2023年スーパーフォーミュラ第3戦で宮田莉朋が初優勝。野尻、宮田、ローソン、坪井のチャンピオン争いが激化【鈴鹿サーキット】

2023年4月23日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が、三重県の鈴鹿サーキットで開催され、宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）が同カテゴリー初優勝を挙げた。坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING）が2位、3位には平川亮（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）が入り、トヨタ勢が初表彰台を独占する結果となった。（文：河村大志／写真提供：日本レースプロモーション）

大湯都史樹が今季初のポールポジション獲得
2023年4月22日に行なわれた公式予選でポールポジションを獲得したのは大湯都史樹（TGM Grand Prix）だった。

Q1 Aグループに登場した大湯は暫定トップに立っていた国本雄資（Kids com Team KCMG）のタイムを大幅に更新しトップでQ1突破を決めた。また、宮田やリアム・ローソン（TEAM MUGEN）といったランキング上位勢も順当にQ2に駒を進めている。

Q1 Bグループにはランキング首位の野尻智紀（TEAM MUGEN）が登場。しかし野尻はタイムが伸びず7番手タイムとなりQ1敗退が決まったかに思われたが、5番手タイムを出していた小林可夢偉（Kids com Team KCMG）が走路外走行によりベストタイムを抹消されたため、野尻が繰り上がりでQ2進出を決めた。

ポールポジションが決定するQ2では、Q1の勢いそのままに大湯が区間ベストを更新しながらトップに立つ。その大湯の区間タイムを更新しながらフィニッシュラインに向かう野尻だったが、後半セクターのタイムが伸びずに2番手タイムに止まる。

第2戦から好調をキープしている坪井が大湯と野尻の間に割って入り2番手タイムを記録。これで坪井はフロントロウ獲得となった。

大湯は今季初のポールポジションを獲得。キャリア2度目の予選1番時計となった。2位には坪井、3位には九死に一生を得た野尻。Q2までのわずかな時間帯に行ったセッティング変更が功を奏し、タイムを上げることに成功。貴重な1ポイントを獲得している。

2023年 スーパーフォーミュラ 第3戦 予選結果（Q2）
1. 大湯都史樹（TGM Grand Prix）1:35.792
2. 坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING）1:35.835
3. 野尻智紀（TEAM MUGEN）1:35.906
4. 山下健太（KONDO RACING）1:36.126
5. 牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）1:36.280
6. 小高一斗（KONDO RACING）1:36.403
7. 佐藤蓮（TCS NAKAJIMA RACING）1:36.563
8. リアム・ローソン（TEAM MUGEN）1:36.711
9. 平川亮（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）1:36.814
10. 阪口晴南（P.MU／CERUMO・INGING）1:37.023
11. ジュリアーノ・アレジ（VANTELIN TEAM TOM’S）1:37.060
12. 宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）1:58.858

宮田莉朋がスーパーフォーミュラ初優勝！
予想外の展開となった決勝レースを制したのは宮田莉朋。待ちに待ったシリーズ初優勝となった。気温21度、路面温度36度というコンディションで快晴の中行われた決勝。5番グリッドの牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）がエンジンストールしたことにより、31周のレースは1周減算の30周で行われることとなった。

スタートではポールポジションの大湯が好スタートでトップのまま1コーナーを抜ける中、8番手スタートのローソンも好スタートを切り4位にジャンプアップ。さらに3位を走るチームメイトの野尻をもオーバーテイクし3位につけた。

ピットウインドウがオープンとなる10周目終了時に真っ先にピットインしたローソン。翌周にはローソンの動きに反応した2番手坪井もピットに入り、なんとかローソンの前で戻り2位を死守する。アウトラップの坪井を捉えたいローソンだったが、1コーナーで前に出られなかった時点で坪井へのアタックをやめ冷静に坪井の後ろでチャンスを伺うことを選択する。

一方、トップの大湯はピットインを遅らせ、新品タイヤに交換して追い上げる作戦に出る。そのために摩耗しているタイヤで懸命にラップタイムを落とさないように周回していく。

そして19周目終了時にピットインした大湯はローソンの後ろ、3番手でコースに復帰。背後にはタイヤ交換を済ませ、タイヤに熱が入っている野尻が迫るが、S字から逆バンクに向かう左カーブで接触この接触で2台ともコーフオフしスポンジバリアに衝突。ランキングリーダーの野尻と今大会1番の速さを見せた大湯の予想外のアクシデントであった。

このアクシデントによりSCが出動するが、この抜群のタイミングで順位を上げたのがピットストップを遅らせていた宮田と平川だった。タイヤ交換を済ませ、周回数をこなしている坪井、ローソンに対し、宮田と平川は新しいタイヤで上位2名の真後ろにつくことに成功した。

24周目にレースが再開。坪井、ローソンともに踏ん張るが、ローソンをパスした宮田が坪井に迫る。そして残り2周のホームストレートでついに宮田が坪井をオーバーテイクしトップに浮上。その後ろでは平川もローソンを捉え3位に浮上した。

そのままトップでチェッカーを受けた宮田がスーパーフォーミュラ初優勝を達成。これまで優勝にあと一歩届かなかったトヨタの秘蔵っ子がついに表彰台の頂点に立った。2位には平川の猛追を防いだ坪井、3位は宮田同様、運を味方につけた平川が入った。SCがなければ勝てていた可能性が高かった坪井は悔しい2位となったが、第2戦から速さを見せており、優勝できるポテンシャルを改めて示した。

リタイアとはいえ、野尻が42点でランキング首位をキープ。今回優勝した宮田が38点、ローソンが35点、坪井が32点でチャンピオン争いは熾烈を極めそうである。一皮剥けた宮田、レース巧者のローソン、自信を手に入れた坪井、勢いのあるメンツがチャンピオンに牙を剥こうとしている。

2023年 スーパーフォーミュラ第3戦　決勝結果（上位10名）
1. 宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）　30周
2. 坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING）＋3.022
3. 平川亮（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）＋3.404
4. リアム・ローソン（TEAM MUGEN）　 +4.130
5. 山下健太（KONDO RACING） ＋8.709
6. 阪口晴南（P.MU／CERUMO・INGING）＋12.366
7. 小高一斗（KONDO RACING）＋13.071
8. ジュリアーノ・アレジ（VANTELIN TEAM TOM’S）＋15.213
9. ジェム・ブリュックバシェ（TGM Grand Prix）＋15.728
10. 福住仁嶺（ThreeBond Racing）＋16.124

2023年 スーパーフォーミュラ ドライバーズランキング（第3戦終了時点）
1. 野尻智紀（TEAM MUGEN）　 41
2. 宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）　38
3. リアム・ローソン（TEAM MUGEN）　35
4. 坪井翔（P.MU／CERUMO・INGING）　32
5.平川亮（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）　 22
6. 山下健太（KONDO RACING） 　 17
7. 山本尚貴（TCS NAKAJIMA RACING）　8
8. 大湯都史樹（TGM Grand Prix）　8
9. 佐藤蓮（TCS NAKAJIMA RACING）　7
10. 阪口晴南（P.MU／CERUMO・INGING）6

2023年 スーパーフォーミュラ チームランキング（第3戦終了時点）
1. TEAM MUGEN　69
2. VANTELIN TEAM TOM’S　37
3. P.MU／CERUMO・INGING　36
4. ITOCHU ENEX TEAM IMPUL　22
5. KONDO RACING　22
6. TCS NAKAJIMA RACING　15
7. TGM Grand Prix　9
8. Team KCMG　5
9.ThreeBond Racing　5
10.DOCOMO TEAM DANDELION RACING　3
11.docomo business ROOKIE　2

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Comments

ホンダは、どのカテゴリでも同士討ちが多い気がする。

ホンダホームの鈴鹿でトヨタ勢に表彰台独占され草