仕事でスーパーカー系の新車価格を調べていると「ランボルギーニアヴェンタドールSVJって5000万円以上もするのか!」とビビることがしばしばある。
だが最近のクルマに対して、5000万円ごとき(?)でビビっていては身が持たない。
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2021年8月にペブルビーチで発表された世界限定40台の「ブガッティ・ボリード」は日本円にして約5億2800万円であり、実にアヴェンタドールSVJが約10台分だ。
ボリードというのは「火球」を意味するフランス語だそうで、搭載エンジンは最高出力1850psの8L、W型16気筒。W型に配置された4つのバンクそれぞれに4気筒とターボを備え、最高速は500km/h以上となる……らしい。
さらにポルシェとブガッティ、リマックが設立した「ブガッティ・リマック」が開発したリマック・ネヴェラも約2億5800万円で、復活したランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4の価格は約2億6000万円から4億円ぐらいとのことだが、限定112台がとっくに完売している。
かたや2050年までのカーボンニュートラル実現、2030年までに電動化といわれているのに、駆け込み乗車ならぬスーパーカーの超高額車乱立………。
そんな世紀末的な状況のなか、クルマの価格ははたしてどこまで上がるのだろうか? 「世界の高額車」を調べ、「世の中には本当にお金持ちがいるんだなぁ……」としみじみしてみることにしたい。
※表示価格は時期によって為替レートが変動し価格が変わってくるので、2021年10月20日時点でのレート、欧州1ユーロ=132円、米ドル=112円、英1ポンド=156円で換算しました。
文/伊達軍曹
写真/フェラーリ、ロールスロイス、ブガッティ、パガーニ、ダイハツ、RM Sotheby’S
[gallink]
■1位:ロールスロイス・ボートテイル/約31億2000円
ロールスロイスボートテイル/約31億2000万円
2021年5月にロールスロイスが発表したボートテイルは、ファントムをベースに同社のコーチビルド専門チームが手がけたオーダーメイドモデルで、1920年代~1930年にかけてごく少数が製造されたシリーズをモチーフにしており、3台のみが生産されるという。
エクステリアデザインは車名の通り、ボートをモチーフにしており、リアデッキには高級な食器類やシャンパンが収まるスペースが設けられており、バタフライドアで開閉するようになっている。
これだけでも唖然とするが、さらに日差し除け用のパラソルまで用意されていることに、これはクルマなのかーと呆れてしまった。でも1回でもいいからパラソルの下、シャンパンを飲みながら、後部シートに座ってみたいものです(運転は専属ドライバーにお任せして……)。
さらに、このボートレイルを聞いて、まいりました! なんと2000万ポンド、約31億2000万円! マジかー、おそらく新車価格でこれまでで最高額ではないか? 約30億円といえば、11分の宇宙の旅と同じ値段。宇宙旅行を取るか、ボートテイルを買うか、悩みますなー(お金を持っていればの話ですが)。
特注品といえば、前○氏所有のパガーニゾンタ、「ゾンタZOZO」は約3億円、ブガッティシロンは3.5億円、ロールスロイス・ファントム・オリベは約3億円となっております!
パラソルの下にはシャンパンが入るスペースがある。これはクルマというより陸を走るクルーザー
■2位:パガーニゾンダHPバルケッタ/約19億6000万円
パガーニ ゾンダHPバルケッタ/約19億6000万円
発表は2017年ということで「近年発売された新車」ではないのだが、1750万ドル、日本円にして約19億6000万円。ロールスロイス・ボートテイルが出る前まではぶっちぎりの高額車だった。
日本車最安値のミライースB/86万200円
ちなみに日本一安い新車がダイハツミライースB(2WD)の86万200円なので、ゾンダHPバルケッタ1台でミライースのBが2279台買える計算となる。
そんなパガーニゾンダHPバルケッタとは、パガーニの創始者であるオラチオ・パガーニ氏が60歳になるのを記念して3台のみ製作されたハイパーカー。「HP」というのは同氏の氏名の頭文字だ。
搭載エンジンは7.3LのAMG製V12自然吸気で、最高出力は680ps以上、0~100km/h加速は3.4秒ぐらいであるらしい。
■3位:ロールスロイス・スウェプテイル/約14億5600万円
ロールスロイス・スウェプテイル/約14億5600万円
パガーニゾンダ HPバルケッタに次いで3位となったロールスロイス・スウェプテイルは1300万ドル、日本円にして約14億5600万円である。
僅差で4位となったブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワールの価格は1100万ユーロとのことなので、日本円にして約14億5200万円。
為替レートは常に変動しまくるものなので、ラ・ヴォワチュール・ノワールとロールスロイス・スウェプテイルの価格は「だいたい同じぐらい=どちらもバカ高い」ということだ。
で、そんなロールスロイス・スウェプテイルとは、2017年にイタリアで開催されたクラシックカーイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で公開された、超絶お金持ちがロールスロイスにオーダーして作らせた1台。
1920年代のコーチビルド車に見られた「スウェプト・テイル」というフォルムが特徴となる。
ちなみにスウェプト(swept)というのはsweep(掃く、履いて集める)の過去形/過去分詞で、この場合は「なでつけられたテール」的なニュアンスになる(らしい)。
機構的な部分はファントム クーペそのものだが、内外装のすべてがオートクチュール(高級注文仕立て)であるため、このプライスとなっているのだ。
■4位:ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール/約14億5200万円
ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール/約14億5200万円
ロールスロイス・スウェプテイルに次いで僅差の4位となったのはブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール。価格は1100万ユーロとのことなので、日本円にして約14億5200万円。ミラ・イースBの1688台分である。
ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワールは、ブガッティの創立110周年を記念して1台のみ製造されたハイパーカーで、2019年のジュネーブモータショーで発表された。
ブガッティシロンの車台に手作りのカーボン製ボディを載せ、シロンと共用となる8L、W16気筒ターボエンジンは最高出力1500ps、最大トルク1600Nmを発生する。
世界にたった1台のこれを購入したのは、世界的サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドとも、かつてブガッティを救済したフェルディナント・ピエヒ氏とも噂されているが、ブガッティはオーナー氏を「当初から決まっていた、とあるブガッティのエンスージアスト」としか発表していないため、真相は藪の中である。
■4位:パガーニ・ウアイラ・トリコローレ/約7億2600万円
パガーニ・ウアイラ・トリコローレ/約7億円
このほかでは、2021年1月に世界3台限定で発売されたパガーニ・ウアイラ・トリコローレが550万ユーロ(約7億2600万円)。
このウアイラトリコローレはイタリア空軍のアクロバットフライトチーム、フレッチェトリコローリ60周年を記念して生産されたもの。840ps/1100Nmを発生するAMG製V12、6Lツインターボエンジンを搭載する。
■5位:ブガッティ・ディーボ/約6億6000万円
ブガッティ・ディーボ/約6億6000万円
ブガッティオートモビルが、ヴェイロン、シロンに続くスーパースポーツ大3弾として、2015年に送り出したのがディーボである。
シロンをベースとし、タルガ・フローリオで優勝したレーシングドライバー、アルベール・ディーヴォから名を取ったというこのスーパースポーツの価格は500万円ユーロ、約6億6000万円。生産台数は40台である。
1500ps/1600Nmを発生するW16気筒クワッドターボエンジンはシロンと同じだが、最高速度や0~100km/h狙いの直線番長的なモデルではなく、ワインディングでの走りの楽しさを重視したハンドリングマシンだという。
■新車以外での過去最高額は約81億1200万円
過去最高額といわれている約81億1200万円(5200万ポンド)で売買された1962年式フェラーリ250GTO。写真は現車と異なります
「バカ高い新車」はおおむね以上のとおりだとして――ほかにも冒頭で軽く触れたブガッティ・ボリードは400万ユーロ(約5億2800万円)やメルセデスAMG Oneが270万ドル(約3億240万円)、マクラーレン・スピードテールが175万ポンド(約2億7300万円)などがあるわけだが、きりがないので割愛するとして――お次は「オークションで落札された高額車ランキング」を見てみよう。
過去最高額はオークションではなく個人売買によるものだが2018年に売買されたフェラーリ250GTOが現在の為替レートで約81億1200万円(5200万ポンド)。この車両はツール・ド・フランスで優勝したクルマで事故歴がないことが高く評価されたという。
オークションでは2018年のぺブルビーチ・コンクール・デレガンスにて行われたRMサザビーズオークションで、これまたフェラーリ250GTOが4840万5000ドル(約54億2200万円)で落札。
■直近のオークションで落札された超高額車:アストンマーティンDB4 GTザガートクーペ/約10億6624万円
アストンマーティンDB4GTザガートクーペ/約10億6624万円(オークション落札価格)。PHOTO/RM Sotheby’S
期間中の総売上高は1億4852万8300ドル(約166億3500円)だったそうだが、最高値となる952万ドル(約10億6624万円)で落札されたのは1962年製のアストンマーティンDB4 GTザガートクーペだった。
わずか19台のみ製造されたDB4 GTザガートクーペの1台で、さらに左ハンドル車はそのうち6台のみだったらしい。で、さらに「クローム仕上げの真鍮製ウインドウフレーム」が装着されていたのは、今回落札されたこの個体だけだった(らしい)。
■直近のオークションで落札された超高額車:フェラーリ268SPスパイダー/約8億6296万円
フェラーリ268SPスパイダー/約8億6296万円(オークション落札価格)。PHOTO/RM Sotheby’S
2位は770万5000ドル(約8億6296万円)で落札された1962年式フェラーリ268SPスパイダー。これは1962年のル・マン24時間レースにスクーデリア・フェラーリ・ワークスから参戦したモデルだ。6台生産されたが、大型の8気筒エンジンを搭載したオリジナルの個体はこの車両のみである(らしい)。
そしてこの車両は1969年に製造されて以来、2人のオーナーにしか所有されていないとのこと。……その2人とは誰だったのだろうか?
■直近のオークションで落札された超高額車:フェラーリ275GTBロングノーズアロイクーペ/約8億6296万円
フェラーリ275GTBロングノーズアロイクーペ/約8億6296万円(オークション落札価格)。PHOTO/RM Sotheby’S
1962年式フェラーリ268SPスパイダーと同額の770万5000ドル(約8億6296万円で落札されたのが1966年式フェラーリ275GTBロングノーズアロイクーペで、計12台が作られたなかで11番目に製造された個体であるとのこと。
1967年のル・マン24時間レースや1969年のスパ・フランコルシャン1000kmレースなどでクラス優勝を果たした個体で、1960年代におけるフェラーリのレーシングモデルである。
日本車ではトヨタ2000GTが2013年に約1億2000万円で落札、以下LFAニュルブルクリンクパッケージが約1億1650万円、ワイルドスピードの劇中車の1台、オレンジの80スープラが約6100万円、スカイラインR34GT-R VスペックIIニュルが約6050万円といった具合だ。
……あまりにも浮世離れした話題であり、自分の経済力から考えると「無関係」にもほどがあるため、最後のほうは投げやりな記述になってしまったことをお詫びしたい。
とはいえ、生きていれば何が起こるかわからないのが人生というもの。こんな自分もひょっとしたら、何らかのビジネスを大当てして巨万の富を得る可能性も決してゼロではない。0.0001%ぐらいはあるはずなのだ(たぶん)。
もしもそんな日が来たならばこの記事を読み返し、「さて、どれにしようかな?」などと楽しく悩むことにしたい。そして聞かれてもいないのに勝手にお答えすると、個人的にはブガッティのラ・ヴォワチュール・ノワールが好みである。
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普通に1000万でも高い