この記事をまとめると
■クルマに詳しくない人は「ミニ」のことを何でも「ミニクーパー」と呼びがち
「9-85」のミニに「3-10」のアルファロメオに「27」のフェラーリ……って? そんじょそこらのクルマ好きじゃ意味がわからないマニアの「希望ナンバーの由来」
■2024年3月に「ミニ」のブランド名は正式に「ミニクーパー」に統一された
■1961年10月に登場した最初のミニクーパーはいまでいうエボリューションモデルだった
「ミニ」から「ミニクーパー」に改名
クルマにあまり詳しくない人が「ミニ」のことを「ミニクーパー」と呼びがちなことについて、詳しい者たちは、心のなかで舌打ちをしていたように思う。「ちっ。これだから素人は困るぜ。ミニの車名はあくまでも『ミニ』であって、『クーパー』っちゅうのは何種類もあるグレードのひとつに過ぎんのよ。だから『ミニ=ミニクーパー』みたいな呼び方はしないでほしいなぁ……」という感じで。
だが、2024年3月、ミニのブランド名は「詳しくない人」が誤って呼称していたとおりの「ミニクーパー」に変更された。
つまり、お若い女性などが「好きなクルマですかぁ? えっとミニクーパー? あれが可愛いから好き? みたいな」といっていたのは、過去においては誤った発言だったのだが、いまとなってはそれこそが正解になったのだ。
「クーパー」というのは、BMWがミニを作るようになってからは「中間グレードのグレード名」でしかなく、その他のグレードは「ミニ ワン」だったりした。だが、2024年3月のフルモデルチェンジ時に、BMWは車名をそれまでの「ミニ」から「ミニクーパー」へと変更。従来型3ドア版ミニの正式な車名は「MINI(3ドア)」だったが、現在の車名は「MINIクーパー(3ドア)」。そしてそのなかに「C」と「S」というふたつのガソリン車と、「E」および「SE」という2種類のEVがある──という図式になっている。
また、同年6月にフルモデルチェンジされた5ドア版のほうも状況は同じで、現在の車名は「MINI(5ドア)」ではなく「MINIクーパー(5ドア)」だ。
BMW社がミニの車名を「ミニクーパー」に変更した正確な理由を筆者は知らない。だがまぁ第一の理由として、「ミニクーパー」という呼び方(呼ばれ方)の“通りのよさ”を優先したというのはあるだろう。そして、それに加えて、1961年10月から存在している「ミニクーパー」という言葉または車両そのものがもっている「スポーティなよきイメージ」を、より強く訴求したかった──という理由もあるはずだ。
「ミニ」よりも「ミニクーパー」のほうが知名度が高かった
前述のとおりBMWが作るようになってからのミニにおいて、「クーパー」というのは中間グレードのグレード名でしかなかった。だが1961年10月に登場した一番最初のミニクーパーは、いまでいう「エボリューションモデル」だったのだ。
1959年に発売された元祖ミニを設計したアレック・イシゴニスの友人で、1950年代のF1を席捲した英国人の名チューナー「ジョン・クーパー(John Newton Cooper)」は、イシゴニスからミニの試作車を見せられ、そして試乗した際に「このハンドリングなら勝てる!」と確信。そして普通の小型実用車だったミニをチューニングしたものが、1961年10月に1000台限定で発売された「一番最初のミニクーパー」だった。
当時のノーマルミニが848cc/34馬力のエンジンを搭載していたのに対し、ジョン・クーパーの「ミニクーパー」は997cc/54馬力のエンジンを搭載したほか、サスペンションやブレーキも強化されていた。そして、(ややこしいいい方で恐縮だが)クーパーが作ったクーパーは、登場直後からレースやラリーで大活躍。そのため、ミニの製造元だったBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)は、さらなる高性能モデル「ミニクーパーS」を開発した。
そうして生まれた元祖ミニクーパーSはBSCC(ブリティッシュ・サルーン・カー・チャンピオンシップ)の主要タイトルを総なめにし、凍結した冬のアルプスを走る「モンテカルロラリー」でも1964年、65年、67年に総合優勝を果たす。途中、1966年のモンテカルロラリーでは失格となったが、これは不可解な理由による処分であり、実質的にはこの年も、ミニクーパーSはワンツーフィニッシュを果たしている。
1970年代に入るとラリーのワークスチームは撤退し、ミニクーパー自体も市販車のカタログから消滅した。だが、「クーパー」という4文字(英語のCooperだと6文字)の鮮烈な記憶は残り続け、1980年代後半にはジョン・クーパーがチューニングしたコンプリートキットが発売され、1990年にはキャブ仕様の「ミニ クーパー1.3」を発売。そして、1992年にはインジェクション仕様の「ミニ クーパー1.3i」も発売。これらは日本市場でもバカ売れした。
「クーパー」という言葉のスポーティで良好なイメージは、2001年に誕生したBMW製のミニにも受け継がれ、前述のとおり中間グレードのグレード名は「クーパー」となり、最上級グレードのグレード名は「クーパーS」になった。
このような栄光の歴史から考えると、クルマに詳しくない人がミニのことを「ミニクーパー」と誤った車名で認識するようになってしまったのも、ある意味当然で不可避なことだったのかもしれない。そしてまた今年3月に車名が「ミニクーパー」に変更されたのも、これまた必然といえば必然だったのだろう。
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