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32歳、35年落ちコルベットを買う──Vol.19 クルマのお漏らし

掲載 15
32歳、35年落ちコルベットを買う──Vol.19 クルマのお漏らし

29歳で、中古のフェラーリを購入したGQ JAPANライフスタイル・エディターのイナガキが、ひょんなことから35年落ちのシボレー「コルベット」を増車した! 第19回は冷却水漏れに関するお話の続き。

まずは“増し締め”

トヨタ・ハリアーが新しくなった──目玉はプラグイン・ハイブリッドの追加だ!

冷却水漏れに伴うトラブルで、わがコルベットはまたもや「PACIFIC COAST HWY(パシフィックコーストハイウェイ)」(埼玉県戸田市)へ入庫した。

早速、代表の大山崇さんに診てもらうと「(冷却水は)確かに減っているね」。圧力テスターを使いタンク内に圧をかけると、正常値を下まわっていた。

「イナガキさん、漏れていますよ!」とは、同行したフォトグラファー・安井宏充さんの声。車体下部をのぞくと、ポタポタと冷却水が漏れているではないか!

とはいえ、“ドバーッ”と盛大に漏れているわけではなく“ポタポタ”と少しずつ漏れている程度。大山さんによれば、おそらくかなり前から漏れは始まっていたのではないか? とのこと。ここにきて、規定量を下まわり警告灯が点いたようだ。

とりあえず、クランプの緩みを解消すべく各所増し締めをおこなう。クランプとはホースとホースを結ぶ金属製の部品だ。

35年前のクルマゆえ、衝撃などによって徐々に緩んでしまうという。ひとつずつ増し締めをおこない、再び圧を計測するも、冷却水の漏れは止まらない。

大山さん、長年の経験を頼りに漏れていると思われる部分をひとつずつチェック。そして、辿り着いたのは、エンジンルームの下部にある金属製のパイプという結論だった。

が、このパイプは非常に脱着しづらい場所にあった。「ちょっと時間が掛かるかもしれないけれど今日作業する?」と、大山さん。

1日でも早く直したいので、「お願いします!」と、即返答した。早速、コルベットをジャッキアップし、大山さんが下に潜る。側から見ても、厄介な場所にあるのがわかった。

ただし、これでも前期モデルはマシらしい。後期や、C5以降のコルベットではもっと脱着作業のしづらいパーツがいくつもあるという。おそらく80年代前半にリリースされたモデルゆえ、近現代のモデルよりはパーツ構成が簡素だからだ。

そういえば、フェラーリ「360モデナ」に乗っていたときは、パーツ脱着で2桁万円要するケースがあった。なぜ、そんなに高いのか? と、思ったが、ボディ下部全面にあるアンダーカバーをいちいち取り外さなければならないからだ。1年点検の標準費用が約10万円要するのもそれが主たる理由。つまり、作業に時間を要するから工賃が嵩むのだ。

コルベットには、フェラーリのようなアンダーカバーはないし機構も比べるとシンプル。ゆえに、入庫当日に修理が完了するのだ。もちろん、大山さんという腕利きのメカニックがいるからの話ではあるが。

原因は……?

ようやく外れた金属製のパイプは、35年の歴史を感じるものだった。早速、パイプの穴があいている箇所を探し始めるものの、見つからない。

「原因はパイプじゃないかもしれないな……」

大山さん、すぐに原因と思われる別の箇所を探し始める。すると「お、これだ!」と、いきなりの発見。それは3つに分岐したゴム製パイプだった。

しかし、このパイプは滅多に使う種類ではないそうで、あいにくPACIFIC COAST HWYには在庫はなし。インターネットで調べても、単体での在庫はなく、あったとしてもほかのパーツとのセット売りだった。

「イナガキくん、ごめん。今日は直らないから、預からせて」と、最寄りの駅まで送っていただき電車で帰宅した。

パーツが豊富なコルベットでも、やはり在庫が僅少のものもなかにはあるという。ない場合はどうするのか? 「ワンオフでつくることもあるね」とのこと。

フェラーリでは考えられない話だった。もっとも正規ディーラーでの整備だったからの話ではあるが。やはりコルベットの維持・整備は当時の高価なスポーツカーとしては安楽なのは間違いない。

数日後、修理完了の連絡が入った。早速ショップへ向かい、インパネを確認すると警告灯は消えていた。原因はやはり3つに分岐したゴム製パイプだった。詳しく調べたところ在庫が見つかったらしい。

あわせて、少しずつ漏れていたパワーステアリング・フルードも、クランプを増し締めしてもらった。もしかすると、これで漏れが止まるかもしれない。

今回の修理費用は約6万8000円。作業時間が長かったため、普段より、ちょっと高い。が、内容を見れば、これでも同年代の欧州車に比べるとリーズナブルという。

パーツの劣化はさることながら、“緩み”でも状態が左右されるのには気がつかなった。今のクルマにはクランプがあまり使われていないからだ。旧車は奥が深い。あらためて、クランプと共に自分も(気を引き)“締め”なくては、と、思うばかりだった。

『32歳、35年落ちコルベットを買う』過去記事

Vol.1 運命の出会い
Vol.2 最終的な購入金額
Vol.3 駐車場と自動車保険
Vol.4 ついに納車!
Vol.5 警告灯、点灯!
Vol.6 白煙とタイヤ問題
Vol.7 旧車のタイヤ選び
Vol.8 旧車とオーディオ
Vol.9 旧車にディスプレイ・オーディオという選択
Vol.10 “主治医”、見つかる!
Vol.11 いざ、入庫!
Vol.12 直ったけれども……
Vol.13 路上で止まった!
Vol.14トラブルの原因
Vol.15 故障するほど好きになっていく
Vol.16 ドアロックの不調
Vol.17 一難去ってまた一難
Vol.18 警告灯がまた点いた!

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

15件
  • 〉29歳で、中古のフェラーリを購入したGQ JAPANライフスタイル・エディターのイナガキが、ひょんなことから35年落ちのシボレー「コルベット」を増車した!
    これ必要ですか?
    そのフェラーリも手元にはないだろ?
    ライフスタイルエディターって何?
    増車でもないだろ?
    増車したのなら、ご自慢のフェラーリとコルベットのツーショットの写真載せたら?
  • 出かけると不具合が出て修理
    ネタとしては美味しいはずなんだが…
    記事として面白くないのは何故?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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