ビッグマイナーチェンジを受けたDSオートモビルの「DS 7」を、小川フミオがテストドライブ。フランス生まれのフラグシップSUVは見ても、乗ってもひと味違った!
独創的な内外装
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かつてSUVは他人と差別化するための恰好の道具だった。いま、多くのひとがSUVに乗るなか、さらなる差別化を求める向きには、フランスの「DS 7」など、どうだろう?
2023年3月31日に日本で発売開始されたDS7 OPERA E-TENSE 4X4は、シトロエンの上級ブランドとしてスタートしたDSオートモビルが手がけるプラグイン・ハイブリッドのSUVだ。
このクルマならではの特徴をごく簡単にいうと、他社の製品にはない内装の仕上げにある。
4590mmの全長と2730mmのホイールベースをうまく組み合わせて、余裕ある室内空間を作っていて、前後席とも居心地がいい。
とくに前席は、着座位置の高さを強調するように、ダッシュボードがやや低めの設定で、そこにクッション性の高いシートを組み合わせる。期待以上に快適な場所となっているのだ。
もうひとつ、DS 7がユニークなのは、ダッシュボード各部のデザイン性だ。スイッチやエアアウトレットなどは直線基調の意匠で、ダイヤモンドパターンの表面処理がほどこされている。
ダッシュボードならびにドアトリムには、高品質なドレスの造形などに用いられるドレープ処理。くわえてステッチは、銀糸のようにキラキラと輝く意匠が与えられているのだ。
今回、マイナーチェンジを受けたDS 7は、インフォテインメントシステムのモニターが8インチから12インチへと大型化。たしかに乗っていて、大きい! と、感じるし、視認性も良い。
外装面では、84個のLEDを使ったヘッドランプをはじめ、新意匠のフロントグリルとフロントバンパーをもつ。そしてバンパー左右にはLEDを使った4筋の「DSライトヴェール」が採用された。これはけっこう目をひく。
パワーユニットはマル、乗り心地は……DS 7は、シルエットはオーソドクスだけれど、細部に凝ることで、路上で目立つ個性を手に入れた。もちろん、ただ目立つのではなく、ドライバーにとって、運転も楽しめるのも個性である。
エンジンは1598cc直列4気筒ガソリンターボで、前後に電気モーターを搭載する電気式4WDシステムだ。エンジンは前輪駆動用で、モーターが後輪を駆動する。
ただしプラグインハイブリッドといっても、完全な外部充電式。駆動用バッテリーが規定量を下まわると、エンジンによるチャージはできない。充電するまで前輪駆動のエンジン車となる。
試乗するとエンジンだけでも、よく走る。ホントにいまの欧州車が搭載する小排気量エンジンは、よく出来ているなぁ、と、感心。
バッテリーとモーターの分、車重が350kg重いのだけれど、ふだん使いで、加速にかったるさがほとんどないのは驚きだ。発進加速といい、高速での追い越し加速といい、スムーズ。
乗り心地は、235/45R20のタイヤがやや重いのか、カーブでも1940kgの車体をすっと曲げるためにフロントサスペンションを硬めているせいか、路面からの突き上げを感じる場面がある。
これまでDSのICE(エンジン駆動モデル)では、ふわりふわりという感じの心地よい乗り味をもっていただけにE-TENSE 4x4の足まわりの設定はちょっと残念だった。
思い出してみると、シトロエン「CX」や「C6」といった、往年のシトロエンのトップモデルも、路面の段差ごえは得意でなかった。ここがより改善されればなぁ、と、思う。
サブネームの「OPERA」は、ほかのモデル(DS 9とか)では、基本的に装備を表しているもので、DS 9ではもうひとつ下に「RIVOLI」なる仕様もある。DS 7ではワングレードだ。
E-TENSE 4x4の価格は799万円と、かなりなもの(ICEのPureTechは689万8000円)。この価格設定に納得して、このクルマに乗るのは、ほんとうにぜいたくな行為なのかもしれない。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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