現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 中国格安ブランドのグローバル展開、背後にステランティスの支援 売上「共食い」懸念はないのか

ここから本文です

中国格安ブランドのグローバル展開、背後にステランティスの支援 売上「共食い」懸念はないのか

掲載 3
中国格安ブランドのグローバル展開、背後にステランティスの支援 売上「共食い」懸念はないのか

急成長と開発能力を買われて

中国の新興EVメーカー、リープモーター(Leapmotor)が欧州市場に参入した。後ろ盾となるのは欧米系自動車大手のステランティスだ。

【画像】「格安EV」にしては見た目も悪くない?【リープモーターT03/C10を写真で見る】 全12枚

リープモーターは手頃な価格のEVを展開するが、プジョー、シトロエン、フィアットなど、ステランティスの傘下ブランドと「共食い」になることはないという。むしろ、「新たな機会」につながると、同社CEOのティエンシュ・シン氏は語っている。

「リープモーターはいくつかの理由から、ステランティスの14のブランドを補完するものと考えています。第一に、リープモーターは純粋なEVブランドであり、中国発であること。第二に、ステランティス・グループが(技術面で)持っているものを補完するものであること。第三に、グループ内における同ブランドの位置づけです」

「テクノロジーに精通した顧客、おそらくテクノロジーを好む若い顧客層にとっては、たくさんの機能があります。携帯電話の操作と同じで、非常に多くの機能があります。その観点から、顧客によって好みは異なります」

ステランティスは、リープモーターと共同で設立した合弁会社リープモーター・インターナショナル社に15億ユーロ(約2400億円)を投資している。その広大なグローバル事業を活用して、欧州、オセアニア、東南アジア、インド、南米、中東、北アフリカでブランドを展開しており、今年の販売台数を25万台、2030年には50万台まで増えると見込んでいる。

「最先端のテクノロジーとリープモーターの過去数年間の急成長、さらに社内の強力な垂直R&D能力と品質が、この戦略的提携を構築する決め手となりました」

このテクノロジーの鍵となるのが、リープモーターの「セル・ツー・シャシー」構造であり、EVのバッテリーレイアウトを改善し、乗員の居住空間を拡大し、(乗り心地とハンドリングに有利な)ねじれ剛性を高めるとされている。将来的には、他のステランティスブランドとの相乗効果も期待できるという。

シンCEOはステランティスの前身であるPSAの元幹部で、ステランティス・チャイナ(中国部門)でも要職に就いていた。同氏が率いるリープモーター・インターナショナルは、すでに発表されている「T03」と「C10」に続き、さらに3車種のEVを欧州で発売する計画だ。

同氏はまた、「航続距離1000km」のEVに対する大きな潜在需要があるとして、航続距離延長型EV(EREV)技術を欧州に導入する「計画もある」とAUTOCARに語った。

C10のEREVバージョンはすでに中国で販売されており、1.5Lのガソリンエンジンを搭載し、中国のテストサイクルで1190kmの航続距離を誇る。

C10は中国のリープモーター工場で生産されるため、EU域内への輸入関税が21%かかる見込みだ。しかし、T03はポーランドのステランティス工場で、かつてのフィアット500の生産ラインを利用して生産されることから、価格は中国市場向けとほぼ同じになるようだ。

シンCEOは、T03をEU域内で生産することが、将来の関税に対する保険に過ぎないという一部の主張を否定し、次のように語った。

「当社のターゲット層を見ると、顧客は価格に非常に敏感です。生産を現地化することで最も大きく削減できるのは、輸送コストなのです」

「すべての決定は、1つの要素だけでなく、総合的なビジネスケース評価に基づいて行われます。そして、最終的な目的は、世界中の顧客にモビリティ・ソリューションを提供することです」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
AUTOCAR JAPAN
【流麗で未来的な外観】2025年上半期に中国で発売予定の日産「N7」 先進の運転支援技術も搭載
【流麗で未来的な外観】2025年上半期に中国で発売予定の日産「N7」 先進の運転支援技術も搭載
AUTOCAR JAPAN
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
AUTOCAR JAPAN
「ホンダの時代が来た」 CEOが語るEVの未来 世界で存在感を示せるか
「ホンダの時代が来た」 CEOが語るEVの未来 世界で存在感を示せるか
AUTOCAR JAPAN
広州モーターショー開幕、「新エネ車」の最新事情や見所を“紙上公開”[新聞ウォッチ]
広州モーターショー開幕、「新エネ車」の最新事情や見所を“紙上公開”[新聞ウォッチ]
レスポンス
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
AUTOCAR JAPAN
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
AUTOCAR JAPAN
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
AUTOCAR JAPAN
アバルトが「エンジン脱却」を宣言 フィアットベースのEV開発に専念 「所有コスト」は安い
アバルトが「エンジン脱却」を宣言 フィアットベースのEV開発に専念 「所有コスト」は安い
AUTOCAR JAPAN
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
AUTOCAR JAPAN
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
AUTOCAR JAPAN
【再来年の愛車はこのカラーかも?】BASFがカラートレンド予測を発表
【再来年の愛車はこのカラーかも?】BASFがカラートレンド予測を発表
AUTOCAR JAPAN
欧州カー・オブ・ザ・イヤー2025 最終候補7台選出、ルノーやヒョンデなどEVが大半占める
欧州カー・オブ・ザ・イヤー2025 最終候補7台選出、ルノーやヒョンデなどEVが大半占める
AUTOCAR JAPAN
ルノーとアルピーヌのダブルネームを持つアルカナ【新米編集長コラム#8】
ルノーとアルピーヌのダブルネームを持つアルカナ【新米編集長コラム#8】
AUTOCAR JAPAN
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
THE EV TIMES

みんなのコメント

3件
  • ib*********
    最近のステランティス関連のニュースを見ていると、大丈夫なのかと不安になるニュースしか無いな。
  • kim changmin
    中国、韓国、アメリカが、BEVをリードする構造は変わらなさそうです。EUは高級車、日本は軽自動車など、今後、棲み分けが進むかもしれません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村