これで…速度取り締まりを…?? 最上級クーペ「ソアラ」が覆面パトカーだった時代
2021/12/08 03:06 ベストカーWeb 20
2021/12/08 03:06 ベストカーWeb 20
高級感があって、エレガントなスタイルが特徴的だった3代目ソアラ。海外では高い評価があったものの、国内では2代目ほどの爆発的な人気とはならなかった。しかし、そんな人気薄が影響してか、交通覆面パトカーとしてデビュー。全国の高速道路で猛威を奮った時期があったのだ。全国のドライバーたちを仰天させたソアラ覆面パトカーについて振り返ってみたい。なお、平成時代のパトカーをまとめた『パトカー30年史』もあわせて参照いただきたい。
『平成~令和新時代 パトカー30年史』はこちら
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文・写真/編集部
[gallink]
■デートカーの仮面をかぶった交通覆面パトカー
「ソアラの覆面パトカーを見かけた」という情報が編集部に届くようになったのは、1997年の春頃だったように記憶している。当時はすぐには信じられず、「何かの見間違いだろう」と思っていたぐらいだ。なぜって、その頃の覆面パトカーといえば、クラウンかセドリックというのが定番車であり、イレギュラーな車種など、ほとんど聞かれなかったからだ。
もちろん、ちょうどその頃、埼玉県警にはスカイラインGT-Rの覆面パトカーが複数台あり、ドライバーに恐れられていた。しかしそれらは県の予算で導入された特殊なパターンで、ソアラのような高級車がパトカーに採用されるのは、なかなか考え難いことだったのだ。
そんなわけで、担当が初めてソアラ覆面パトカーが取り締まりをしているシーンを見たときは、本当にびっくりだった。
埼玉県警高速隊のソアラ覆面パトカー。所沢の本隊で運用されていた。埼玉県警では、取り締まり中、補助用のマグネット式警光灯を車両後部にも点灯させる運用を行っていた
今のようにSNSなどで、珍パトカー情報が瞬時に広まる時代ではなかったので、ソアラ覆面の認知度は低く、次から次へと違反車を捕らえていた。警察から見ればまさに「入れ食い」状態。さぞや、頼もしい新兵器だったことだろう。
また、一般ドライバーからしたら、まさかソアラの覆面パトカーがいるなんて思ってもいない。ゆったりとクルージングするソアラ覆面に、じれて煽るドライバーや、嫉妬(?)でちょっかいを出すドライバーもいたほどであった。
■全国にたった20台のレアパトカー
ソアラの覆面パトカーは国費で導入されている。「高速II型」ということで、高速隊などで使用される高性能なパトカーという扱いだ。落札は1996年11月で、その数20台、1台あたりの価格は約422万円だった。参考までに、同年に落札されたY31セドリック覆面の価格を紹介しておくと、1台あたり約237万円となっている。なかなかの高額パトカーである。
ベース車両は、2.5GT-Tのターボモデル。96年のマイナーチェンジでフロントグリルのついた後期型だった。トヨタが誇る最上級クーペだけあって、その性能は国産車でもトップレベル。280ps、38.5kgmの大パワー&トルクで、素晴らしい加速力を誇った。
静岡県警高速隊のソアラはトランクにアンテナ2本。リアトレーの両端にそれぞれ赤灯が装着されていた
■「覆面パトカー=8ナンバー」の時代は終了
外観の特徴はほぼなく、当時無線アンテナとして主流だったTLアンテナが見分けポイントだったといえる。
またちょうどこの頃、覆面パトカーのナンバーが8ナンバーだけではなく、3ナンバーをつける車両が増加してきており、「覆面パトカー=8ナンバー」という法則で見分けることができなくなっていたことも、ソアラ覆面を見分けることを難しくしていた。実際、8ナンバーをつけるソアラの覆面は、警視庁や神奈川県警、静岡県警、福井県警など一部に限られていた。
2000年頃にまとめた取材メモを見返してみると、北は北海道警、青森県警から南は沖縄県警まで18台ぶんがリストアップされている。残念ながら20台には2台足りていない。カラーを見ると、半数の9台がブルーウィッシュシルバーで、ブラックが3台、ダークグリーン4台、ブルー1台、ホワイトパールが1台という内訳で、圧倒的にブルーウィッシュシルバーの車両が多かった。なお、このホワイトパールの1台は、ブルーウィッシュシルバーとの見間違いの可能性もあるので、上記の数字は参考までにご覧いただければと思う。
高速道路をクルージングしながら違反車を待ち構える栃木県警のソアラ覆面。鮮やかなブルーが特徴的だった
もっとパトカーについて知りたい方は『平成~令和新時代 パトカー30年史』もご覧ください。『平成~令和新時代 パトカー30年史』はこちら
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