わずか99台の限定モデル
2024年12月1日にRMサザビーズがドバイで開催したオークションにおいてメルセデス・マイバッハ「G650ランドレー」が出品されました。先日フルモデルチェンジを受け、さらに魅力的な存在となったメルセデス・ベンツ伝統のオフローダー「Gクラス」。その人気は高い走破性と同時に、高級オフローダーとしての豪華な作りにありますが、歴史の中にはコレクターズアイテムとして名前があげられる貴重なモデルも存在します。ここで紹介する99台のみ限定生産されたG650ランドレーも、コレクターには見逃せない1台です。
新型「Gクラス」が待望の日本デビュー! ローンチエディションの「G 450 d」は2110万円、「G 63」は3080万円から…装備を解説します
メルセデス・マイバッハとメルセデスAMGの2つの世界観を同時に体感できる
メルセデス・マイバッハとは、カスタマーに究極のラグジュアリーを提供するため、メルセデス・ベンツが2014年から展開しているサブ・ブランドである。2002年から2012年まではメルセデス・ベンツ・グループの独立したブランドとして存在していたが、独自の製品を開発するよりも、メルセデス・ベンツの既存のモデルをベースに、マイバッハ独自の高級化を行った方が効率的だという考えのもと、このサブ・ブランドが誕生している。
RMサザビーズがドバイ・オークションに出品した「G650ランドレー」は、2017年にデビューしたモデルである。ベースとなったのはメルセデスAMG「G65」で、このモデル自身、メルセデス・マイバッハと並ぶサブ・ブランドであり、カスタマーに究極のパフォーマンスを提供することを目的とするメルセデスAMGの作品にほかならない。つまり今回の出品車では、メルセデス・マイバッハとメルセデスAMGというふたつの世界を同時に味わうことができるわけだ。
ポータルアクスルを採用することで、最低地上高を450mmにまで上げ、悪路での走破性をさらに向上させたメルセデス・マイバッハ G650ランドレーは、その一方でホイールベースを600mm延長。それによって得られた余裕は、2人分の後席に座るパッセンジャーの快適性向上のために使われる。シートはメルセデス・マイバッハ「Sクラス」と同様の高級なもの。前席と後席の間にはガラス製の格納式パーテーションも設けられ、さらに後席部分のルーフは電動開閉式のファブリックトップとされている。
>>>Gクラスを特集したメルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.222を読みたい人はこちら(外部サイト)
エクスクルーシブ・レザー・オプションを装着
ドバイでオークションにかけられたメルセデス・マイバッハ G650ランドレーは、2018年1月にまずカタールに住む最初のオーナーに納車された。デジーノ・ミスティック・ホワイトで仕上げられたボディには、AMGカーボントリムピースに合わせて、外部の保護ストリップにカーボンファイバー仕上げが指定されている。さらに傷のつきにくいクリアニスが塗られ、22インチ径の無電解研磨仕上げの6ツインスポークホイールが装着されている。
キャビンはエクスクルーシブ・レザー・オプションを選択した、じつに豪華なものだ。ブラックのファブリックルーフに合わせて、ブラックトレッドのキルティングハイドでトリミングされている。そしてベロアのフロアマットとブラックのマイクロファイバーヘッドライニングがインテリアを引き締める。印象的な装備のハイライトは、ピクニックテーブル付きのリアシート用エンターテイメントパッケージの一部である、ハーマンカードン・サラウンドサウンドシステムとDVDプレーヤーだろうか。
0-100km/h加速を6秒以下で走り切ることができるパフォーマンスの理由は、もちろんメルセデスAMG製のV型12気筒エンジンにある。その最高出力は驚異の621ps。まさにラグジュアリーとパフォーマンスの共存だ。RMサザビーズは、この貴重なGクラスに65万ドル~75万ドル(邦貨換算約9734万円~1億1231万円)のエスティメート(予想落札価格)を示してオークションに臨んだが、残念ながら落札者は現れず、車両は現在でもRMサザビーズで販売が継続されている。
ショーファー・ドリブンでこそ、その魅力が満喫できるGクラス。その商品性を理解するのはなかなか難しいのだろうか。参考までに新車で販売された99台は、もちろんソールドアウトしているのだが……。
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