日本人は食品の賞味期限、消費期限には神経質だが、クルマのパーツ類、用品などに関して消耗品の概念がないと指摘されることが多い。クルマのパーツのメンテナンスフリー化が進んでいることも関心を低くする要因となっている。
日本は車検制度がしっかりとしているため、寿命が過ぎたまま長期間放置されたままという危険性が少なく、それが重大事故の要因となるケースは少ない。
日本初なのに! 世界初なのに! 消えてしまったクルマ装備&メカの切ない言い分
しかし、新車から3年、それ以降は2年の車検だが、寿命がそれよりも短いものも存在するし、使用状況によっては寿命は一気に短くなることもある。
本企画で登場するパーツ&用品などの寿命はあくまでも交換サイクルの目安で、すべてがその期間で寿命を迎えるわけではないが、クルマのパーツ、用品の寿命を知って、安心・安全カーライフを堪能しようじゃありませんか!
文:永田恵一/写真:HONDA、NISSAN、DENSO、平野学、ベストカー編集部
クルマ関連用品の寿命って意外に長い?それとも短い?
現代のクルマは扱いが容易になったのに加えメンテナンスフリー化も進んでおり、簡単に扱える道具になるいっぽうなのは確かだ。
しかしメンテナンスフリーがさらに普及する方向にあるのは事実にせよ、クルマの消耗部品には寿命や交換時期の指定があり、当記事では頭に入れておきたい消耗部品の寿命や交換サイクルを紹介する。
一部の用品、パーツの寿命については、特定メーカーを例に出しているが、基本的にどのメーカーでも大きくかけ離れることはないので参考にしていただきたい。
タイヤ関係パーツ&用品の寿命
●タイヤ
溝は使用限界となる1.6mm
期間は5年がひとつの目安
タイヤはブレーキと並ぶ安全に直結するパーツである。交換時期の目安は大きく残り溝と使用期間の2つに分けられる。
残り溝はスリップサインが出る1.6mmが使用限界で、残り溝が減ってくると雨天時にクルマが水膜に浮き操作を受け付けなくなるハイドロプレーン現象が起きやすくなる、ブレーキ性能が低下するといった危険が起きる。
タイヤの寿命を把握するには溝のチェックは必須。そのほか目視できるポイントはひび割れがあり、早期の交換が必要になる場合もある。また使用年数も重要項目だ
そのためスリップサインが出ていなくても、「溝が減っている」と感じたら早めの交換を考えたい。
使用期間は、タイヤはゴムでできた生もののようなパーツなので、溝が残っていても側面に記載される製造時期(○年の×週という形)から5年が経ったら、専門家と相談したい。
またヒビ割れが目立つタイヤも交換を頭に入れた方がいいだろう。
タイヤは小まめな空気圧の確認や、サイズが前後同じクルマなら半年に1回のローテーション(スタッドレスタイヤを履くならその時がいいチャンスだ)で寿命を延ばせるので、ほどほどに大切に使いたい。
●タイヤパンク修理キットの修理剤
4年
最近スペアタイヤの代わりに一般化しているタイヤパンク修理キットの修理剤(液体)にも4年間の使用期限がある。
イザという時に困らないよう定期的な交換と、スペアタイヤのクルマも空気圧の確認を行いたい(スペアタイヤのことも含め、シガーライターで使える電動空気入れはクルマにひとつあっていいアイテムだ)。
スペアタイヤに代わって標準装備されるクルマが増えたパンク修理キットは、パンク修理剤(写真左)が消耗品で、4年が寿命。使わなくても期限が過ぎると交換が必要になる
ブレーキ関係パーツ&用品の寿命
●ブレーキパッド
2万~3万km(目安)
ブレーキパッドの寿命はクルマの使われ方(高速道路が多い、街乗りが多い)などによって大きく変わってくるのだが、ひとつの目安は2万~3万kmと言われている。逆に3万km走っていても厚みが残っていれば使ってもいい。
またブレーキパッドは重要な部品だけに減れば特に輸入車ならメーター内の警告、日本車もブレーキを踏んだ際に大きな音(キーキー音)が出るので交換タイミングを逃すことはないだろう。
ただ新品から10年以上経ったようなブレーキパッドは危険回避などのためにフルブレーキした際に破損する恐れがあるので、早急に交換したい。
●ブレーキローター
クラックが入った時または1mm程度の摩耗時
ブレーキパッドが掴むブレーキローターはクラックが見つかれば当然ながら、走行距離より1mm程度の明らかな摩耗、レコード盤のような減りが出た時が交換時期だ。
基本的にブレーキではパッド、ローターとも消耗品という扱いだが、ローターは石など異物がかみ込んでダメになるケースが多いのでゴーという異音がしたら要注意
●ブレーキフルード
新車から3年、それ以降は2年のタイミング
存在感が薄いブレーキフルードは、車検時に交換してくれるケースがほとんどなので気にも留めてないだろうが、寿命は意外に早い。
エンジン関係パーツ&用品の寿命
●エンジンオイル(例:ホンダ車)
【NA車】
純正の高性能オイルを使用:1万5000kmか12か月の早いほう
標準オイルを使用:1万kmか12か月の早いほう
NA車の場合は1回のドライブが8km以下(エンジンオイルは油温が適温まで上がる前にエンジンを切るような使い方も負担になる)など、シビアコンディションと呼ばれる条件の厳しい使われ方の場合は通常の半分のサイクルでの交換が指定されている。
【ターボ車】
オイルの種類に関係なく5000kmか6カ月の早いほう
他社のクルマもおおむねこのくらいのサイクルだ。ただしサーキット走行のようなスポーツ走行をした場合はエンジンオイルも早めに交換した方が無難だろう。また定期的な量の確認も必要だ。
エンジンオイルはNA車とターボ車で交換推奨サイクル(寿命)が違う。エンジンオイルの量と汚れはオイルレベルゲージでチェックする習慣をつけたいもの
●冷却水(例:マツダの登録車)
新車から3年、以後2年
長寿命のLLCの場合は初回9年か18万km、以後4年か10万kmの早いほう
エンジンの冷却水は水と寒い時期の凍結や錆を防止するLLCから構成されており、特に長寿命タイプのものが新車から入っていれば交換を忘れてもいいくらい寿命は長い。
冷却水は合って当たり前で寿命など考えたこともないもののひとつ。交換サイクルを気にしたくない人は長寿命LLCを使うのも手だ。ノーマルタイプとは寿命が大きく違う
●補機ベルト(例:マツダ車)
3年か6万kmの早いほう
エンジンの力を使って動かすエアコン、オルタネーター、ウォーターポンプなどの補機ベルトも、熱にさらされるエンジンルームにあるので定期的な交換が必要だ。
●エアクリーナー(例:マツダ車)
登録車:5万km
軽自動車4万km(シビアコンディションの場合は通常の半分の走行距離)
●プラグ(例:マツダ車)
白金、イリヂウムプラグを使う登録車:10万km(ロータリーエンジンのRX-8 は6万km)
白金、イリジウムプラグを使う軽自動車:新車から36カ月、それ以降24カ月 か4万kmの早いほう
※ノーマルプラグの場合は点検時の状況に応じて
白金、イリヂウムプラグを使う登録車であれば、長寿命LLCと同じように新車からであれば交換を忘れるくらい寿命は長い。
プラグがないとエンジンが作動しない重要パーツながら、車載工具からプラグレンチが消滅して久しいように、寿命が長くなっている。しかしメンテナンスフリーではない
燃料及び燃料関係パーツ&用品の寿命
●ガソリン、軽油
約半年
石油会社によるとガソリン、軽油は気温の変化が少ない冷暗所で携行缶に入れた状態での保管で、半年は問題ないとのことで、クルマの燃料タンクに入っているガソリン、軽油も半年くらいで使い切りたい。
海外赴任など理由はさまざまあるだろうが、長期間乗らない場合は要注意。ガソリン、軽油も腐ってエンジンにダメージを与えるので要注意。
●燃料フィルター(例:マツダ車)
ガソリン車(登録車):16万km(スカイアクティブG搭載車は無交換)
ディーゼル車(登録車):6万km
存在自体を忘れがちなキレイな燃料をエンジンに送るためにある燃料フィルターにも交換時期はあり、ディーゼル車は短い。交換すると体感できるくらい調子がよくなることもある。
その他のパーツ&用品の寿命
●ワイパーのゴム
1年程度
劣化しやすいワイパーのゴムは1年が推奨される交換時期だ。しかし保管や使用によって劣化具合は大きく異なるので、拭きとりのクリーン度やビビリ音も含めて適切に交換したい。
ワイパーのゴムの劣化は避けられない。作動させた時に拭き取りが甘くなったり、ビビリ音がし始めたらそろそろ寿命のサイン。安全に直結するだけにマメに交換したい
●ヘッドランプ
ハロゲン:3年1000時間
HID:5年2000時間
LED:15年1万時間
ヘッドライトのメーカーが公表する寿命は上記のとおり。
球切れの前兆としてはヘッドライトなら「ちょっと暗い感じがする」、ウィンカーなら点灯の周期が早い、というものがあるので見つけたら交換したい。
また交換が比較的しやすいハロゲンライトなら予備を持っておくのもいい。
寿命はハロゲン<HID<LEDとなっている。LEDの場合は15年、1万時間ということでほとんどメンテナンスフリーといっていいほどの長寿命。しかし絶対切れないわけじゃない
●エアコンフィルター
1年か1万kmの早いほう
外気をクリーンして車内に導入するエアコンフィルターにも交換時期があり、キレイな車内を保つためにも交換時期を守りたい。
●発煙筒
4年
車両故障や事故で路肩に停止する際に存在を後続車にアピールするために必要な発煙筒にも使用期限があり、イザという時に使えないことがないようにチェックしよう。
できることなら使わないでおきたい発煙筒の寿命は4年で有効年月が明記されている。注意したいのは新車購入後2回目の車検までもたないということだ
このようにクルマの消耗部品には使用限界が定められており、一度グローブボックスに入っているであろう取扱説明書やメンテナンスノートで確認しておくといいだろう。
また消耗部品の交換時期は2年の車検のタイミングとなっているものも多いので、車検の際はどう通すかはともかくとして、いずれにしてもプロに確認を頼み、安全のためにも必要があれば部品の交換を怠らないようにしたい。
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