10月29日(日)、2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦『第22回JAF鈴鹿グランプリ』の公式予選が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)が初のポールポジションを獲得した。
2番手には、昨日の第8戦で自身初表彰台を獲得した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入り、3番手には逆転で3連覇を狙う野尻智紀(TEAM MUGEN)が続いた。ランキングトップの宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S)はスプーンカーブでのわずかなミスが響き4番手となっている。
【正式結果】2023スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 公式予選
前日に行われた第8戦では、Q2セッション中の赤旗中断を乗り越え、仕切り直しのアタックで野尻が今季4度目のポールポジションを獲得。決勝は途中で終了してしまったことからハーフポイントの獲得しかできなかったが、ランキングトップの宮田に対し6.5ポイントまで差を縮めることに成功していた。
第8戦終了時点で、宮田が103.5ポイント、野尻が97ポイント。ローソンは6番手フィニッシュで88.5ポイントと、ライバルふたりに差を広げられたかたちだ。スーパーフォーミュラ初の3連覇に向けて大きく前進した野尻、スーパーGTと合わせてダブルタイトルの可能性を持っているものの慎重な姿勢を崩さない宮田、そしてルーキーイヤーでのタイトル獲得にやや黄色信号がともったローソンという、チャンピオンに向けてそれぞれの風向きがやや決まったかに見えた第8戦となった。
この日も鈴鹿サーキットは雲ひとつない青空が広がり、朝早くから多くのモータースポーツファンが集まった。気温17度、路面温度23度と、ほぼ前日と同じようなコンディションでQ1のA組から予選がスタート。なお先日のクラッシュにより、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)と大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)は第9戦を欠場。全20台での争いとなる。
A組には、野尻、山下健太(KONDO RACING)、太田、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、国本雄資(Kids com Team KCMG)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、大草りき(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)が登場。
この組の注目は、やはり野尻。セクター1と3で全体ベストタイムをたたき出すと。1分37秒607のトップタイムで難なくQ1突破を決めた。これに0.079秒差で太田が続き、松下、平川、佐藤の6名がQ2へ進出。
山下は暫定3番手でチェッカーを受けたものの、その後平川らがタイムを更新してきたことでポジションダウン。最後に太田が2番手に滑り込んだことで7番手までドロップし、2日連続のQ1突破はならず。他、阪口、大草、大嶋の計4名がここで予選を終えることとなった。
続くB組は、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、ローソン、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、宮田、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)の10名。
A組と同様に、残り時間が5分を示したところで各車続々とピットを離れていくと、福住を先頭にアタックに入っていく。セクター1でベストタイムを奪ったのは宮田で、その後もセクター2、3で全体ベストを示す赤表示が付くものの、それを上回るスピードを見せたのがローソンだった。
ローソンはセクター2、3の全体ベストタイムを塗り替えると、1分37秒014で暫定トップに立っていた宮田を0.130秒上回り、唯一の36秒台となる1分36秒881をマーク。堂々の逆転トップに躍り出た。これでTEAM MUGENが両セッションともトップタイムを奪うかたちとなったが、その差は0.7秒と大きい。
3番手には坪井、4番手には牧野が入り、以下、福住、関口までの6名がQ2へ進出。前日の第8戦予選ではノックアウトされてしまった関口は1日でしっかりとリカバリーして見せ、Q2への切符を掴んだ。7番手は小林で、以下、小高、ハイマン、ブリュックバシェの4名がQ1敗退となった。
ポイント獲得のチャンスでもあるQ2は、チャンピオンシップを争う3人が顔をそろえ、ポールポジション争いが繰り広げられた。セクター1は野尻が全体ベストを奪うと、今度はローソンがセクター2、セクター3でベストタイムをマークしてみせる。
まずは先頭でコントロールラインを通過した松下が1分36秒988のターゲットタイムをマークするが、これを野尻が1分36秒704で逆転。さらにローソンが1分36秒442で、野尻からトップタイムを奪取した。野尻はその後、太田にもタイムを超えられてしまい3番手にドロップ。あとは最後にアタックする宮田のタイムを待つばかりとなった。
その宮田は各セクターで自己ベストタイムを並べるものの、セクターベストは奪えず。さらにスプーンふたつ目でリヤがスライド、ワイドに膨らんでしまいタイムロスし、結果は1分36秒817で4番手に。予選でのポイント獲得を逃すこととなった。
これで、最終戦にしてローソンの今季初ポールポジションが決定。3ポイントを獲得し、宮田、野尻との差をわずかに縮めることに成功した。いまだポイント差としては宮田と野尻の優位性に変わりはないが、それぞれがこのままの順位で決勝を終えた場合、ローソンに大逆転チャンピオンの可能性も残っている。
また、タイトル争いに割って入るかたちで2番手に入った太田は第7戦もてぎに続き今季ベストタイとなる2番グリッド獲得となった。
第9戦の決勝レースは、このあと14時30分にスタートの予定だ。
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