2代目トヨタ プリウスPHVの登場が間近に迫り、俄然注目が高まっているプラグインハイブリッドカー(PHV/PHEV)。そんななか、三菱自動車がトヨタ自動車に先立って新たな動きを見せた。アウトランダーPHEVに商品力を高めるさらなる改良を行なったのだ。
今回の商品改良は部分改良ではあるものの、その内容はかなり大掛かり。PHEVのキモであるパワートレーンの性能向上を図るとともに、基本性能に関わる部品も見直した。外観の変更は最小限にとどめ、そのぶん中身に力を入れる。そんな質実剛健な改良といえる。さっそく順に見ていこう。
パワートレインについては、より電気で走れる領域を広げたことと、パワートレインの設定を任意に変更できるモードを増やしたこと、および急速充電時の充電時間を短縮したことの3つがメインとなる。具体的には、加速時など高負荷時においてもエンジンが始動する領域を少なくし、モーター走行を維持できるようにした。
また、従来より設定のあった電力消費を抑える「バッテリーセーブモード」と充電を行う「バッテリーチャージモード」に加え、新たにEV走行を優先させてエンジン始動を最小限に抑える「EVプライオリティモード」が設定した。あわせて、急速充電時にこれまで30分かかっていた80%レベルまで充電時間を、25分でできるようにした。これは待ち時間が短く済むだけでなく、時間課金制の充電器を使用した際に料金が安く済むメリットもある。
“走り”や安全性能の面では、ショックアブソーバーの改良による走行安定性やドライビングフィールの向上のほか、安全装備を充実。衝突被害軽減ブレーキのセンサーをミリ波レーダーからカメラとレーザーレーダーを併用したシステムに変更したことで、歩行者検知を可能とした。さらに後側方車両検知警報システムや後退時車両検知警報システムの追加により、車線変更時や車庫入れ時の安全性が高まったのがポイントだ。
機能面では、運転に集中しながらiPhoneの操作を可能とする「Apple CarPlay」や、音声認識でGoogleマップTMなど各種アプリの操作が可能なAndoroid AutoTMに対応した「スマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)」をグレードにより標準またはオプション設定した(一部グレードは設定なし)。
また、新たな最上級グレードとして「Sエディション」が仲間入りした。これは上質な乗り心地とスポーツ性能を一段引き上げたグレードで、ビルシュタイン製ショックアブソーバーの採用のほか、ボディ要所に構造用接着剤を塗布することでボディ剛性が高めたのが特徴だ。
さらに「Sエディション」では、ラジエターグリルやアルミホイールがダーククローム調で統一されるほか、BピラーとCピラーが光沢のあるブラックに色分けされたり、バンパー下のスキッドプレートがボディ同色とされたりとプレミアム感を高める演出も施される。ルーフパネルがブラックとなる2トーンカラーがオプション設定されるのも同グレードならでは。インテリアについても本革シートやメーターフード、センターコンソールにレッドステッチを施すなど、上質な仕立てとなる。
アウトランダーPHEVは、2015年7月マイナーチェンジで内外装の質感を引き上げている。今回の部分改良は、さらにプレミアム感を追求するとともに、プラグインハイブリッド車本来の魅力を向上させ、さらにスマホとの連携も強化するなど、多くのユーザーにとってメリットの大きい内容といえそうだ。
アウトランダーPHEVのグレード展開と価格は以下の通り。
・M:365万9472 円
・Gセーフティパッケージ:397万3860 円
・Gナビパッケージ:432万4860円
・Gプレミアムパッケージ:468万1260円
・Sエディション:478万9260円
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