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BMW新型「M5」デビュー! 727馬力のV8を搭載し久々にツーリングも登場予定…M5の始祖「M535」はテロ対策の重役モデルだった!?

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BMW新型「M5」デビュー! 727馬力のV8を搭載し久々にツーリングも登場予定…M5の始祖「M535」はテロ対策の重役モデルだった!?

BMWニューM5登場

BMWから第7世代となる新型「M5」が発表されました。2024年7月11日~14日に英国で開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でワールドプレミアされます。長いプレスリリースを要約するのは多くの翻訳記事に任せながら、ここではいささか趣を変えて古い話からお付き合いいただきましょう。

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5シリーズはBMWの屋台骨を立て直した立役車

BMWにとって「5シリーズ」とは、何度もぐらついた屋台骨を立て直した立役車だ。その元祖には1962年に発表された実用性の高いセダン「1500」というモデルが存在し、ドイツ語では1500という数字を5(フュンフ)と1000(アインタウゼント)で「アインタウゼント フュンフ フンダート」という発音をし、組織内部ではその頭のキーワードとなるフュンフ、つまり5シリーズと呼ばれた。

その後3Lエンジンを搭載したセダンは5シリーズよりも大きい「7シリーズ」となり、3Lエンジン搭載のクーペは「6シリーズ」に。そしてプリンス「スカイライン」がそのパッケージングを寸分たがわずコピーし、エンジンを傾斜させて搭載する方法も真似たといわれる「02」シリーズは「2000」の2ドアセダンとして、5シリーズよりも小さい「3シリーズ」となった。

その出自からして5シリーズは常に実用性の高いセダンであり、ラグジュアリーセダンの7シリーズとも異なり、大型クーペの6シリーズでもない。コンパクトな3シリーズとも違うポジションは、幅広い保守的な層に向けて「実用的でブランドらしい」モデルという命題を持っていた。

M3の始祖は5シリーズだった?

これはメルセデス・ベンツ「Eクラス」とも同じ事情で、多くの層に受け入れられながら利益を確保するという役目があり、ブランドの主張は抑えなくてはならない宿命を持っていた。話は変わるが、「M」というバージョンは今やほとんどのシリーズに揃えられ、ハイクラスパフォーマンスカーとして知られている。

特に「M3」は世界でも有名だが、乗用車としてのMの始祖は5シリーズだったという過去がある。ドイツのメディア界隈では都市伝説として、こんな話がある。

一時期ドイツの大手銀行や大企業のトップがテロの対象となり、その通勤や移動手段としてのクルマが狙われたことがある。BMWがその対策としたのが、トップの移動にはラグジュアリーでも重くて運動性に劣る7シリーズではなく、暴漢の追尾を振り払うために実用性を備えた5シリーズをベースに操作性の優れたモデルを開発したというのだ。常に3台の同じ車両が連なりトップが通勤に用い、その3台のどれに乗るかはランダムにしてリスクを避けたという。

……というわけで、主にこの足まわりをチューニングして操作性を向上させ、精密なバランスをとって組みあげられたエンジンを持ったのがMプロダクト初の「M535」であったというわけだ。M3がグループAのレギュレーションをクリアするために生まれた話は誰もが知るところだが、当時M社はFIAフォーミュラ2選手権やグラチャンシリーズのエンジンを供給しており、そのエンジンは基本的にM3とブロックを共有していた。

しかしそれだけではM社のビジネスとしては当然成り立つわけもなく、重役モデルの開発に商機を見出し、ライン生産のオプションとしてMスポーツを提供。世界的にも大好評となったM3の生産に活路を見出したという実績もある。初代M5はゼロからの開発を許されなかった当時、すでに終焉に近かった鋳鉄ブロックの直列6気筒をチューニングし、あくまで実用性を重視した5シリーズの枠を出ないハイクラスパフォーマンスカーとして登場した。

>>>BMW LIFE vol.2を読みたい方はこちら(外部サイト)

通常の5シリーズとは異なる「ホフマイスターキンク」を採用

いつの時代もM5は過度なエアロパーツをまとうことなく、保守的なセダンという外観を保つことで、車重は重いものの、とんでもないパフォーマンスを発揮してきた。そして今回の新型M5は、4.4LのV8ターボエンジンにモーターを組み合わせて最高出力727ps、最大トルク1000Nmを発生させる。外観はブリスターフェンダーやいささか派手なフロントスポイラーなどを装着する。昨今のモダンデザインからすると明確に差別化できるが、一方でやり過ぎないデザインともいえる。

例によって古語ともいえるCピラーの「ホフマイスターキンク」は通常の5シリーズとは差別化されたデザインを採用する。インテリアも歴代にならいインディビジュアルプログラムでノウハウを得た独自のラグジュアリー感を醸し出している。デジタルデバイスは通常のラインアップにあるあらゆるシステムをM社が強化チューニングし、トラクションコントロールをはじめ、M xDrive(電子制御式4WD)やシャシーコントロール、4駆と2駆の切り替えやディファレンシャルなど、ほとんどのシステムの頭にはMの文字が付けられる。

オプションのMドライブパッケージを選ぶと最高速は305キロに

最高速度は言うまでもなく250km/hで、オプションのMドライブパッケージを選ぶと305km/hに引き上げられる。その長いプレスリリースの中でも、気になる点がひとつ。それは、なんと「M5ツーリング」もラインアップされるという。

市場投入は2024年11月から開始されるが、果たしてこのパフォーマンスをオーナーとしてフルに味わうにはドイツのアウトバーンや、ニュルブルクリンクの周遊チケットが必要だろう。最大限に走りを楽しむには、日本のサーキットでは狭いかもしれない。

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【動画】BMW新型「M5」

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みんなのコメント

1件
  • tos********
    パワーを上げても、大きく、重くなるのは、今の世の中の流れでは無いね。
    サイズを変えずに軽量化する方向に技術を振った方が魅力のある車が出来ると思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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