2代目C-HR 欧州で生産へ
トヨタは、2代目となる新型C-HRを欧州で初公開した。
【画像】進化したコンパクトSUV【新型トヨタC-HRを写真でじっくり見る】 全36枚
現行型(初代)のC-HRは、コンパクトSUVでありながら、クーペのようなエッジの効いたデザインとスポーティな走りを特徴とし、2016年以降日本や欧州など世界各国で販売されてきた。今回のフルモデルチェンジでは、新しい内外装デザイン、強化されたパワートレイン、新世代のデジタル機能や安全装備などを採用し、販売力のさらなる向上を図った。
販売価格や日本への導入予定などはまだ確認されていないが、現時点で明らかになっていることをまとめたい。
まず、パワートレインとしては、新型プリウスと同様に1.8Lまたは2.0Lのハイブリッド車(HEV)、そして2.0Lのプラグインハイブリッド車(PHEV)が用意されている。
1.8Lハイブリッドでは、最高出力98psのガソリンエンジンに95psの電気モーターを組み合わせ、合計出力140psを発生。前輪駆動で、欧州WLTPサイクルでの燃費は24.0~25.0km/lとされる。
2.0Lハイブリッドでは合計出力200psに強化される。リアアクスルに2基目の電気モーターを追加する四輪駆動モデル(AWD-i)も設定され、0-100km/h加速7.9秒、WLTP燃費22.5km/lを達成するという。
C-HRとしては初導入となるPHEVでは、2.0Lガソリンエンジンに165psの電気モーターを組み合わせ、合計出力226psを発生する。電気だけで駆動するEVモードでは最大約65kmの走行が可能で、都市部の低公害ゾーン(LEZ)に進入したことを検知すると、自動的にEVモードに切り替わる(バッテリーが十分に充電されている場合)。
なお、バッテリーユニットの組み立てを含め、新型C-HRの生産は欧州のみで行われるというアナウンスがされている。
躍動感あるエクステリアデザイン
全体的なスタイリングとしては、2022年12月に公開されたコンセプトモデル「C-HRプロローグ」を大きく踏襲している。現行型の大胆なデザインをさらに研ぎ澄まし、シャープで躍動感あるエクステリアに仕上げた。
フロントエンドには新型プリウスと共通の「ハンマーヘッド」形状を採用。さらに、フラッシュ式ドアハンドルをトヨタ車としては初めて採用するなど、斬新な試みが随所に見られる。リアのドアハンドルは、現行型がドアパネル上部に隠れるように配置されているのに対し、新型C-HRではフロントと同じ高さの一般的な位置に変更された。
短いオーバーハングと最大20インチのホイールにより、ぎゅっと凝縮されたような塊感を演出。空力性能にも注力し、フロントバンパーやルーフスポイラーの形状など、車両周囲の空気の流れを最適化させたという。
運転支援用のカメラやレーダー、そしてヘッドライトウォッシャーなどの配置は、シャープな外観にうまく溶け込むよう考慮されているとのことだ。
トヨタは新型C-HRのエクステリアデザインについて、「公道を走るコンセプトカーのようなインパクト」を持つ「スーパークーペ」と表現している。
64色の室内照明も デジタル機能強化
インテリアは高級感と先進性に重点を置いている。
12.3インチのデジタルメーターディスプレイと、12.3インチのインフォテインメント・タッチスクリーン(ベースグレードは8.0インチ)が採用され、運転支援システムなど使用頻度の高い機能を目立たせるなど、ドライバーの好みに応じたカスタマイズも可能だという。
また、ディスプレイのカラーやフォント、マルチメディア表示画面などに一貫性を持たせることで、使いやすさと質感を高めている。
アップル・カープレイとアンドロイド・オートのワイヤレス接続機能を搭載し、デジタルキーにも対応(2024年以降)。携帯電話を持っているだけでキーの解除やエンジン始動が可能になった。スマートフォンアプリから冷暖房などの遠隔操作や、車外からのリモート駐車もできる。
大きな特徴の1つとして、最大64色のアンビエントライトの導入が挙げられる。時間帯を反映した24色のシェードプログラムにより、朝は明るく、夕方は落ち着いたトーンで室内を演出することができる。また、ドアが開いているときに後方から車両や自転車が接近した場合、アラームとともに照明を赤に変化させることで視覚的・聴覚的に警告を発する。
安全性と持続可能性に配慮した設計
新型C-HRでは、全車に予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・システム」が搭載される。
先行車との衝突の危険性を検知した場合に、急激なスロットル操作を抑制する新しいアクセル・サプレッションを採用。また、低速域で機能するプロアクティブ・ドライビング・アシスト(PDA)により、前方の遅い車両に接近したり、カーブに進入したりする際にドライバーがアクセルペダルから足を離すと、スムーズに減速を行う。前方のカーブを認識し、ステアリング操作を支援するステアリング・アシストも含まれる。
その他、フロント・クロストラフィック・アラート付き車線変更支援、ドライバーモニターカメラ、ヘッドライトの配光を調整するカメラ制御のオートマチック・ハイビーム・システム、渋滞で先行車に自動的に追従するハンズフリー機能(認可された一部地域のみ適用)など、さまざまな先進安全装備が用意されている。
また、持続可能性にも配慮し、現行型と比較して再生プラスチック材の使用量を2倍にしている。シート表皮には再生ペットボトルから作られた新しいファブリックが使用される。
バンパーは、金型内であらかじめ着色されたプラスチック材料で形成されており、トヨタによるとこの技術によって数百トンのCO2削減が見込まれるという。さらに、水性塗料を使用した新しい自動塗装プロセスを採用したほか、ステアリングホイールにはレザーの代わりに非動物由来の新素材を採り入れている。
パノラミックルーフには低放射および赤外線低減コーティングが施され、冬は室内の熱を逃がさず、日差しの強い夏には温度上昇を和らげる。これにより、従来のサンシェードが不要となり、重量が5kg軽減され、エアコンの負担も減っているとのことだ。
世界に衝撃与えた現行型 どんなクルマだった?
現行型C-HRは「世界戦略SUV」として2016年に発売され、CG(コンピュータ・グラフィックス)をそのまま実車に仕上げたような斬新なデザインが大きな話題を呼んだ。
SUVでありながら、シャープなラインや流線型のルーフを採用するなど、従来にはあまり見られないスポーティ性を強調したモデルとなり、走りもまたそのデザインを裏付けるものであった。トヨタは2016年、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで開催された24時間レースにC-HRの発売前のプロトタイプを投入したのだ。
このニュルブルクリンク24時間レースでは「TOYOTA C-HR Racing」として参戦し、見事に完走。トヨタによると、レース中に天候が目まぐるしく変わったものの、車両のセッティングに大きな変更は施さず、「ノントラブル」で走りきったという。
また、性能要求の厳しい欧州の公道でのテスト走行に注力し、足回りを鍛え上げるなど、本格的なスポーツカーのように「走り」と「格好」を追求した。こうした点において、現行型C-HRは良くも悪くも従来のトヨタらしくない新鮮なモデルであった。トヨタのイメージを変えることに貢献した、衝撃的な1台と言える。
フルモデルチェンジを経た最新の2代目C-HRも、先代ほどの衝撃はないかもしれないが、発表前に欧州でのテスト走行が目撃されており、引き続き走行性能に力を入れていることが伺える。ただ、実際にどのような仕上がりになっているかは試乗の機会を待たねばならない。
残念ながら、現時点では新型C-HRの日本への導入予定は確認されていない。トヨタ欧州部門は「欧州のお客様を念頭において欧州で企画され、バッテリーユニットの組み立てを含めて、欧州のみで生産されます」と発表している。しかし、たとえ輸入という形でも、日本で新型に乗りたいと望むドライバーも少なくないのではないだろうか。
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