■プレミアムミニバンの草分けVクラスに、新型グランエースはどこまで迫れるか
トヨタが2019年内に日本で発売すると発表した新型「グランエース」に注目が集まっています。日本市場でのコンペティターと目されるのは同じくトヨタ製の「アルファード/ヴェルファイア」ですが、欧州メーカーだとメルセデス・ベンツ「Vクラス」が競合車になりそうです。
そこで、新型グランエースとVクラスを内外装の装備と価格面から比べてみました。
アルファードを超えた? 新型「グランエース」の詳細画像を見る!(54枚)
まず最初に、新型グランエースと比べるVクラスの概要を簡単に説明しておきます。日本では2016年1月から発売がはじまった3代目Vクラスは、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、全長の違いによって3タイプのボディタイプがラインナップされていました。その後、追加仕様を加えたり、ラインナップの見直しなどがおこなわれています。
2019年4月にビッグマイナーチェンジがおこなわれましたが、まだ日本には導入されていないため、ビッグマイナーチェンジ前のVクラスを中心に新型グランエースと比較しています。
●多彩なサイズ構成でVクラスの勝ち
最初にボディサイズから比べてみましょう。新型グランエースのボディサイズは、全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mmで、ホイールベースが3210mmです。
対するVクラスには全長違いで3タイプのボディがあります。もっとも全長が長い「エクストラロング」のボディサイズは、全長5380mm×全幅1930mm×全高1880mm、ホイールベースが3430mmです。次の「ロング」の全長は5150mm、その下に標準ボディの全長4910mmがあり、全幅と全高はすべてエクストラロングと同じ数値で、ホイールくるまのニュースベースが3200mmです。
全長とホイールベースの関係から、新型グランエースにもっとも近いVクラスはロングになるでしょう。しかし、自宅駐車場の大きさや積載の用途に応じて、ボディを3種類から選べるのは非常に魅力的です。ゆえにVクラスの勝ちとします。
●シートアレンジではドロー
フルサイズワゴンを選ぶ人は、多人数で乗車することが多いと思います。そこで気になるのが室内サイズとシートアレンジです。
新型グランエースの室内サイズは、室内長3290mm(8人乗り3365mm)×室内幅1735mm×室内高1290mmです。Vクラス・ロングの室内サイズは、室内長2840mm×室内幅1660mm×室内高1330mmです。純粋に室内の広さだけを比べると新型グランエースのほうが広いことになります。
新型グランエースのシートは、3列シートの6人乗りと4列シートの8人乗りのふたつが設定されています。3列シートの場合、2列目と3列目が本革のキャプテンシートとなり、ロングスライド機構やオットマンを装備することで、大人4人がくつろぐことができます。
新型グランエースはシートの取り外しこそできませんが、6人乗りだと2列目3列目ともにビジネスクラス並みの豪華なキャプテンシートである点がアドバンテージとなる一方、2列目が180度回転したりシートの取り外しなどができません。
日本仕様のVクラスは3列シートのみとなり、2列目は独立シートで2人、3列目はベンチシートで3人乗車できるようになっています。2列目シートを180度回転して3列目シートと対面式にすることも可能です。
また、2列目と3列目のシートは取り外しが可能なので(ただし非常に重たいので容易には外せません)、用途に合わせて多彩にアレンジでき、2列目と3列目ともにすべてのシートに3点式シートベルトが一体化されています。
さらにVクラスには昨今のキャンピングカーブームを反映した「V 220dマルコポーロ ホライゾン」という専用装備のモデルがあります。
このモデルはポップアップルーフやフルフラット機能付きベンチシートに加え、前席が回転式(最大230度)となっています。最大乗員定数は5人ですが、ポップアップルーフ内に2名まで使用可能なベッドを備えており、フルフラットした後席も合わせて大人5人が就寝できる仕様となっています。
もともと新型グランエースの日本導入は、近年のインバウンドによる訪日外国人の増加や2020年開催の東京オリンピックに向けての送迎需要増加を見込んでのことです。いわば後席乗員のための送迎スペシャルともいえます。一方のVクラスは、ファミリー層の需要を見込んだ仕様に絞って日本に導入されています。
直接対決するには目的が違いすぎることを踏まえたうえで比べると、後席の豪華さという点だけでいえば新型グランエースの勝ちですが、多様性という点から見るとVクラスに分があります。ゆえにこの勝負はドローです。
■豪華な後席シートの割にバリュー感ある価格設定の新型グランエース
クルマを選ぶ際に非常に大きな動機のひとつになるのが、内外装のデザインです。新型グランエースとVクラスでは、どちらが先進的でしょうか。
●コックピットはVクラスの勝ち
クルマのフロントマスクは、高級車になるほど押し出しの強さが求められる傾向にあります。新型グランエースとVクラスは、どちらが押し出しが強いデザインでしょうか。
金属調加飾の大型ラジエーターグリルをヘッドランプと融合させ、上下左右方向に張り出した新型グランエースのフロントマスクは、華やかで押し出しの強さを感じます。
しかし、こと押し出しの強さということでいえば、アルファード/ベルファイアの方がむしろ上かもしれません。新型グランエースは上品な押し出し感のあるフロントマスクといえます。
ただし送迎用としての利用を考慮すると、新型グランエースの多少控えめな外観は納得のいくものです。
Vクラスは、標準モデルこそ商用車に近い落ち着いた印象ですが、「AMGライン」を採用したモデルもあります。AMGデザインエクステリア(フロントスポイラー、リアルーフスポイラーリップ)、専用19インチAMGツインスポークなどが装備されていて、押し出し感も十分です。
新型グランエースのインストルメントパネルは、水平垂直基調の無難なデザインとなっています。空調吹き出し部に金属調加飾、助手席正面に木目調加飾、メーターフードには表皮巻きと本ステッチを施すなど上質さを追求しています。
Vクラスのインストルメントパネルは、メルセデス・ベンツのほかのラインナップと同様の曲線を活かした有機的なデザインとなっています。
スイッチ類のなどの作り込みなど、もはや新型グランエースとVクラスの比較というより、トヨタとメルセデス・ベンツの比較といった方が適切かもしれません。見た目やテクスチュアなど、コックピットの高級感があるのはVクラスです。
●新車価格では圧倒的に新型グランエースが有利
オーストラリアでの新型グランエースの価格は、標準モデルの6人乗りが約460万円、8人乗りが約474万円、上級モデルVXが6人乗りと8人乗りともに約547万円です。エンジンは2.8リッター直列4気筒ディーゼルです。
Vクラスも2016年発売当時は2.2リッター直列4気筒ディーゼルのみを搭載していました。装備が充実しており高級仕様の「V 220d アヴァンギャルド ロング」の当時の車両価格は620万円でしたが、2017年には一部改良され713万円になりました。もっとも安価で標準ボディの「V 220d トレンド」は550万円です(2017年当時車両価格)。
新車車両価格では装備の充実を鑑みて、新型グランエースの方がお買い得感があります。
では、乗り出しから3年後の価格はどうでしょうか。2016年式のVクラスの中古市場での販売価格は、ほとんどが500万円以上から700万円以下で流通しているようです。5万km以上走行している過走行車でも400万円前後と、割合に価格を維持しているという印象です。
新型グランエースはこれから発売されるのでわかりませんが、アルファードと同じくらいの人気になれば、3年後の中古車市場での価格はそう大きく落ち込むことはないでしょう。
※ ※ ※
新型グランエースはまだ日本の公道を走っていないので走行性能などでは比較せず、あくまでも見た目や価格だけでメルセデス・ベンツVクラスと比べてみました。Vクラスもビッグマイナーチェンジした新型がこれから日本に導入されるため、その車両価格や性能が気になるところです。
送迎需要の増加が見込まれるために日本へ導入される新型グランエースですが、ファミリーカーとしてもアルファード/ヴェルファイアの代わりとして注目が集まりそうです。
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