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ホンダ ホーク11、ヤマハ XSR900、カワサキ Z900RS CAFE「国産カフェスポーツ」機能&装備を徹底比較

掲載 24
ホンダ ホーク11、ヤマハ XSR900、カワサキ Z900RS CAFE「国産カフェスポーツ」機能&装備を徹底比較

100万円台で買える、1000ccクラスの国産カフェスポーツ3車
2022年に新登場したホンダ ホーク11。そして2022年にモデルフルモデルチェンジを行って2代目となったヤマハ XSR900。そして大人気車・Z900RSのバリエーションモデルであるZ900RSカフェ。

3車の共通点は、ベース車から派生展開した車両であること。そして100万円台で購入できる「カフェスポーツ」であること。
一方、エンジンは2気筒、3気筒、4気筒とそれぞれ異なる。デザインもロケットカウル、カウルレス、ビキニカウル……と各車各様だ。

【画像大量】「国産カフェスポーツ」(37枚)

そんな3車で首都圏から東北の山中まで、往復1000kmのツーリングテストを行った。当記事では走行テストを踏まえ、各車の機能面や装備について解説を行っていく。

ホンダ ホーク11
アドベンチャーモデル・CRF1100Lアフリカツインのプラットフォーム展開から生まれたホーク11。スチール製のダブルクレードルフレームはCRF1100Lアフリカツイン由来であるが、スイングアームやサスペンションなどを含めると、直接のベース車と言えるのはスポーツツアラーのNT1100。
CRF1100Lアフリカツイン、NT1100と異なり、ホーク11にDCTの設定はなく、MTのみ。電子制御はトルクコントロール、エンジンブレーキ制御、ウイリーコントロールを備える。
価格は139万7000円。

ヤマハ XSR900
初代同様、スポーツネイキッド・MT-09をベースとしたレトロスポーツで、MT-09のフルモデルチェンジにともない2代目へと進化。
アルミダイキャストのツインスパーフレームはMT-09同様で、スイングアームはMT-09をベースとするスポーツツアラー・トレーサー9GT用を組み合わせる。電子制御はMT-09譲りの多機能で、3車中唯一IMUを搭載。しかもヤマハの最高峰スーパースポーツ・YZF-R1用をベースとする6軸で、トラクションコントロール、スライドコントロール、ウイリーコントロール、ABSはバンク角に連動した制御が行われる。また、クイックシフターやクルーズコントロールも装備している。
価格は121万円。

カワサキ Z900RSカフェ(2022年モデル)
名車「Z1」のスタイルをオマージュしたレトロスポーツのZ900RS。現在の大型二輪市場で大ヒットとなっているのは、多くの人が知るところだろう。
ベースモデルはスポーツネイキッド・Z900で、エンジンを低中回転重視の設定にしているほか、スチール製トレリスフレームはなだらかなリヤ周り実現するためリヤフレームの角度が寝かし気味となっている。

そんなZ900RSのバリエーションモデル「カフェ」は、ヘッドライトカウル、ローハンドル、段付きシートを専用に装備。電子制御はZ900RS同様、トラクションコントロールのみとシンプルだ。
テスト車は2022年モデルで価格は141万9000円。2022年9月1日から発売の2023年モデル(令和2年排出ガス規制適合と車体色を変更)は146万3000円。

エンジン&マフラー

ホンダ ホーク11
アフリカツイン、NT1100と同系の1082cc並列2気筒で、最高出力102ps/7500rpm、最大トルク10.6kgm/6250rpm。最大トルクは3車中トップとなる。ライディングモードで出力特性を3段階に変更可能。
サイレンサー自体はツアラーモデル・NT1100と同じ物だが、バンク角を考慮し上向きにマウントされている。

ヤマハ XSR900
MT-09、トレーサー9GTと同系の888cc並列3気筒は、最高出力120ps/1万pm、最大トルク9.5kgm/7000rpm。最高出力は3車中トップ。ライディングモードで出力特性は4段階に変更可能。
サイレンサーが無いような独特なマフラーはMT-09/トレーサー9GT同様で、排気口は左右それぞれに設けられている。

カワサキ Z900RSカフェ
Z900をベースに低中回転域重視のセッティングとした948cc並列4気筒は、最高出力111ps/8500rpm、最大トルク10.0kgm/6500rpmの性能。出力特性の切り替え機能は無い。
レトロなデザインにマッチしたメガホン型マフラーはZ900RSと同形状だが、Z900RSがメッキなのに対し、カフェはヘアライン仕上げとなる。

ホーク11、XSR900、Z900RSカフェ「1000km走行テスト時燃費」
ブレーキ&サスペンション

ホンダ ホーク11
フロントブレーキは310mm径ダブルディスク+ニッシン製ラジアルマウントキャリアパーの組み合わせ。
フロントフォークはショーワ製SFF-BPで、インナーチューブ径43mm。左側フォークのトップキャップにプリロードアジャスターが設けられる。
純正装着タイヤはツーリング志向のダンロップGPR300。

リンク式のモノショックはシングルチューブ分離加圧式で、油圧プリロードリモートアジャスターを備える。

ヤマハ XSR900
フロントブレーキは298mm径ダブルディスク+アドヴィックス製ラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。ベース車のMT-09/トレーサー9GTと同様、ブレンボ製の純ラジアルマスターシリンダーを採用している。
フロントフォークはインナーチューブ径41mmでフルアジャスタブル。
純正装着タイヤはブリヂストンS22とスポーツ志向だ。

スリムなリヤ周りを実現するため、前方に寄せられたリンク式モノショック。プリロードと伸側減衰の調整が可能。

カワサキ Z900RSカフェ
フロントブレーキは300mm径ダブルディスク+ラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。
フロントフォークはインナーチューブ径41mmでフルアジャスタブル。
純正装着タイヤはホーク11と同様で、ダンロップGPR300。

マスの集中を狙い、リンクをスイングアーム上に、ショックユニットを水平気味としたカワサキ独特の「ホリゾンタルバックリンクリヤサスペンション」。プリロードと伸側減衰の調整が可能。

ヘッドライト周り&メーター

ホンダ ホーク11
FRP製ロケットカウルはデザイン的アイコンであるだけでなく、軽く伏せれば十分な防風性を発揮する。独特な取り付けのバックミラーは視線の移動が多くなるため多少慣れが必要だが、後方視界はしっかりと確保されている。

シンプルな丸型液晶メーターは外周部に回転計、中央に速度計/ギヤポジションというレイアウト。下部に表示される走行モードと電子制御パラメーターは直感的に把握しやすい。

ヤマハ XSR900
極端に伏せたりせずとも、高速走行時に意外なほど風の当たりを感じないXSR900。ヘッドライトとメーター形状に工夫がありそうだ。

3.5インチとコンパクトなフルカラー液晶メーターだが、背景色の黒が濃く、意外なほど視認性が高い。上部にバーグラフ式回転計、中央に速度計/ギヤポジション/クイックシフターインジケーターというレイアウト。

カワサキ Z900RSカフェ
形状としてはビキニカウルに含まれるだろうか。一見大柄に見えるものの、上体が直立した姿勢ではスクリーンを経由した風がヘルメット頭頂部を押すように当たる(身長170cmのライダーの場合)。また、首や肩周りに若干乱流を感じた。十分な防風性を得るには多少伏せた方がいい。

近年では珍しいアナログ指針式の二眼メーター。中央の液晶にはギヤポジション、トラクションコントロールモード、燃料計、時計などを表示。

シート&ライディングポジション

ホンダ ホーク11
カフェレーサーらしく、セパレートハンドル&少々後退気味のステップ。軽く前傾したライディングポジションとなるが、スーパースポーツほど前傾もヒザの曲がりもキツくない。
シート高は820mmと高めだが、2気筒エンジンの恩恵か車体中央部はスリム。身長172cmのライダーで、片足でも足の裏全面が接地した。

前後の自由度は高いが、クッションは薄め。タンデムシートの表皮はスウェード調となっている。シート下にはETC車載器を標準装備する。
ナンバープレートステーには荷掛けフックを設置。

ヤマハ XSR900
ワイドなバーハンドルを装備し、自然と上体の起きたライディングポジションとなるXSR900。タンクはニーグリップ部がシェイプされていて、バイクとのフィット感が高い。バーエンドミラーの視認性はテスターで好みが分かれた。
シート高は3車中最も低い810mmで、足着きは片足停車でも足の裏全面が接地。

コンパクトな見た目だが、ポジションの自由度は高い。タンデムシートはシボを強調した表皮となっているほか、切り替えにイエローのステッチが入るのが洒落ている(ブラックの車体色ではレッドのステッチとなる)。
荷掛けフックの類はなく、ETC車載器も非装備。

カワサキ Z900RSカフェ
通常のZ900RSに対しローハンドルを装備するカフェだが、実際に低い感じはそれほどない。ライディングポジションは上体が起きたオーソドックスなネイキッドの範疇と言える。ヒザの曲がりは3車の中で最も緩く感じられた。
シート高は820mmで、足着きは片足停車でも足の裏全面が接地。

タックロール調のライダー側シートは3車中最も肉厚な印象で、長時間走行の快適性も高かった。タンデムシートは色を替えシングルシート風に。シート下にはETC車載器を標準装備する。
テールランプ下とシート真ん中のあたりに荷掛けフックを設置。

ホンダ ホーク11主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル並列2気筒OHC4バルブ ボア・ストローク:92.0mm×81.4mm 総排気量:1082cc 最高出力:75kW(102ps)/7500rpm 最大トルク:104Nm(10.6kgm)/6250rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2190 全幅:710 全高:1160 ホイールベース:1510 シート高:820(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量:214kg 燃料タンク容量:14L
[車体色]
パールホークスアイブルー、グラファイトブラック
[価格]
139万7000円

ヤマハ XSR900主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:78.0×62.0mm 総排気量:888cc 最高出力:88kW(120ps)/1万pm 最大トルク:93Nm(9.5kgm)/7000rpm
[寸法・重量]
全長:2155 全幅:790 全高:1155 ホイールベース:1495 シート高:810(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量:193kg 燃料タンク容量:14L
[車体色]
ブルーメタリックC、ブラックメタリックX
[価格]
121万円

カワサキ Z900RSカフェ
*テスト車は2022年モデル
[エンジン・性能]
種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:73.4×56.0mm 総排気量:948cc 最高出力:82kW(111ps)/8500rpm 最大トルク:98Nm(10.0kgm)/6500rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2100 全幅845 全高:1190 ホイールベース:1470 シート高:820(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量:217kg 燃料タンク容量:17L
[車体色]
メタリックディアブロブラック
[価格]
141万9000円(2022年9月1日から発売の2023年モデルは146万3000円)

まとめ●上野茂岐 写真●岡 拓

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みんなのコメント

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  • カフェスポーツという呼び方は聞いたことがない。カフェレーサーとスポーツカフェが混ざっちゃったのかな?
  • オートバイやクルマって歴史に残る商品だからせっかく造れる立場に居るなら後世に「俺が造った」と自慢出来るくらい格好良い物を出せばいいと思いますけどね
    どうしてこうなったらホーク11
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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