F1チームを影で支えるリザーブドライバーやテストドライバー。どのようなドライバーがその役割を務め、どのような役割を担っているのだろうか。チームごとに紹介していく。
■リザーブドライバーとテストドライバーの違いは?
■特集|2023年のF1ドライバーのカーナンバー。誰がどの番号を使うのか? その理由は?
F1チーム内のアシスタントドライバーは、全て同じ肩書を持つ訳ではない。サードドライバーとリザーブドライバーという肩書はどちらも普通に使われているが、チームによってはこの役割を兼任させるところもある。
レギュラードライバーやエンジニアがマシンを改善するのを助けるために、チームはサードドライバーを起用する。マシンのフィーリングを改善するために、サードドライバーはテストのみならず金曜日のフリー走行を担当することもある。そうした意味では、サードドライバーはテストドライバーと呼ぶのがふさわしいが、デモ走行やPR活動もサードドライバーの業務となることも多い。
一方で、リザーブドライバーはグランプリ週末にレギュラードライバーが何らかの理由で走行できない場合に備えて待機しているドライバー。そのため、ほとんどのグランプリではガレージ内でレースを観戦することとなる。レースが行なわれている期間外では、リザーブドライバーも定期的にシミュレータ作業を行なう。
■レッドブル・レーシング
リザーブドライバー:リアム・ローソン、デニス・ハウガー、ゼイン・マロニー
サードドライバー:ダニエル・リカルド
シミュレータドライバー:ルディ・ヴァン・ビューレン
レッドブルはレギュラードライバーであるマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのために、舞台裏の助っ人にも手を抜いていない。
才能溢れる若手のリアム・ローソンやゼイン・マロニー、デニス・ハウガーは、レッドブル・レーシングとその姉妹チームであるアルファタウリのリザーブドライバーを務める。この3名はグランプリ週末、チームに交互に参加し、将来を見据えてF1チーム運営を間近で見ることとなる。
またレッドブルは、昨年11月にダニエル・リカルドがサードドライバーとしてチームに復帰することを発表。マクラーレンでの苦悩の日々を経て再び古巣のレッドブルに戻ってくることとなったリカルドは、PR活動の多くを担当する他、シミュレータでレギュラードライバーをサポートすることとなる。
そしてルディ・ヴァン・ビューレンがレッドブルのF1シミュレータテスト兼開発ドライバーを務める。裏方として重要な役目を負うヴァン・ビューレンはシミュレータで多くの時間を過ごしており、テストの機会が限られているF1では彼のフィードバックは非常に貴重なモノとなる。
ヴァン・ビューレンはマシン開発と”トラックサポート”に携わり、グランプリ週末にレギュラードライバーのためにセットアップやアップデートの可能性を試し、それに応じた提案を行なう。
■アストンマーチン
テスト兼リザーブドライバー:ストフェル・バンドーン
リザーブドライバー:フェリペ・ドルゴビッチ
アストンマーチンは2023年、独自の強力なバックアップ体制を敷く。有事の際にパワーユニットサプライヤーのメルセデスからリザーブドライバーを呼び出すこととなっていた。また近年は、ニコ・ヒュルケンベルグを計5戦で代役として起用。ただ、彼はハースからF1フル参戦復帰を果たしている。
2022年11月、チームのテスト兼リザーブドライバーにストフェル・バンドーンが起用されることとなった。メルセデス陣営から移ったバンドーンは、トップチーム入りを目指すこのチームにおいてシミュレータと開発プログラムにおいて重要な役割を担うこととなる。
また、チームは2023年に向けて独自の若手ドライバー育成プログラムを立ち上げており、2022年のFIA F2チャンピオンであるフェリペ・ドルゴビッチがプログラムの採用第一号となっている。ドルゴビッチはF1リザーブドライバーとしての活動も開始し、2023年には多くのグランプリに帯同する予定だ。また、アストンマーチンの旧型マシンを使った大規模なテストプログラムも用意されている。
なお2023年のプレシーズンテストでは負傷したランス・ストロールの代役を務め、開幕戦バーレーンGPではストロールの代役として参戦する可能性も高まっている。
■アルファロメオ
リザーブドライバー:テオ・プルシェール
F1直下のFIA F2に参戦するテオ・プルシェールは、2019年から既にチームの若手ドライバー育成プログラムであるザウバー・アカデミーの一員となっている。2022年10月にはチームのリザーブドライバーとなることが発表され、F1チームとの結びつきを強めていくこととなる。
■フェラーリ
リザーブドライバー:アントニオ・ジョビナッツィ
テストドライバー:ロバート・シュバルツマン
アルファロメオで3シーズンを戦った後、2021年末にF1シートを失ったアントニオ・ジョビナッツィは、フェラーリにリザーブドライバーとして加入。2022年にはフェラーリのパートナーチームであるアルファロメオとハースでもリザーブドライバーを務めた。ハースではイタリアGPとアメリカGPのフリー走行を担当している。
ロバート・シュバルツマンは、数年前からフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員となっている。イスラエル籍ライセンスでドライブするこの若手ロシア人は、既にフェラーリとハースで数回のフリー走行をこなしている。また旧型マシンを使ったテスト走行を何度か行なっている。
■マクラーレン
リザーブドライバー:アレックス・パロウ、ミック・シューマッハ(全シーズン)、フェリペ・ドルゴビッチ、ストフェル・バンドーン(2023年シーズン前半の15戦)
テスト兼開発ドライバー:ウィル・スティーブンス、オリバー・ターベイ
近年は緊急時の代役をパワーユニットサプライヤーのメルセデスに頼ることもあったが、マクラーレンも自前のリザーブドライバーを用意。2023年はインディカー・シリーズに参戦するアレックス・パロウをリザーブドライバーとして起用する。
また、メルセデスのリザーブドライバーであるミック・シューマッハも、契約により代役として起用が可能となっている。
そしてマクラーレンは、アストンマーチンでリザーブドライバーを務めるフェリペ・ドルゴビッチとストフェル・バンドーンも、シーズン前半の15戦で必要となれば起用できるようにアストンマーチンと合意している。
■メルセデス
リザーブドライバー:ミック・シューマッハ
メルセデスは2022年にテスト兼リザーブドライバーとしてニック・デ・フリーズとストフェル・バンドーンを起用していた。しかし2023年は、デ・フリーズがアルファタウリからF1フル参戦、バンドーンがアストンマーチンでフルタイムのリザーブドライバーを務めることとなったため、メルセデスのリザーブドライバー枠が空くことに。チームは、ハースのF1シートを失ったミック・シューマッハをリザーブドライバーとして陣営に迎え入れることとなった。
■アルピーヌ
リザーブドライバー:ジャック・ドゥーハン
昨年までアルピーヌのリザーブドライバーには、育成ドライバーの筆頭株として下位カテゴリーを駆け上がってきたオスカー・ピアストリが起用されていた。しかしピアストリはチームでの将来に期待が持てず、マクラーレンとF1レギュラードライバー契約を結ぶことに。ピアストリを失ったアルピーヌは、育成ドライバーのひとりでありロードレース世界選手権(現MotoGP)のレジェンドであるミック・ドゥーハンの息子、ジャック・ドゥーハンをリザーブドライバーに指名した。ドゥーハンは2023年、F2参戦と平行してリザーブドライバーを務めることとなる。
■アルファタウリ
レッドブルと密接な関係にあるアルファタウリには独自のリザーブドライバーは存在せず、レッドブルのドライバーを利用できる。またレッドブルの育成プログラムに所属している若手ドライバーに、アルファタウリでF1での走行経験を積む機会が与えられる。
■ウイリアムズ
ウイリアムズは、これまでテストドライバーとして起用していたローガン・サージェントを2023年からレギュラーシートに昇格。アレクサンダー・アルボンとF1でコンビを組むこととなった。
ウイリアムズは独自のリザーブドライバーを採用しておらず、近年は必要に応じてパワーユニットサプライヤーであるメルセデスから代役を起用している。2023年もそうなるかは、まだ不明だ。
■ハース
リザーブドライバー:ピエトロ・フィッティパルディ
ピエトロ・フィッティパルディは過去3シーズン、ハースでリザーブドライバーの役割を担ってきた。サンパウロGPでチーム代表のギュンター・シュタイナーは、フィッティパルディのレース活動計画に合致すれば、パートナーシップの継続が可能であることを明かし、その継続が確定している。
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