「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ボルボ V60 オーシャンレース エディションだ。
ボルボ V60 オーシャンレース エディション(2012年:特別限定車)
世界で最も過酷なヨットレースが、「ボルボ・オーシャンレース 2011-2012」。このレースの成功を記念して、ボルボ・カーズ・ジャパン(編集部註:2012年当時)から特別限定車が発売された。XC60/V70/XC70など4車種に設定されたが、今回はV60にスポットを当てて紹介しよう。
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2011年11月5日にスペインのアリカンテを出航し、2012年7月8日にアイルランドのゴールウェイまで、実に8カ月以上かけて地球一周半の距離を戦った「ボルボ・オーシャンレース」。その距離およそ7万3千kmを、ケープタウン(南アフリカ)、アブダビ(UAE)、オークランド(ニュージーランド)、マイアミ(アメリカ)、リスボン(ポルトガル)などに寄港しながら、区間ごとに分けてレースし続けるという、世界で最も過酷なヨットレースだ。
にもかかわらず、優勝しても賞金はゼロ。1973年から続く歴史に名を刻めるという栄誉と、その名誉を称えるトロフィーだけが栄光の証なのだという。
そんな海のラリーレイドのようなヨットレースを、2001年から冠スポンサーとして応援しているボルボから「ボルボ・オーシャンレース2011-2012」を記念して「オーシャンレース エディション」なるモデルが特別仕様車として登場した。設定されたXC70/60、V70/60の4車種の中でも、気になるのはV60。ベースとなっているのは1.6Lターボエンジンを搭載したT4だ。
都会の大海原を駆け抜けるには最適な1台だ
ズバリ海を想像させるオーシャンブルー メタリックIIのボディカラーに、太陽を感じさせるサンルーフを装備したエクステリア、ヨットのセールを彷彿とさせるステッチが特徴の専用本革シートが目をひくインテリアなどは4車共通だが、さらにキセノンヘッドランプ、パワーシート、HDDナビ、キーレスドライブなど個別オプションやパッケージオプションでしか選べなかった装備の中で、人気の高いものをピックアップして装着されている。
ちなみにシートは2色から選べるが、個人的にはやはり砂浜のようなソフトベージュが似合っていると思う。ここのところ、より洒脱になったスカンジナビアン でジンを、より一層引き立ててくれるように感じる。
かなりシティ派な走り味は相変わらずで、「ワゴンだからカッコ悪いとか、走りはイマイチとかいうのはNG。あくまでもS60の性能にプラスアルファの荷室を追加したと思って欲しい」と言い切った性能は快適そのもの。
素直にドライビングが楽しく、都会の大海原を駆け抜けるボルボとはまさにこのことと納得させられる。限定台数は、V60が300台、V70が200台、XC60とXC70が30台ずつというから、気になる人は早めにディーラーを訪ねてみると良いだろう。(編集部註:既に販売は終了しています)
ボルボ V60 オーシャンレース エディション 主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1865×1480mm
●ホイールベース:2775mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1596cc
●最高出力:132kW(180ps)/5700rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・67L
●JC08モード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:235/45R17
●当時の車両価格(税込):479万円
[ アルバム : ボルボ V60 オーシャンレース エディション はオリジナルサイトでご覧ください ]
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