アルファ ロメオ33ストラダーレをオーダーした日本人愛好家
2023年8月30日にオフィシャルフォトと概要、そして「ワールドプレミア」と称する動画が発表され、全世界のアルファ ロメオ愛好家やスーパーカーファンを震撼させたアルファ ロメオの新作スーパーカー「33ストラダーレ」は、そのアイコニックな車名にあやかって、世界限定でわずか33台のみが生産されることになっています。それゆえ、アルファ伝説のスーパースポーツ「ティーポ33/2ストラダーレ」の再来ともいうべきスーパーカーを手にできる幸福なエンスージアストの人数は極めて限られたものとなるのですが、このほどその幸福な愛好家の中に、少なくとも1人の日本人アルフィスタが存在するという事実が明かされました。
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オーダーしたのは、日本自動車界を支える「匠」集団のトップ
往年の傑作アルファ ロメオ「ティーポ33/2ストラダーレ」へのオマージュを全身で表現した、いわばセルフカバーともいうべき新生「33ストラダーレ」。このほど、この素晴らしきスーパーカーを手にする33人の情熱的なオーナーのひとりとなることが明かされた日本人愛好家とは、精密歯車の試作加工を専門としたメーカー「株式会社 内野製作所」の代表取締役、内野徳昭氏とのことである。
1927年(昭和2年)に創業した内野製作所は、「F1」や「WEC」、「MotoGP」をはじめとする世界最高峰のレースで活躍するレーシングマシンや、国内のほとんどの自動車メーカーの試作車にも搭載される精緻な歯車を加工・製造しているメーカー。とくに、1980~1990年代の第2期ホンダF1における功績は、モータースポーツ界における伝説と化しているそうだ。
そんな「匠」集団のトップとして、内野製作所の自動車界におけるキャリアアップにも多大な貢献を果たしたといわれる内野社長。その審美眼に適った「33ストラダーレ」は、33台分の注文主が内外装のマテリアル/カラーはもちろん、パワートレインまで選ぶことができる専用プログラムを採用するとのこと。まずパワートレインについては、ガソリンエンジン版とBEV版からなる、2つの選択肢が用意されるという。
ガソリンエンジンモデルは、最高出力620psを発生するV型6気筒3.0Lツインターボを搭載し、最高速度は333km/h、0-100km/h加速は3秒以下というパフォーマンスを発揮するとのこと。もういっぽうのバッテリーEVモデルは、システム最高出力750ps以上を標榜し、推定航続距離は最長で450km(WLTP規格値)というスペックが発表されている。このうち、内野氏がセレクトしたのは前者。ガソリンV6ツインターボ版である。
ボディカラーにロイヤルブルーをチョイス
そして、鬼才フランコ・スカリオーネの最高傑作と称されるオリジナル版ティーポ33/2ストラダーレのデザインエッセンスを現代に昇華したエクステリアについて、イタリアの文化と美をこよなく愛してきた内野氏は「美しいイタリアの青い空を想起させる」という自身の言葉どおり、ボディカラーには上品なロイヤルブルー、ライトとブレーキキャリパーなどのディテールには、マッチングカラーのレッドを選択した。
いっぽう、ティーポ33/2ストラダーレのスタイルを現代に昇華したものとされているインテリアについても、内野氏のこだわりは存分に活かされることになるという。
美しいデザインのキャビンは、上質なグレーのアルカンターラ生地のシートとインナートリムで構成される。また、軽量スポーツペダル、ダークブラッシュ仕上げのアルミフットレストで飾られることになるという。
2024年3月、内野氏はイタリア・ミラノを訪れ、アルファ ロメオ本社のデザインチーム「ボッテーガ」との実りあるミーティングを繰り広げたほか、ミラノ近郊の街にしてアルファ ロメオの聖地でもあるアレーゼの博物館「ムゼオ・ストーリコ・アルファ ロメオ(アルファ ロメオ歴史博物館)」を訪ね、同館のアイコンでもあるスカリオーネの元祖ティーポ33/2ストラダーレを自らの愛車のデザインにインスピレーションを求めるがごとく検分。さらに、これまで「4C」や「ジュリアGTAm」など現代アルファ ロメオのスーパースポーツを愛用してきたという、アルファ ロメオとの絆についても語ったとのことである。
そして内野氏は、ミラノとアレーゼでの体験を踏まえてカスタムオーダーするクルマの構成を再確認。自身の新たな愛車では、21世紀の高貴なイタリアンスポーツを先取りするとともに、第二次世界大戦前から綿々と引き継がれてきたブランドの伝統にリスペクトの想いを表現することにしたというのだ。
日本が世界に誇る「ものづくり」のリーダーが選んだ33ストラダーレが、果たしてどんな仕上がりで日本に降臨するのか……? また、内野氏以外にも新生33ストラダーレをオーダーする日本人愛好家が存在するのか……? 好奇心は尽きないのである。
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