近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。2桁のクルマは、多くが20年以上所有され続けている場合が多い。20年以上もおなじクルマに乗り続ける理由とは? 第7回は“横浜34”のポルシェ「911」を所有するオーナーをたずねたお話の後編。
328 GTSを購入
“横浜34”のポルシェ「911カレラ」(タイプ930)を所有する石田隆二さんは、以前、フェラーリ「328 GTS」も所有していたという。
【 前編はこちら!】
「フェラーリは、2001年に購入しました。以前から328は憧れのクルマで、周囲に『いい個体があったら欲しい』と、言っていたところ九州に売却したいオウナーがあらわれて……それが以前所有していた328 GTSでした」
328は1985~1989年に製造されたV8ミドシップモデルで、GTSはタルガトップ。石田さんが所有していたのは1988年型のドイツ仕様だった。購入金額は約550万円。
「328は昔から憧れのクルマでした。就職当時から、『いつかは所有したい』と、心に決めていました。今の911カレラを購入するときも、(328の)購入を一瞬考えたのですが、当時は『まだ、自分が乗るには若すぎるのでは?』と、思い、購入を見送りました」
2001年から12年間、911カレラと328 GTSの2台体制の生活だった。
Vol.6 横浜33のフェラーリ テスタロッサ 前編/後編
「周囲からはよく“夢の2台生活だね”と、羨ましがられました。私自身は技術系のサラリーマンなので、2台を乗るにしても基本土日のみ。したがって、走行距離はそれほど伸びませんでしたね」
328 GTSも911カレラとおなじく“アタリの個体”だったという。維持費はそれほど要さなかったそうだ。
「ただし、エンジンのオーバーホール費用は911カレラよりも高価で、約200万円掛かりました。フェラーリとポルシェの違いですね(笑)」
ポルシェを残しフェラーリを売却した理由
2013年、長年所有し続けた328 GTSを売却することに。
「当時、諸般の事情からフェラーリかポルシェのいずれかの売却を迫られました。ポルシェの売却価格は、100万円台だったため、より値がつくうえに車検間近だった328 GTSにしました。とはいえ、今ほど相場が高騰する前だったので約270万円にしかなりませんでしたが」
ポルシェを残した理由は、ほかにもあるという。
Vol.4 八王子33のディーノ246GT 前編/後編
「ポルシェかフェラーリ、いずれかで出かけるとなるとポルシェの方が便利ですからね。4人乗れますし、荷物もそれなりに詰めますし。911カレラを使って引っ越しも出来ましたよ(笑)」
以降は911カレラを所有し続けている。石田さんが遍歴したクルマの数はそれほど多くない。
「1台のクルマを長く乗り続けるほうかもしれません。これまで所有してきたクルマは5台だけですので。最初に所有したのは初代フォルクスワーゲン「シロッコ」でした。学生時代に親しい年上の人から譲ってもらいました。ちょうどその人が新車の日産『Be-1』を購入するということで譲ってもらったんです」
Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S 前編/後編
今、石田さんは911カレラのほかに、ホンダ「ビート」を所有する。
「マツダ『ロードスター RF』を購入しようと考えていたとき、友人が手放すというので譲ってもらいました。2017年頃です」
“キケンな魅力”
石田さんは、911カレラを「まったく手放す気はありません」と、述べる。続けて「気に入っているし、ほかに乗りたいクルマもありませんから……」とのこと。
「気になるクルマはあります。ポルシェ『356』です。以前は『50歳になったら356に乗りたい』と、周囲に話していたものの相場が高騰し、購入しづらくなってしまいました。もう1台はフェラーリ『412』のマニュアル トランスミッションモデルですね。ほとんどがオートマチック モデルなので、マニュアルは超希少で、そもそも流通する個体がほとんどないという……いずれも縁があれば購入したい1台です」
いずれもクラシック カーであるものの、最新のクルマに触れる機会も多いという。なぜなら石田さんの仕事は自動車関連。車載通信技術の研究・開発に従事している。
「もともとクルマとおなじぐらいエレクトロニクス分野も好きでした。以前の会社では、オーディオのデジタル補正技術『DSP(デジタルシグナルプロセッサー)』の開発にも従事しました。ちょうど、カーオーディオに搭載され始めた頃ですから1990年代初頭です」
Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編
その後は携帯電話機器事業に長年従事。当時の経験を活かし、現在の仕事に携わっているという。
「いまのクルマは電子技術の塊ですが、それゆえの魅力もあります。高度なインフォテインメントシステムや先進安全装備、走行安定性を各種電子デバイスなどによって、新しい走る歓びをユーザーに与えていると思います。このあたりは、当方の911カレラでは味わえない魅力ですね」
911カレラをこよなく愛する石田さんではあるが、いまのクルマを否定するわけではないのだ。
「いまのクルマで魅力的に映るのはメルセデスの『Aクラス』ですね。コンパクトなうえに、パワーも必要十分以上。ハンドリングがキビキビとしている点も良いですね」
Vol.6 横浜33のフェラーリ テスタロッサ 前編/後編
では最近のポルシェについては、どう思われているのか?
「今のポルシェは大きくなりすぎたかもしれませんね。仕事柄、最新の911(タイプ992)も乗りましたが、それほど面白くありませんでした。電子制御のサポートは目をみはるのですが、それがよく出来すぎているのかもしれません」
石田さんは続けて、「僕の911カレラのような“危うさ”が欲しいですね」と、述べる。
“キケンな魅力”とはまさにこのことかもしれない。その魅力に引き寄せられた石田さんの911カレラ・ライフを聴くと、今、タイプ930の市場価格が高騰しているのも納得。今のポルシェではあじわえない魅力がギュッと詰まっているのだから。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
【2桁ナンバー物語 過去記事】
Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編
Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン 前編/後編
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