらに彼は、スーツ以上に靴には気を遣うと話してくれた。こうした靴へのこだわりは、我々日本人が考える以上に強いのだろうな、と改めて思ったわけだ。
実はクルマの足元、つまりタイヤ選びに対するこだわりにおいても、これに近い感覚がある。どんなに高性能車であっても、そのパフォーマンスと不釣り合いなタイヤを装着していたのでは、持てる性能を十分に発揮できない。いや、それどころか命に関わるほど危険な状況になることを、真剣に考える人は、まだ少ないかもしれない。
オーバークオリティは安全のために
少々乱暴な言い方ではあるが、丸くてサイズが合えば、どんなタイヤでもいい、と考える人も一定数いるのが現実。だが、クルマの性能を活かすも殺すもタイヤ次第と言うこともまた真実なのである。それではただ高価で高性能と言われるタイヤを装着すれば、すべていいかと言えば、もちろんそれも違う。靴と同様にTPOに合わせた“履きこなし”が必須になる。エコカーにスポーツタイヤでは本来の燃費性能は得られないし、スーパースポーツにエコタイヤを装着したら、パフォーマンスの半分も発揮できないだろう。エコにも高性能にも似合うタイヤを考えてみても、相反する性能の両立は相当に難しく、仮にあっても、どちらの性能にとっても中途半端と言うことになるはずだ。
一方でスポーツタイヤの性能を研ぎ澄ませ、「サーキット走行をも視野に入れ、グリップ性能だけでなく、より上質なスポーツ走行が可能」というように、どんどん高性能化するのであれば、ベクトルが同一であり、個性も確立しやすい。この春から日本デビューを果たしたグッドイヤーの「イーグルF1スーパースポーツ」を装着しているトヨタ・スープラの、オンザレール感を味わいながら、そんな印象を強く感じた。ちなみにグッドイヤーはこのタイヤを「ウルトラ・ハイ・パフォーマンス(UHP)」と呼んでいたが、それをワインディングで飛び出した瞬間から感じ取れたのである。
さらに嬉しい誤算は、乗り心地も思いの外よかったこと。ステアリング操作に対する素早いレスポンスと、路面からのインフォメーションを的確に伝えながら、しなやかに路面を追従していくフィーリングは、心地よさすら感じさせるのである。いや一般路では持てる力の7割ぐらいしか出せていないのでは、と思えるほど乗り心地には快適であった。正直に言えば一般路でこのタイヤの真実は見えてこない。その強烈なグリップゆえ、走りのキレの良さと、高度な安心感しか印象に残っていないのである。
そしてもう1台、イーグルF1シリーズのSUV用タイヤとなる「アシンメトリック3 SUV」を装着した「アルファ・ロメオ・ステルヴィオ」をドライブしたときに、その快適なスポーツ性が明確に見えてきた。いくらスポーティなSUVといっても、どちらかと言えばコンフォートが欲しいなと思いながら走らせると、路面への食いつきの良さと同時に、上質な乗り心地をすぐに感じた。ポルシェ・マカンなどにも、このスポーツ性能とプレミアム性能の両立はしっくりくるだろうな、ということを、しっかりと証明してくれたのだ。
多分、サーキットを走れるほどの性能を有していると言われても、実際に走ることなどないだろう。だが、このオーバースペックとも思われる性能を選択するという事は“安全”に繋がるはずである。あのイタリアのコーディネーター氏が見せたトレッキングシューズ選びのこだわり。それにも似た感覚がタイヤ選びにもあることを改めて理解した。足元を見ればその人のこだわりも見えるし、なによりも命がかかった大切なマテリアルに無頓着であることは許されないと思う。ただ唯一の懸念があるとすれば、ハイスペックタイヤを履いて無理をすることがあれば、逸れも危険なことだ。どんなタイヤであっても無理無謀まで許容し、リカバリーしてくれるものではない。
スポーツカーの走りのパフォーマンスはタイヤの性能にも大きく左右される。
コーナリングでのキレと乗り心地の良さを両立した超ハイパフォーマンスタイヤ。
イーグルF1シリーズのSUV用タイヤ「アシンメトリック3 SUV」がスポーティなアルファ・ロメオ・ステルヴィオに装着。
SUVにとって高速コーナリングでの遠心力に負けない内部構造の強さは安心感がある。
背の高いSUVの姿勢を安定させるグリップの良さを見せた「イーグルF1 アシンメトリック3 SUV」
【サイズ表 1】「イーグルF1スーパースポーツサイズ」表
18インチから21インチまで20サイズをラインアップ。
【サイズ表 2】「イーグルF1 アシンメトリック3 SUV」サイズ表
SUV用は19インチから22インチまで16サイズをラインナップ。
問い合わせ先:日本グッドイヤー
TEXT:佐藤篤司(AQ編集部)
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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みんなのコメント
限界性能はケタ違いに高くなる一方、出力が食われて加速性能は激減。感触もヌルっとしてロードインフォメーションなんてほとんど無くなる。
しかし結果、速い。
ぶっちゃけ、「別の乗り物」てくらい運転変えなきゃなのだけど、それに関する記述がまったく無いのは何故?