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フォルクスワーゲンらしさたっぷり──新型ID.4試乗記

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フォルクスワーゲンらしさたっぷり──新型ID.4試乗記

フォルクスワーゲンのピュアEV(電気自動車)「ID.4」がまもなく日本にもやってくる! 一足先に小川フミオがデンマークで乗った!

巧みな足まわり

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2022年内に日本への導入が検討されている、フォルクスワーゲン初のグローバル市場向けピュアEV「ID.4(アイディーフォー)」に、ひと先に試乗した。力強い動力性能と、扱いやすそうなサイズ。よく出来たEVだった。

ID.4に乗ったのは、大きなEV市場を有するデンマークの首都コペンハーゲン。フォルクスワーゲンのピュアEVブランド「ID.」として最初に発売されたID.3がタクシーで使われているのも、私には驚きだった。

あいにく雨中(「じつに久しぶりの雨!」とそのときコペンハーゲンのひとたちは喜んでいたが……)での試乗になってしまったが、静粛性が高く乗り心地もよいID.4は雨でしっとりした港町コペンハーゲンの雰囲気によく合っているように思えた。

私が乗った仕様は、77kWhのバッテリーに150kWのモーターを組み合わせたモデルだ。ID.シリーズが使う「MEB」というプラットフォームはリアモーターが基本なので、私のID.4も例外でなかった。ちなみに本国では4輪駆動仕様も登場している。

1充電あたり537kmもの走行距離を誇るモジュラー式のバッテリーは床下に敷き詰められている。おかげで操縦性にいい影響を与える低重心化を実現。車重は大容量バッテリーのぶん2.2t程度に達するものの、加速は軽快。静止状態から100km/hに達するまで8.5秒しかかからないというのに納得できる。

雨のコペンハーゲンは、土曜日の朝というのもあって、中心部も交通量は極端に少なかった。そこで、私は軽快なペースでID.4を走らせられた。

石畳の道でも車輪とサスペンションが凹凸のショックをきれいに吸収。私とフォトグラファーとドイツからやってきてくれたコーディネーターの姿勢はつねにフラットに保たれる。上手な足まわりの設定だ。

最低地上高が210mmと余裕があって、荒れていなければオフロードでもすぐれたパフォーマンスを発揮するとフォルクスワーゲンでは謳うが、オンロードでの洗練された走りも魅力的である。

プレミアムなファミリーカー「従来のカテゴリーよりも1クラスに相当する広い室内スペースを実現」と、メーカーではパッケージングのよさを喧伝する。

実際に外寸はコンパクトでも広い室内スペースを実現するのに長けたフォルクスワーゲンの能力がID.4にもしっかり活かされている。そのあたりは、「ゴルフ」や「ポロ」の巧みなパッケージングとそっくり。

後席のスペースもじゅうぶんな広さが確保されている。リアモーター、リア駆動なので、床面はフラット。これはプロペラシャフトを使わない電気自動車の強みでもある。走りも良く広々とした室内スペースといい、ファミリーカーとしてもぴったりだ。

しかも、パワー&航続距離共になかなかの性能を実現。巧みな足まわりといい、立派というかプレミアムなファミリーカーだ。ゴルフIV以降、クオリティが大幅に高まっているフォルクスワーゲンが手掛けたピュアEVだけのことはある。

ダッシュボードはクリーンですっきりとしている。液晶を使ったモニターが、運転席前にひとつ、もうひとつ、インフォテインメント用が中央にも据え付けられている。ほとんどの操作は、後者のモニターでおこなう。それゆえ物理的なスイッチは少ない。操作性が良いかどうかは人それぞれの判断だと思うが、個人的にはタッチ感やスクリーンの反応は良く、好印象。

計器用のモニターをあえて小型の台形にしているのが、デザイン的にトンガった印象を受けた。フォルクスワーゲンはインテリア・デザインやカラー&トリムにも優秀なデザイナーを抱えているのだなぁと私は感心した。かつての無機質なモデル、たとえばゴルフIIIなどと比べると大きく変わった。

新しいID.4は、フォルクスワーゲンの変わらない良さを持ちつつ、時代の流れに適応したピュアEVだった。ゴルフなどから乗り換えても、すんなりと受け入れられるだろうし、はじめてフォルクスワーゲン・ブランドを購入する人は、きっと「いいクルマだなぁ」と、感心するはず。

実に懐の深い1台であった。

文・小川フミオ 写真・Wolfgang Grube/Volkswagen Japan

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みんなのコメント

5件
  • これをもし500万前後で売られたら、日本勢は完全終了ですな。
    性能には目をつぶって、価格だけで勝負してきたのに、性能でも価格でも負けたら、誰が国産車なんか買うんだよ。
  • ラルも乗りたい
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