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会社はやっぱり人! 年収アップに定年廃止まで盛り込まれた「ホンダ」の「人事施策」に明るい未来をみた

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会社はやっぱり人! 年収アップに定年廃止まで盛り込まれた「ホンダ」の「人事施策」に明るい未来をみた

この記事をまとめると

ホンダが「人間尊重のフィロソフィーに基づく人事の取り組みについて」の発表会を開催

ホンダと日産の統合は世間がいうほど悪くない! 「哲学の違い」さえクリアすれば日本の自動車産業にとってプラスになる

■「主体性」「公平」「相互信頼」の3原則においてこれまでに行ってきた活動を解説

■総合モビリティカンパニーとして進化するために今後のホンダの人事施策方針を発表

ホンダが今後の人事に関する施策を発信

2024年末に日本を揺るがしたホンダと日産による経営統合の協議開始のニュースから1カ月弱が経過した2025年1月17日、ホンダが「人間尊重のフィロソフィーに基づく人事の取り組みについて」と題して「ホンダ人事施策メディア説明会」を開催した。

これまでのホンダの歴史において、人事に関する施策を外部に向けて発信することはなかったという。それをなぜこのタイミングで行ったかは少々気になるが、ホンダによると、「夢を原動力に挑戦を続け、多様な個が輝くことのできる企業風土づくりに取り組んできたホンダの第二の創業期ともいうべき事業変革期において、事業変容に合わせて進化を続けるホンダの人事戦略や具体施策についてご理解いただくため」とのことだ。

まずは貝原典也副社長より、人事の基本的な考え方が説明された。これまでホンダは「Hondaフィロソフィー」の基本理念である「人間尊重」をベースに、「主体性」「公平」「相互信頼」を人事の3原則として、従業員ひとりひとりの意欲や能力を高める環境づくりと、もてる力を発揮できる職場づくりに力を注いできたという。

「主体性」では、本人の実力より少し高いレベルの仕事を与え、そのうちの4割ができるようになれば、その仕事をすべて任せるということを実践。また、自ら手を上げて職場を異動する社内公募制度「チャレンジ公募」を20年以上前から実施し、毎年200名ほどが新たな職場で新しい仕事にチャレンジする機会を創出してきた。

「公平」では、学歴ではなく「ホンダというフィールドを活用して自分が何を成し遂げたいのか」を尋ねたうえで合否を判断する人物重視の定期採用を実施。また、役職者・一般従業員ともに実力主義で、自らの役割における成果に対して、処遇が連動する仕組みを取ってきた。

「相互信頼」では、部下が自らのキャリア観や所属組織での役割を上司に申告する「2Way」と呼ばれる面談を30年以上前から実施し、組織の方針とのすり合わせを行ってきた。また、ホンダには役員に個室の執務室がなく、「大部屋役員室」というシステムを採用し、社長含め全役員が集まって執務を行う「ワイガヤ」というシステムができる環境としてきたのも特徴だ。

とこのように、ホンダの人事理念である「Hondaフィロソフィー」は「主体性」「公平」「相互信頼」の3つの柱の上に成り立っており、これは今後も変わらないものであることを、貝原副社長が説明してくれた。そのうえで、ホンダで働くひとりひとりが「夢」に向かってもてる能力を最大限に発揮できる環境の整備を加速させ、変革期における人・組織の力の最大化につなげていく方針であることを決意表明し、その環境づくりと人材に対して、今後5年間で150億円を投じる予定であることが語られた。

部長職の年収200万~300万円アップを目指す

貝原副社長の決意表明を受け、今後の具体的な施策を発表してくれたのが、安田啓一人事統括部長だった。大綱としては「個の違いを認め合い、尊重する企業風土」「大胆かつ柔軟な人材採用と育成」「主体性の尊重と実力主義の徹底」という3つの施策を行う。

「個の違いを認め合い、尊重する企業風土」では、多用な働き方として選択定年制と一部従業員の定年制度廃止、フレックスタイム制とリモートワーク、有給休暇の100%取得、短日数勤務・短時間勤務制度、休職制度・帯同転勤制度などを実施。また、企業風土改革として、変革期における行動要件「Honda 6 ACTIONS for Change」を明示し、それぞれの現場であるべき姿に近づくための取り組みを組織開発的にボトムアップで実行する「企業風土改革プログラム」を開始する。

「大胆かつ柔軟な人材採用と育成」では、人材採用として国内の採用だけでなく、注力領域での採用強化と海外から日本への採用を強化する。育成としては、注力領域(ソフトウェア・電動化)のリテラシー向上と従業員の自律的な学びの支援、グローバル人材育成、新価値探索プログラム「MINERVA」に注力していく。

「主体性の尊重と実力主義の徹底」では、役職者の給与・評価制度の改定、高度専門人材の処遇、Gen-AIエキスパート制度の導入などを実施。なかでも注目すべきは、役職者の給与・評価制度の改定で、部長職を例にすると、これまでの年収から200万~300万円の年収アップを実現していく予定だそう。

発表会を通して、貝原副社長は「ホンダにはこれまでに築き上げてきた失敗しないシステムができあがっている。これに基づいて動いていれば失敗はしないけれど、まったく新しいものには対応することができない。ホンダが総合モビリティカンパニーとして進化するためには、経営側がしかけて変えていかなければならない」と力強く語った。

このタイミングで発表されたホンダの「人間尊重のフィロソフィーに基づく人事の取り組み」。それはこの先、例え経営統合することがあってもなくても、ホンダはホンダの進むべき道を見据え、それに向かって邁進していくことの宣言に感じたのは考えすぎだろうか。

いずれにしても、今後のクルマ業界では、半導体やAIの領域で高い知見を持った人材の奪い合いが激しくなることは必至。ホンダは人事に関する自社の哲学を公開することで、これに賛同する優秀な人材の確保を目指す。AIや電動化などといっても、最後はやはり「人」こそが企業の財産なのだ。これまでもホンダは「人」が未来を切り開いてきた。そんなホンダにこれからも期待したい。

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みんなのコメント

8件
  • lan********
    ホンダに限らず、こういった人事制度改革で恩恵を受けるのは一部役員と若手。
    40後半〜50過ぎの氷河期世代は人事制度改革に伴うリストラ候補筆頭だよ。
  • ハンセン
    日産は、リストラです。でも幹部は、たぶんしがみつきます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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