■高性能かつ特別な直6自然吸気エンジン車を振り返る
クルマに搭載されるエンジンの種類はさまざまですが、排気量や車格によって異なるのが気筒数で、現在は4気筒エンジンが主流といえるでしょう。
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一方で、ミドルクラス以上のクルマでは6気筒エンジンを搭載するケースが古くから続いており、現在も2リッター以上のクルマでは数多く存在します。
この6気筒エンジンは、今ではV型が広く採用されていますが、少数派ながら直列6気筒エンジンもあります。
直6エンジンは振動の少ないスムーズな回転が得られるメリットがありますが、エンジン全長が長くなるため、縦置きの場合は衝突の際のクラッシャブルゾーンを確保するのが難しく、エンジン全長が短いV型へと移行しました。
また、横置きの直6はかつてボルボとランドローバーが実現しましたが、やはりV型の方が横置きにも対応が容易ということもあり、他メーカーでは採用されていません。
しかし近年は、技術的な進歩によるエンジン全長の短縮化と衝突安全性の向上から、直6エンジンの良さが見直され、一部の車種で復活しました。
こうして直6エンジンは再び注目されるようになりましたが、高級車や高性能車に搭載されていることもあり、ターボエンジンのみです。
そこで、今はなき高性能な直6自然吸気エンジンを搭載した特別なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン オーテックバージョン」
1989年に、日産は8代目となる「R32型 スカイライン」を発売。「スカイラインGT-R」が16年ぶりに復活して、大いに話題となりました。
スカイラインGT-Rにはレースで勝つことを目的に、専用に開発された2.6リッター直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」が搭載され、最高出力280馬力を発揮。まさに究極の直6エンジンといえるでしょう。
この高性能なR32型 スカイラインGT-Rのコンポーネンツを利用して、オーテックジャパンによって製作されたコンプリートカーが、1992年発売の「スカイライン オーテックバージョン」です。
ボディは2ドアクーペのスカイラインGT-Rと異なり4ドアハードトップのみで、スタンダードモデルと同様にナローな5ナンバーサイズのままとされています。
また、外観では派手なエアロパーツは装着されておらず、標準では専用デザインのエアロフォルムバンパーがフロントに採用された程度です。
エンジンはRB26DETT型をベースにしながら、ターボやインタークーラーを外して専用に仕立てられた自然吸気で、専用のインテーク/エキゾーストマニホールド、カムシャフト、ピストン、などが組み込まれています。
型式も2.6リッター直列6気筒DOHC自然吸気から「RB26DE型」が与えられ、最高出力は220馬力を発揮しました。
駆動方式はスカイラインGT-Rと同じく「アテーサE-TS」の4WDですが、余裕のあるロングドライブを楽しむというコンセプトだったことからトランスミッションは4速ATのみとされました。
一方で、足まわりでは4WSのスーパーハイキャスを装備しつつ専用チューニングが図られ、ブレーキはスカイラインGT-Rから移植された4輪ベンチレーテッドディスクが奢られるなど、優れた運動性能を発揮。
スカイライン オーテックバージョンは、日常での使い勝手も優れた大人の高性能ツーリングセダンというモデルでしたが、今では中古車市場でも滅多に見られない超希少なモデルです。
●BMW「E36型 M3」
BMWの高性能モデルといえば「M」シリーズです。現行でも各セグメントにMハイパフォーマンスモデルがラインナップされています。
初期のモデルとして、1985年にBMWのレース活動などを担当する「BMWモータシュポルトGmbH(現在のM社)」が、欧州ツーリングカーレースに勝つために設計、開発した初代「M3」が誕生。
M3は2代目3シリーズの2ドアセダンをベースに、最高出力195馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載していました。
そして、1993年には2代目M3が登場し、エンジンは3リッター直列6気筒DOHCを搭載。6連スロットルが与えられ、最高出力は286馬力を発揮。さらに1995年には3.2リッターに排気量を拡大し、最高出力は321馬力を誇りました。
これにトランスミッションは3リッターモデルに5速MT、3.2リッターモデルでは6速MTと、同社初のロボタイズドMTである6速SMGが組み合わされました。
2代目M3のボディは当初2ドアクーペのみでしたが、後に4ドアセダンとオープンモデルのカブリオレを追加。ブリスターフェンダーを採用した初代M3ほどボディは大胆な変更がおこなわれておらず、控えめなエアロパーツが装着されるにとどまり、ハイパフォーマンスモデルであることは、見た目からは大きくアピールしていません。
●メルセデス・ベンツ「C36 AMG」
メルセデス・ベンツは1982年に、当時もっともコンパクトなサイズのエントリーモデルとして「190E」シリーズを発売。
日本には1985年に上陸すると好調なセールスを記録し、日本におけるメルセデス・ベンツ車の普及に貢献しました。
そして、1993年には190Eシリーズの後継モデルとして初代「Cクラス」がデビューし、同じくヒット作となります。
ボディは4ドアセダンと5ドアステーションワゴンを設定し、高性能モデルとして「C36 AMG」をラインナップ。
AMGは1970年代に、メルセデス・ベンツの車両をチューンナップしたマシンによってレースで活躍したことから名を馳せ、その後メルセデス・ベンツの公認チューナーとして数多くの市販モデルのカスタマイズを手掛け、現在はハイパフォーマンスカーブランドの地位を得ています。
C36 AMGには最高出力280馬力を発揮する3.6リッター直列6気筒DOHCを搭載し、さらに高性能なV型8気筒エンジンを搭載した「C43」や「C55」が登場するまでは、Cクラスではトップモデルに君臨していました。
外観はかなり控えめな印象で、エンブレムやマフラー、タイヤ・ホイールが専用とされた程度です。
性能的にはV8モデルに及びませんでしたが、音やドライブフィールもC36 AMGの魅力だったといえるでしょう。
※ ※ ※
M3では4代目で一旦はV型8気筒エンジンとなりましたが、5代目と現行モデルの6代目では直列6気筒エンジンに戻されました。
また、メルセデス・ベンツもガソリン車の主力が直6からV6へと移行しましたが直6が復活し、先代のSクラスから搭載されています。
さらにマツダは、次期フラッグシップモデルに直6エンジンの搭載を公表しており、かなり注目されています。
かつて隆盛を極めていた直6エンジンでしたが、そのほとんどがV6に取って代わりました。しかし、その魅力は色褪せることなく、復権に至ったということでしょう。
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みんなのコメント
RB26も名機だけど急に外車へ飛んじゃった笑